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安倍首相が介入、柳瀬氏の新ポスト 経産官僚たちの夏2018 - 「週刊文春」編集部

 不祥事が相次ぐ財務省を尻目に、安倍政権下で“我が世の春”を謳歌する経産省。7月末に発表された幹部人事も注目を集めている。焦点の一つが、加計問題で「記憶にない」を連発していた柳瀬唯夫元首相秘書官(1984年入省)の処遇だった。


官邸が留任させたかった柳瀬氏

「省ナンバー2の経産審議官だった柳瀬氏ですが、安倍晋三首相や今井尚哉首相秘書官(82年)は留任を求めていました。首相からすれば、公文書改ざんを主導した佐川宣寿前国税庁長官とは違い、柳瀬氏は職務に忠実だっただけ。加計問題の責任を取ったような形で退任させるわけにはいかなかった」(経産省幹部)

 だが、これに待ったをかけたのが、嶋田隆事務次官(82年)だ。「続投すれば、国会でまた取り上げられる。自分とセットで柳瀬も辞めさせます」と訴えていたという。

「嶋田氏を退任させるわけにはいかず、官邸は柳瀬氏の退任を受け入れた。ただ、次官級の慣例で柳瀬氏は経産省の顧問に就任しています。現在は後任に座る寺澤達也経産審議官(84年)に、日米貿易交渉などの引き継ぎを行っている。顧問で待機し、半年後には民間に天下りするでしょう」(同前)

 一方、首相が介入したのが、内閣府政策統括官だった新原浩朗(にいはらひろあき)氏(84年)の人事だ。

「新原氏は働き方改革や幼児教育無償化など政権の看板政策を進めてきた“官邸官僚”。省庁を跨ぐ事案を強引にまとめる手腕は、首相の評価も高い。本人は以前から『本省に戻って次官になる』と漏らしていたようです」(同前)

 2014年から官邸勤めだった新原氏。安倍首相は幹部人事にあたって、世耕弘成経産相にこう伝えたという。

「彼は頑張ってくれた。戻すからちゃんと処遇してやってくれ。ポストは任せるから」

 結果、新原氏は“筆頭局長”と言われる産政局長に就任し、次官レースの先頭グループに躍り出た。一方、84年組の次官候補だった前任の糟谷(かすたに)敏秀氏は官房長への“降格”か、と波紋を広げている。

「世耕氏は産政局長としての糟谷氏を高く評価していましたが、国会対応など“汚れ役”の官房長ポストで幅を広げて欲しいと考えていた。来年を睨んで、糟谷氏と新原氏らを競わせる方針です。野党にもパイプを持つ安藤久佳中小企業庁長官(83年)も留任させ、次官の可能性を残しました」(官邸関係者)

 かくして“官僚たちの夏”は今年も繰り返されたのだ。

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