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【読書感想】知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術

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知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)

知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)

Kindle版もあります。知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)

知らなきゃよかった 予測不能時代の新・情報術 (文春新書)

内容紹介

累計70万部の最強コンビが放つ最新作!

プーチン、習近平、エルドアン……独裁がトレンドとなり、

「自国ファースト」と「自国ファースト」がぶつかり合い、

フェイクニュースと資料改竄がまかり通る現代の世界。

知れば知るほど「知らなきゃよかった」と思えることばかり……。

知りたくなかった、しかし目を逸らせない

リアルな情報と英知がここにある。

・米朝トップ会談とカジノの怪しい関係

・日本にはびこる「ハレンチ学園」と「暴力教室」

・なぜ官僚の劣化は止まらないのか?

・トランプ政権は「宮廷陰謀」の世界

・中国、ロシア、トルコ 独裁者たちの目指すもの

・国家を弱らせるのは欠陥教育だ など

新しい常識をインストールできた者だけが生き残る!

 池上彰さんと佐藤優さんの対談本の最新作。

 新書界の超獣コンビ再結成!という感じなのですが、今回は「国際社会における情報収集・情報管理術」がテーマになっています。

 佐藤優さんが、よく「インテリジェンス」と仰っているものですね。

 これだけインターネット社会になり、AIに仕事を奪われる!と報じられていても、まだまだ「人間関係」って重視されているのだな、と痛感します。

 いち国民としては、「うまくいった」ように見えていることも、実際はそのことで官僚が頭をかかえていたり、逆に「なんでそんなに煮え切らないんだ」と苛立つ状況こそが、最良の危機管理だったりするんですね。

 2018年6月12日の米朝首脳会談の「成果」について。

佐藤優:ただ、日本政府は明らかに大きな間違いをしました。それは、トランプ大統領に拉致問題の仲介を頼んだことです。日本政府は、トランプと金正恩・朝鮮労働党委員長のケミストリーが合うはずがないと思っていた。だから会談で拉致問題について言及するよう、トランプに頼んだのです。どうせ金正恩が聞くはずがないと踏んだのでしょう。ところが、この二人が意気投合してしまったため、仲介が実現する可能性がでてきた。

 その結果、今、日本政府がもっとも恐れているのが、トランプ経由で北朝鮮から拉致問題についての回答が来ることだという、まったくおかしな状況になっています。米朝首脳会談の前から、北朝鮮政府は日本政府に対して、拉致被害者の再調査の結果について打診しているはずです。ストックホルムなどでの一連の交渉で、そういうことは伝えられている。しかし、その内容を日本政府が受け入れることは不可能なのです。日本政府が、何をもって拉致問題が解決したとするかといえば、明示はしていませんが、拉致被害者全員が「生還」したときだと思います。だから、死亡した、という回答は絶対に受け入れられない。

 ところが、金正恩がトランプに、「これを安倍晋三に渡してくれないか。これが真相だから」と回答を渡し、それをトランプが持ってきたら、受け入れないわけにいきません。

池上彰:そんなことをしたら、日米関係に大きな影響が出ますね。

佐藤:今、日本政府が慌てて日朝首脳会談をやろうとしているのは、「お願いだから回答をトランプに渡すのだけはやめてくれ」ということだと思います。でも、それならば、もともと仲介など頼まなければいいわけで、きわめてヘンな外交をやっているのです。

 日本政府としては、強力な同盟国であるアメリカに圧力をかけてもらう意味もこめて、トランプ大統領に拉致問題について触れてもらうよう依頼し、表面上は、うまくいったように思えますよね。

 ところが、アメリカが本当に仲介してくれるとなると、トランプ大統領が「これでいい」と認めたものを、日本としては受け入れるのも突っぱねるのも難しい、という苦しい状況になってしまったのです。すべての事実が明らかにされるような、満点回答がくれば良いのでしょうが、そんなことはまずありえない。

 こういう、「他者に仲介を頼むことで、かえってややこしくなる」のは、国と国にかぎらず、交渉事にはありがちだよなあ。

 おふたりは、最近の日本を騒がせている事件について、こんな話をされています。

池上:2018年の4月まで、マスコミは「モリカケ」問題一色でした。佐川宣寿国税庁長官の証人喚問や柳瀬唯夫経済産業審議官の参考人招致での一挙手一投足に新聞、テレビ、雑誌は大騒ぎしていた。ところが最近急におとなしくなりましたね。

佐藤:それは福田純一財務次官という素晴らしい人がいたおかげで(笑)、スキャンダルの位相が変わってしまったからです。福田さんがテレビ局の女性社員に「おっぱい触っていい?」「手を縛っていい?」「浮気しない?」と言ったというセクハラ問題によって、ハレンチでなければスキャンダルではない、というふうに位相が変わった。そこに米山隆一新潟県知事の買春問題、TOKIOの山口達也氏のセクハラが重なって、「ハレンチ学園」ができちゃった。もはや佐川さんも柳瀬さんも普通の人。安倍昭恵さんにも誰も関心がない。

池上:さらに日本大学アメリカンフットボール部の不祥事が追い討ちをかけた。

佐藤:日大ひとつで「暴力教室」ができました。今の日本では、ハレンチ学園か暴力教室のメンバーじゃないとスキャンダルにはならないんです。

 二人とも、ノリノリで喋ってるなあ、と読みながら感じたのですが、結局のところ、不祥事というのも、その行為の軽重よりも、「視聴者にとってもインパクトの強さ、面白さ」みたいなのが報じられる時間の長さに反映されているのは事実ですよね。

 「このハゲ~!」のパワハラ議員なんて、あの音声のインパクトがなければ、ここまで話題になったかどうか。

 もちろん、セクハラ、パワハラ、暴力が「軽い」というわけではないですが、「重要でも面白くないニュースや不祥事」は、すぐに忘れ去られてしまっているのです。

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