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第2次支援承認で半年振り水準80円Midへ?

みなさん、こんばんは!
為替千里眼、今週も1週間お疲れ様でした。昨晩の関東地方は、日中こそ雲ひとつない快晴でしたが、夕方からは小雪がちらつくほどの寒さとなりましたが、インフルエンザなども非常に流行しておりますので、引続き体調管理などにもご留意下さいますようお願いします。

さて、今週も良い意味で大荒れのマーケットとなりましたが、終わってみればドル円は79円Midと昨年10月末の介入直後の高値と同水準まで回復、ドル買い地合いと言えど、ストレートも概ね高値圏キープとなり、結果的に円のアンダーパフォームが際立った1週間だったと言えます背景には週初に行われたBOJ会合での量的緩和規模の拡大が大きな要因ではありますが、追加緩和規模としては10兆円と他の中銀に比べて比較的小規模であるにも関わらず、継続的に円売り基調が続いたと言う点は素直に喜びたいところで、ギリシャ問題の先行き不透明感が台頭するにも関わらず、市場参加者のリスクセンチメントが上向いてきた点では、来週もリスクオンの状況が続く可能性が高いと思われます。

昨日の更新でも取り上げましたように、週明けは欧州財務相会合におけるギリシャ第2次支援の承認云々も重要ではありますが、本邦貿易収支における過去最大級の赤字額を受けた円動向が非常に気掛かりであり、ドル円のさらなる上昇に繋がるのか、セル・ザ・ファクトとなるのか、さすがに2週間程度で3.0円近くも騰げられてしまうと高所恐怖症に陥るのも仕方ありませんが、現状はストップ必須で上値追従しか方法がないのかもしれません。テクニカル面では次のターゲットが昨年8月の高値80円Low、さらに7月の高値81円Midが視野入りしてくるところではありますが、既にモメンタムのOBもピーク、4hでのモメンタムのトレンドが切れた際には一旦調整が入るという想定はしておいた方が良さそうです。

CFTC IMM positions(February 14, 2012)
JPY:Long64,096  Short34,637
EUR:Long26,774  Short175,415
GBP:Long29,309  Short69,908
CAD:Long38,465  Short28,899
CHF:Long 8,663  Short24,526
AUD:Long93,866  Short20,125
NZD:Long29,202  Short 5,332

※先週データはこちら

地合いからも読み取れるように、だいぶリスクポジションが増えたような感じのIMMポジションですが、数値的には円ロングは前週比で-2.0万枚、ショートも+0.5万枚でネットロングは3.0万枚と前週の5.5万枚から大きく減少、まだまだロングの解消余地は残していることから、調整以外ではドル円のブリッシュ展開が続きやすいものと思われます。ギリシャ協議が混迷を極めているユーロについてはほとんど変化なし、インフレレポートにおいて「量的緩和のさらなる拡大が必要だとは思わないが、そうなる可能性もある」と、ハト派的なトーンを弱め、堅調に推移したポンドはもう少しロングが拡大しているかと思いましたが、蓋を開けてみればネットショート4.0万枚と前週より拡大しております。まぁ、水曜日以降の伸びが大きかったので、次週数値は随分とショートも縮小しているかと思いますが、オージーのポジションバランスが殆ど変わっていない点を鑑みても、完全にリスクオンの地合いになったとは言い切れないところもありますので、引続き半信半疑でもややアップサイド寄りのセンチメントで取り組まれると良いかもしれません。

US10Y Treasury Notes

10年債利回りは、金融市場全般的な楽観展開ほど利回りは上昇しておらず、確かに安全資産への需要こそ後退しつつありますが、過去3ヶ月間の推移レンジ上限付近まで上昇している程度で、昨晩の米10年債は一時2.03%付近まで上昇するも引け際に再び買い戻され、結局前日比+2bpの2.01%で今週の取引を終えております。NY市場は週明けが休場となるため、持ち高調整の側面が強かったのではないかと思いますが、利回りの上昇を伴わないドル円の一本調子の上昇も少々警戒が必要、一方で債券トレーダーからは「本来はもっと債券売りに傾斜しているはず、ギリシャの不透明感が債券売りのセンチメントを抑制している」といった声もあり、週明けの20日に第2次支援に対する承認が得られれば、この過去3ヶ月間のレンジを一気に上抜いてくるかもしれません。

今週も正直ギリシャ救済動向に振り回された感はありますが、やはり水曜日に公表された英インフレレポートとFOMC議事録が最大の注目材料だったのではないかと思います。いずれも一段の緩和策に対しては前向きかと思われていたものの、蓋を開けてみればMPCは現行政策スタンスが概ね適切との認識、Fedも前回会合より一段の追加策導入を主張するメンバーが減少するなど、やや政策面でのトーンが悲観的ではなくなってきている点は、今後の金融政策方針を占ううえで重要な要素となりそうです。MPCにつきましては、500億GBPの資産買取枠の拡大を実施いたしましたが、英マクロの改善やユーロ圏に起因する信用リスクが弱まったという認識を受けて、今後金融緩和のペースを減速させる可能性があり、次回インフレレポート公表は5月となり、それまでに今回拡大させた追加資産買取を実施する訳ですが、現状の金融政策スタンスや英マクロの動向を考慮しても、5月に量的緩和が一段と拡大される可能性はかなり低いというのが実情です。

今週公表されたFOMC議事録での重要なポイントもおさらいしておきましょう。先述いたしましたように今回の議事録では、12月の会合では追加資産買取を正当化しているメンバーが多数いたのに対して、1月の会合ではそのメンバーが少数となり、他のメンバーは「経済が著しく失速した場合のみ」追加的な資産買取が正当化されると考えている、と付け加えられておりました。早い話が、先般決定された時間軸の強化による緩和効果にひとまず満足しているといったところで、今後のマクロ動向を様子見したいというスタンスが明確化されたものと思われます。また詳細部分は不明ですが、先般公表されたPCEデフレーターの上昇率で+2.0%という目標を設定したことについて、タルーロ理事が投票を棄権していたことも明らかとなっており、まぁ理事の反対票というのも珍しいのですが、棄権というのは正直初めて聞きました。

今回のFOMC議事録については、改めて取り上げたいと思いますが、引続き米マクロの回復基調が続いたとしても、とりわけ参加者の多くは失業率の一段の低下、そして雇用率の上昇を命題にしているように感じられます。FOMC議事録でも、足許の失業率の低下は労働参加率の低下が主要因だとする認識を示していることが明らかとなっておりますので、足許のドルブリッシュ展開も一筋縄にはいかない、という認識を持って来週のマーケットに取り組みたいところです。

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