記事

東京オリンピックの使用食材は「低水準」 海外メダリストらが改善要求(岡田千尋)

バタリーケージ飼育(左)と放牧飼育(右)。(提供/アニマルライツセンター)

東京五輪で使用される畜産物のアニマルウェルフェア(動物福祉)のレベルが低すぎるとして、ロンドンオリンピック銀メダリストのドッチィ・バウシュ選手ら9名のオリンピックアスリートが改善を求める声明を発表した。

選手村や会場の食事に使われる畜産物は、これまでの大会では持続可能性への取り組みの一環として動物福祉が強く意識され、ロンドン大会ではケージフリー(平飼いか放牧の卵)が使われた。

しかし東京大会では、世界中が廃止していっているバタリーケージ飼育の卵や、豚を拘束する妊娠ストール飼育の農場の豚肉でもよいとしている。畜産物の調達基準には動物福祉が含まれるが、そのレベルは世界水準に到底達しない。

ドッチィ氏は「飼育過程にストレスが含まれたグレードの低い栄養では、それなりの結果しか出せない」と指摘。実際、放牧の卵にはケージの卵よりもビタミンEやβカロテン、オメガ3が多く含まれることがわかっている。

日本人は動物福祉をあまり知らない。しかし世界はまさに今大きな変革を迎えている。

欧米のスーパーには放牧の卵ばかりがずらりと並び、南米もこの動きに追随している。韓国も1羽あたりの飼育面積を9月からEU(欧州連合)並に拡大し、中国の大手食肉企業は豚の拘束飼育を2025年までに廃止することを発表。24年のパリ大会は当然放牧の卵が使われるだろう。

メダリストたちが指摘するように、「世界が受け入れるクオリティに達することができないなら、世界から東京が遅れをとっていると見られる」ことは間違いないだろう。そして東京の遅れは、日本の遅れと見られ、負のレガシーとして畜産業に傷跡を残すことになるだろう。

声明文は URL http://legacyforanimals.com で読むことができる。

(岡田千尋・アニマルライツセンター、2018年8月10日号)

あわせて読みたい

「東京オリンピック・パラリンピック」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    男性が「男らしさ」を追求する本当の理由

    御田寺圭

    12月01日 10:08

  2. 2

    まるで料理写真の教科書 政府系金融機関が出した写真の撮り方マニュアルが話題に

    川島透

    12月01日 09:00

  3. 3

    言うべきこと言わない、言われたことだけしかしない by みずほ

    ヒロ

    12月01日 10:32

  4. 4

    さて、立憲民主党は泉健太新代表の下で生まれ変わるかな?

    早川忠孝

    11月30日 15:54

  5. 5

    高市早苗氏 中国への情報流出を危惧「入国時のスクリーニングを」

    BLOGOS編集部

    12月01日 09:02

  6. 6

    「なぜ女性天皇を検討しないのか」今の「皇室典範」が抱える構造的な"欠陥"

    PRESIDENT Online

    12月01日 09:15

  7. 7

    維新・政調会長「次の衆院選で立憲を追い越す」

    田中龍作

    12月01日 09:43

  8. 8

    鬼束ちひろ 飲酒なし、薬物検査も陰性…救急車キックで逮捕も“パニックの理由”に広がる同情

    女性自身

    12月01日 10:17

  9. 9

    岸田総理の鎖国は少子化対策を先送りにしてこうなったのと同じ世紀の愚策と断言する

    永江一石

    11月30日 17:33

  10. 10

    入国禁止を正義とする鎖国派に指摘「コロナの感染性を無視した非現実的な考え」

    篠田 英朗

    12月01日 12:03

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。