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なぜアメリカは中国に怯えるのか。

新書みたいなタイトルですみません。

とりあえず、二つのニュースを並べる。

・習 近平氏、訪米。アイオワ州の昔のステイ先を訪問。随行団が大豆43.1億ドル分購入の大型契約を締結。(読売新聞2/17)

・「大概のことはカネで解決できる。自動車が歩行者をひいても、自動車の窓から札束を投げて去っていくもん。中国で「当たりや」がいないのは何故かって?殺されるからだよ。けがしたままで放っておくより、殺しちゃったほうがトクだから、わざわざバックしてもう一度ひく。」
(中国在住D氏、飯田橋駅近辺の居酒屋にて)

「国師」大川隆法のように、中国の国家資本主義VS自由市場経済主義といった対立軸で新しい世界のパラダイムをとらえる向きもあるが、この二つ、実は似ているのではないか、と疑い始めている。

国家資本主義を統べる高級官僚たちは、自由市場経済を統べる1%の富者に相当する。
両者のやり口は違うが、結果は似ている。

(高級官僚)
官民問わず、中国の会社の社長室には(共産党本部専用の)「赤電話」が置かれており、コールされれば必ず出なければならない。
(富者)
(広義の)タックスヘイブンは富者(がコンサルトする会計事務所、法律事務所)からの指示があれば、資産を沈黙させたり(脱税)、作り直したりする(投機)。

前者でやりとりされるのは政治権力で、後者でやりとりされるのは「カネ」だが、チェック機能の働かない権力(の拡大)という結果は、同じようなものだ。

また「政治権力=カネ」の傾向は、強くなってきており(WTOやG20、国連の無残な姿を見よ!)、

例えば、2,30年前のニッポン株式会社などと言われていたころと比べると、今の中国株式会社の「あからさま度合」は相当進歩している。(政府=経済主体度合)

が、今の米国には中国を昔の日本のように「エコノミック・アニマル」などと侮蔑を込めてののしるような雰囲気はない。
むしろ、米国側の「おびえ」が鮮明化しているのは、米国も中国と対等のゲームを戦う必要があり、形勢は米国側に不利だと感じているからだろう。
20年前の日本とは対等ルールでたたかう必要はなかった。ドルはまだまだ強かったし、安全保障で首根っこを抑えていたから。

で、結局ヤツらの国家資本主義=自由市場主義=カネの支配から逃れる選択肢は、「適切なルールによる保護」しかないが、現実は財政赤字で各国とも後退に後退を重ねている。

攻撃の主役は大株主(富者)のために一生懸命働く格付け会社さんたちで、彼らの構築するカネの支配構造ではマタイ効果(富者はますます富む)のサイクルは時を追うごとに短くなっていく。(←金融工学のこと)

権力の源泉にはカネに加え、もう一つの要素があり、これが「暴力」。

カネと暴力(究極が核兵器)のサイズが大きいほど、権力は大きくなる。

と考えている中国共産党幹部は結構いるはずだし、たぶん、今の時勢では間違っていない。

too big to fail問題は金融業界だけの話ではない。
これは21世紀の世界で、最も難しい問題だろう。

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