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- 2012年02月17日 15:18
講演録「日本の政治・安全保障-この国の形を考える」(その4)
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第15回 「咢堂塾」講義・2012/01/28 憲政記念館第2会議室
自民党政務調査会調査役・慶應義塾大学大学院法学研究科・講師:田村重信
変化する世界の現状
では、世界と日本の現状ということにいきなり行きますが、結局、冷戦が終わってから、アメリカとEUが世界経済の中心になっていくんじゃないかとも言われてたんですが、ヨーロッパは結局だめになりましたよね。アメリカも戦争ですよ、今度は、アフガン戦争、イラク戦争、そしてリーマンショックでダメになって、今度は新国防戦略で膨大な軍事費削減を、いよいよアメリカも、背に腹は代えられないということでやっている。
これからどうなる、やっぱりどうなるかというと、中国とインドですよ、実績があるんですよ。19世紀の始めは、2つの国は巨大国家ですから、産業革命が起こる前と、起こって実際に国家が変わる。かつて、実際にマルコポーロも中国に来てぶったまげたんですよ。アメリカという国は最近(独立)でしょ。アメリカっていう国は、つい最近まで無かったんですよ。
指導者、じゃあどうやって選ぶかとい選挙しかなかったんですよ。
冷戦終結とグローバル化
それから失われた20年と言われていますけれども、これは冷戦との関係でみんななってしまうんですよね。
冷戦が終わる前、1989年、昭和天皇が崩御され、ベルリンの壁の崩壊、米ソ首脳会談。また1991年から湾岸戦争とソ連邦の崩壊、その前後でメチャクチャ違う訳ですよ。
だってその前の時代(冷戦)というのは、アメリカはソ連に対して「悪の帝国」だといって、アメリカ大統領が述べていた。レーガン大統領がソ連に対して「悪の帝国」だといって軍事費を拡大して、それにソ連が追い付かなくなって、経済が破綻してそれで冷戦が終わることになるんですよ。
だからアメリカだって大変なんですよ。ヨーロッパもそうですよ。
1989年というのは、中国で何が起こったかというと、天安門事件です。文化大革命なんて無茶苦茶ですから、ところが鄧小平という凄い指導者がいて、改革・解放路線を定着させた。それで政治を安定させたい。それが今日の中国となった。
だから冷戦の終わる前は、日本の銀行は仲良く手を繋いで、護送船団方式なんて言われた時代があったけれども、世界の銀行のトップ10のなかに半分ぐらいが日本の銀行が入っていた。それはうまく行く訳ですよ。よその国は、国の安全を保つために「ヒイこら、ヒイこら」やっていて、その時は、日本はあんまり軍事費・防衛費にお金をかけないで、お金を勘定していればよかった時代ですから。
そうでしょう。それがなくなっちゃった。
その結果どうなったかというと、東ヨーロッパが、西ヨーロッパと一緒になったりして、安い労働力がどんどん西に入っていく。アジアだって安定してくれば、そうなるんですよ。
それが今の時代なんですよ。だから日本は高賃金だから、外国の人と競争したら、賃金が下がらざるを得ない。そういう現象なんです。
『見えざる革命』
もっと大変なのは、ピータードラッカーこれ亡くなりましたけれども、これ大好きなんだけれども『見えざる革命』という本がある。これはびっくりした。
日本は、今はいいよ。若い子がいっぱいいるし、ヨーロッパは年寄が多くて、それを支えるのは大変だよ。でもね、これから日本はもっと大変になるよ。今働いている人たちが急速に年寄りになってくる。それをどのように支えるか。それが大問題なんだということなんです。
かつてのロシア革命とかいろんな革命があったが、それなんかより凄い『見えざる革命』っていうのがまもなく日本にやってくるから。そういうことなんです。今、その真っ只中なんです。今、その真っ只中にいるということを考えないといけない。ということなんです。
