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渋谷区「新宮下公園」整備事業で約220億円の不当値引きか

提訴日、東京地裁で記者会見する原告ら。黒塗りの資料は、ホテルの詳細などが記してあるはずの昨年時点での事業計画書の一部。(撮影/渡部睦美)

提訴日、東京地裁で記者会見する原告ら。黒塗りの資料は、ホテルの詳細などが記してあるはずの昨年時点での事業計画書の一部。(撮影/渡部睦美)

少なくとも219億8800万円――。「森友学園」への国有地売却で値引きされたとされる約8億円をはるかに上回る額の“値引き”が、東京・渋谷区で進む「新宮下公園整備事業」において事実上行なわれた可能性がある。渋谷区区民らが8月10日、同区の長谷部健区長を相手取って219億8800万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴したことで明らかになった。

問題となっているのは、渋谷駅近くにあった宮下公園をめぐる整備事業だ。ホテルも建つ商業施設の屋上に、「新宮下公園」は移される。2015年に事業者に選定された三井不動産は、20年の東京オリンピックまでに整備することを条件に、この土地についての30年間の定期借地権契約(賃料の合計は227億5700万円)を昨年6月に区と結んでいる。

しかし訴状によると、この賃料は、15年の不動産鑑定に基づくもので、渋谷区はホテル部分を含めずに鑑定を行なった。そこで、原告となった同区の堀切稔仁区議会議員と同区住民の2人が、ホテルなどを含め現時点で公にされている計画をもとに不動産鑑定を依頼したところ、今年7月13日付の鑑定では賃料の合計が447億4500万円との結果が出た。その差額は、219億8800万円である。

新たな鑑定によると、同土地は、16年1月時点では前年比約10%、昨年と今年の1月時点では同約13%地価が上昇している。また、原告らによると、依頼した不動産鑑定会社から、ホテルがあるものとないものとでは鑑定内容がまったく違ってくるので、渋谷区の行なった鑑定は体をなしていないという趣旨の説明を受けたという。

原告らは、地価の上昇やホテルの建設などを含めた不動産の再鑑定を行なわずに、区が契約を交わしたことは、地方財政法4条2項「地方公共団体の収入は、適実且つ厳正に、これを確保しなければならない」、地方自治法2条14項「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」に反するとし、区長に釈明を求めている。さらに、契約締結時に、宮下公園を利用などに大きな制約が課される行政財産から、普通財産に転換したのは、整備事業によって大部分を商業施設にするからであるとして、この措置も不当で、地方自治法に反するとしている。

同区公園推進プロジェクト担当課は、「訴状が届いていない(8月17日時点)ので、コメントは差控える。詳細は、法の場でハッキリさせればいいのではないか」とした。

(渡部睦美・編集部、2018年8月24日号を加筆修正)

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