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「自分に刺さるコンテンツ」がなくなったっていいじゃないか

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anond.hatelabo.jp

 2018年は季節の移り変わりのテンポが早くて、もう、朝夕はめっきり涼しくなった。
 そのためか、ちょっとメランコリ―なブログ記事に、はてなブックマーカーが殺到しているのを見かけた。

 いまどきの人生を四季に例えるなら、20歳までは春、20代~40代は夏、50代~60代は秋だろうか。40代を「夏の終わり」とみるのは早すぎる気がしなくもないけれども、20~30代から見れば、40代は人生の後半にみえるかもしれない。もちろん、50代以降の人には40代はまったく違ったものとしてうつるのだろうけれども。

 これについて、ブログ記事筆者の気持ちとはほとんど無関係に、思うところを書いてみる。

「自分に刺さるコンテンツが無くなっていく」理由

 若い頃はサブカルチャーコンテンツに夢中だった人が、30代、40代と進むにつれて夢中になれるコンテンツを喪失していくことは多い。昔はゲームオタクとしてならしていた人が純粋な仕事人間になったり、昔は深夜アニメをよく観ていた人が定番のシリーズものしか観なくなったりするのを、私は何遍も見てきた。

 活動的なオタクライフを続けられなくなった人々は、趣味活動から身を引いていくか、昔のコンテンツを懐古するばかりになりました。なかには、無理矢理にでもオタクライフを続けようとした結果、趣味に時間や金銭といったリソースを食われて生活がだんだん苦しくなったり、身体を壊してしまったりする人もちらほら見かけるようにもなりました。

 このように、趣味を楽しむという一事についても、時間の流れは人を変えていきます。若者向けのコンテンツをいつまでも若者の気持ちのままに楽しめる人はそれほどいません。
「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?より抜粋

 大学生ぐらいの頃、「自分に刺さるコンテンツ」を見つけてくるのは難しくない。記憶と経験がまだ少なく、情緒が揺れ動きやすいことが、この場合はアドバンテージになる。

 しかし、30代40代になって「自分に刺さるコンテンツ」を新しく見つけて来れる人はそんなにいない。少なくとも、『ガンダム』や『頭文字D』や『ジョジョ』を"永遠の思い出"にしているような30代40代に比べれば少ない。それは、なぜか。

 理由の第一は、時間も注意力を十分にコンテンツに差し向けていられなくなったから、というのはあるだろう。

 思春期の彼岸には、仕事や子育ての充実した時間が待っている。

 もちろん仕事や子育てには苦痛や我慢も伴うけれども、そのかわり、仕事や子育てをとおしてやり遂げられることも増えてくる。俗に、「働き盛り」という言葉もあるけれども、立場的にも、経験と体力のバランス的にも、40代にできて20代や60代にはできないことが沢山あると思う。だから、コンテンツに時間や注意力を回す暇が惜しいほど頑張っている中年がたくさんいることに違和感は無い。

 さまざまなフィールドで活躍している40代の男女から話を聞いていると、彼らがサブカルチャーの体内時計を何年も前に停まってしまっていることにしばしば気付かされる。20代の頃にファンになったアーティストや漫画家だけを追いかけていたり、『ドラクエ3』や『ストリートファイター2』を懐かしむことはできても現代のFPSやソーシャルゲームについては何も知らなかったりする彼らは、サブカルチャー愛好家としては完全に枯れている。

 たぶん、それで構わないのだろう。実生活が充実していれば、刺さるコンテンツが無くても生きていくには困らない。せいぜい、同窓会の時に話題にできればそれで事足りるのだから。

 そのことに加えて、実生活が充実していようが充実していまいが、忙しさや精神的プレッシャーはオフタイムからゆとりを奪う。本当はもっとコンテンツに向き合いたいと思っていても、帰宅してからの僅かな自由時間を、アルコールを片手にぼんやり過ごすしかない人も少なくはない。疲労はコンテンツへの没入を容赦なく妨げ、コンテンツの印象を散漫にしてしまう。それでも、年を取るにつれて、仕事が終わった後の肉体疲労は堪えるレベルになっていく。ただ疲れているだけで、コンテンツは刺さりにくくなる

 世の中には、年を取っても新しいコンテンツを次々に開拓していく人も幾らかはいる。だが、彼らは多数派とは言えないし、「自分にコンテンツが刺さるだけのゆとり」をなんらかのかたちで確保しているとみてとったほうがいいように思う。それは、時間や注意力を確保するための方策だったり、夜遅くに帰宅してから新しいゲームやアニメと向き合えるだけのバイタリティだったりする。まこと、中年になって思うのだけれど、時間と注意力とバイタリティはあらゆる活動のボトルネックだ。最近は、バイタリティに優れた同世代~年上の人が羨ましくてたまらない。

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