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経団連の「就活ルール撤廃」に大学関係者からは反発相次ぐ 「学生本来の活動に身が入らなくなる」「1年生から就活か」

経団連の中西宏明会長が9月3日に示唆した「就活ルールの廃止」。大学でキャリア支援に当たる教授や職員からは反対の声が上がっている。

立教大学キャリアセンター部長の佐々木宏教授(経営学)は、「就活が前倒しになる可能性がある」と懸念を示す。

「友人が早期に就活を始めたり、内定を貰ったりすれば、周囲の学生も引っ張られる」

就活のルール廃止!?

佐々木教授は、ルール撤廃の背景についてこう指摘する。

「経団連に加盟している企業はルールを守ろうとしていますが、加盟していない企業は守っていません。経団連がルールを撤廃しようとした背景は、そこにあるように思います」

現在の指針では、6月に面接などの選考を解禁することになっている。しかし文科省の「就職・採用活動に関する調査(2017年)」によると、4~6月に採用を開始したのは、大企業で54.9%、中小企業では67.6%に上った。時期に関するルールが形骸化しているのが現状だ。

だからといってルールを廃止してしまえばいいわけではない。佐々木教授は、ルールがなくなれば、就活が早期化すると警鐘を鳴らす。

「3年生終了時の3月に採用広報が解禁される今のスケジュールでは、少なくとも3年間は学業に集中する期間が保証されていたわけです。しかしルールが撤廃されれば、就活が前倒しになる可能性があります。どこかの企業が内々定を出し始めれば、競合企業も先を競うように内々定を出し始めるといったことが起きるでしょう。友人が早期に就活を始めたり、内定を貰ったりすれば、周囲の学生も引っ張られて同じような行動をするようにもなる。その結果、常に就職のことばかりを意識するようになったり、就職が決まると本来の活動に身が入らなくなったりするなどの弊害が出てきそうです」

問題はそれだけではない。本来は、就業経験を積むためのインターンシップが採用選考の一環になってしまう恐れがあるという。

「どこの大学でも4年間を通したキャリア支援を実施しています。将来、社会でいかに活躍するのかをじっくり考え、それぞれが希望する仕事に就けるように、各大学ではさまざまなプログラムを提供しています。インターンシップはその中の重要な柱で、本来、将来に向けて就業経験を積むところにその意義があるとされてきましたが、インターンシップが選考の一環になっていく可能性もあります」

「現在も守られてはいないが、一定の目安にはなっている」

私立大学で就職支援に携わる職員からも、反対の声が上がっている。中央大学キャリアセンターの職員は、目安としてはやはりルールが必要だと話す。

「学業に専念できる環境が担保できるかどうかが重要です。ルールが撤廃されれば、就活が早期化し、就職に重きを置いた科目が増えたり、海外留学しづらくなったりするかもしれません。時期を定めたルールは目安としてあった方がよいでしょう」

都内の私立大学で就職課の職員を勤める男性も、ルールの廃止には「反対」だ。

「現在でもルールは守られておらず、あってないようなものです。しかしやはり一定の目安になっています。完全にルールがなくなったら、学生が混乱してしまうでしょうし、就活が早期化し、1年生から就活を始めることにもなりかねません」

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