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中央省庁の障がい者雇用水増し問題 半数が対象外~こんな出鱈目許してはいけない!

 中央省庁が障がい者雇用の対象とならない職員を加えて、障がい者雇用数を水増ししていたことが報道によって明らかになり、厚生労働省が各省庁に実態調査を指示していましたが、その結果が28日公表されました。

 これまで中央省庁全体で約6400人の障がい者を雇用し、法定雇用率2.3%を超える2.49%に上っていると公表されていたものが、調査の結果、半数を超える3460人が対象外の職員であり、雇用率は大きく減少して1.19%と法定雇用率を大幅に下回ることになりました。(平成29年6月1日現在の数)

 今年の4月1日から法定雇用率が0.2%引き上げられ、官公庁の雇用率は2.5%になりましたので、これまでの数ですと、新たな雇用率達成まで2名の雇用が必要でしたが、大幅に減少したことで、法定雇用率を達成するためには3396人の雇用が必要な事態となったのです。

 各省庁が障害者手帳の確認をしなかった、医師の診断書だけで数に入れてしまった等、故意でないということを強調していますが、制度発足当初の42年前から続いている省庁もあり、意図的に水増しをしていた省庁はあると思われます。この点もしっかりと検証する必要があると考えます。

 この事態を受けて政府もさすがに対応しない訳にはいかず、「公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議」を開催し、その下に「公務部門における障害者雇用に関する関係府省連絡会議」を設置して、今般の事態の検証を第三者も参画した検証チームで検証することとしています。

 併せて、法定雇用率を速やかに達成させる取り組みを計画的に行うことや、国や地方自治体で障がい者の活躍する場をどう拡大していくのかなどを話し合うこととしています。

 中央省庁のみならず、地方自治体でも水増しが行われていたことが明らかになっており、地方公共団体についても国が再点検を命じて調査することになりました。

 恐らく、中央省庁同様に地方自治体でも多くの自治体で同様のごまかしが行われていることでしょう。

 中央省庁が障がい者雇用数の水増しをしていたという報道を見て、民間の模範となり、率先して障がい者の雇用を進める立場の国がこのような姑息なことをしていたと知り、驚きと憤りを感じていたところでしたが、予想以上の半数以上が対象外だったという結果が出て愕然としました。

 民間企業には雇用率が達成出来ない場合、未達成の人数に対して一人当たり月5万円の納付金を課していながら、自分たち国はごまかしていたというのは障がい者を余りにも馬鹿にしているし、ペナルティを課せられている民間企業に示しがつかないと思います。

 だからといって、中央省庁に民間企業同様のペナルティを支払わせても、その原資は税金で私たちのお金で、役人の皆さんは全く腹が痛まないので馬鹿々々しいだけですから、この責任をどう取らせるのか非常に難しいと思います。しかし、誰も責任を取らず、お咎めなしというのでは誰も納得出来ないのではないかと感じています。

 また、未達成となってしまった法定雇用率を達成させようと、慌てて雇用を進めることにも懸念があります。障害の特性を理解せずに雇用してしまったために働き始めた障がい当事者が辛い思いをすることになってしまったり、とにかく雇用数を満たすために何をしてもらうのかも考えずに雇うだけ雇って、何もすることなく職場でぽつんとしてしまうことになったり、職場の同僚が障害に対する理解が乏しく、いじめや嫌がらせが起こってしまったりという事態が起こりかねないからです。

 私はこのような事態になっていることは非常に憤りを感じていますし、許せない思いで一杯ですが、この現状は現状として受け入れ、少し時間がかかっても、どういう仕事が障がい者に合っている仕事なのかの検証をして、働く側に過度なしわ寄せが行かないようにするべきだと考えています。

 また、障害者手帳を取得することが障害者施策を受ける上での前提となっているのが我が国の障害者施策ですが、世界で手帳のようなものがあるのは我が国だけで、他の国々と比較して障害の範囲が非常に限定されています。そもそもの障がい者の範囲の見直しを行うことも必要だと考えています。

 例えば、これを機にこれまでは障がい者雇用の対象になっていない、がん患者や難病患者等も対象に加える検討をしてもらいたいと思っています。

 7年前、米国の障がい者雇用について現地で話を伺った際に聞いた心に残っている言葉は「障がい者を雇用することが負担だと思うなら雇用しない方が良い。障がい者も十分に戦力になるのだという意識で障がい者の雇用をするべきだ。何をしてもらうかタスク分けをすることで障害特性を活かして健常者以上の仕事をするものだ」というものです。

 障がい者は可哀そうだから特別に雇ってあげようとか、義務だからやらせることないけど仕方なく雇おうというのでは、雇う側も雇われる側も不幸です。

 障がい者の特性に応じた仕事を見極めた上で、戦力として障がい者が雇用される日本にしていきたいと考えています。

 そのためにも、発想の転換が必要です。民間にそれを促すべき中央省庁がまず発想の転換をしないとならない事態にですが、日本全体の障がい者が働くということに対する意識変革が起こるきっかけになれば良いなと感じていますし、そうしないといけないと思います。

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