経済指標でみると、ゴールドマンサックスなんかみると、日本は世界全体の生産力で90年14%ですよ。ところが2009年は9%、2030年は4%、2050年は2%、それはしょうがない、それは中国だって、インドだって、他の貧しい人が経済がどんどん良くなっていくと、相対的にこういうことが起きるんです。
ゼロ成長でもGDPは凄い
ということですから、経済の高度成長は、高度成長できる要素があったから、高度成長ができた。経済成長しないとこれからどうにもならないといったって、無理なところがあるわけだから、そしたら程々の成長の中で、ひょっとしたらゼロかもしれないけれども、ゼロ成長の中で、なんとかしていく方法を考えないといけない。
でも凄いんですよ。ゼロ成長といったって、巨大な日本のGDPがもう一回、次の年に作れるわけですから。ゼロでも同じ大きい経済規模がもう一つできるわけだから。それだけでもやっぱり凄いことなのです。
冷戦終結が米国のIT革命を起こした
冷戦が終わってから経済にもの凄く影響がありますよ。
だからアメリカなんてもそうでしょう。今までずっとやってきた軍事技術、インターネットや情報衛星をみんな開放した。インターネットもそう、だからIT革命が起こって、アメリカは経済が良くなった。それが政治とも関係するんですよ。
55年体制の政治と丁寧な政策決定プロセスが重要
冷戦が終わった55年体制というのは、学者の方々やジャーナリストの方々は、55年体制は、悪い、古い、国会対策政治、という感じだけれども、違うんですよ。なぜ、今も国会対策は必要でしょう。今でも政治とお金の問題はあるでしょう。
それは本質ではない。何が55年体制で変わったのか。
イデオロギー対立、アメリカ対ソ連、それが国際版。国内版は自民党対社会党なんです。アメリカ=自民党、ソ連=社会党、だから冷戦が終わってソ連が無くなったでしょう。だから社会党が無くなっちゃたんですよ。
だからその説明をきちんとする人がいないんですよ。京都大学の大嶽先生が僕と同じ論理で言っていますけれども、そこを見誤ってしまうと、政治がきれいだとか、古いとか新しいとか言っていたら、政治の本質は狂ってしまうんですよ。
みんな新しいといったらウケるけど、ブームになるから。
現実政治の世界を考えてみてください。
今、「日本新党」ありますか、「新生党」ありますか、「新党さきがけ」ありますか、新しい名前を付けた「新進党」ありますか、
今、与党にいるのが「国民新党」。
新しいという名前は一時的。だからそこなんですよ。フレッシュ(新しい)は、フレッシュの段階で古くなったら終わり。政党の中で一番古いのは共産党、それに自民党、民主党にだって「新しい」は入っていない。
だから間違ってはいけないなということですね。
自社さ政権が、割合とうまく行ったのは、丁寧な政策決定プロセスがあった。議論しましたよ。それがあるかないか。
細川政権の時は、全然無かったですよね。「一・一コンビ」ですよね。小沢一郎さんと市川雄一さん。そんなところ決まったんですね。
自民党政務調査会調査役・慶應義塾大学大学院法学研究科・講師:田村重信
変化する世界の現状
では、世界と日本の現状ということにいきなり行きますが、結局、冷戦が終わってから、アメリカとEUが世界経済の中心になっていくんじゃないかとも言われてたんですが、ヨーロッパは結局だめになりましたよね。アメリカも戦争ですよ、今度は、アフガン戦争、イラク戦争、そしてリーマンショックでダメになって、今度は新国防戦略で膨大な軍事費削減を、いよいよアメリカも、背に腹は代えられないということでやっている。
これからどうなる、やっぱりどうなるかというと、中国とインドですよ、実績があるんですよ。19世紀の始めは、2つの国は巨大国家ですから、産業革命が起こる前と、起こって実際に国家が変わる。かつて、実際にマルコポーロも中国に来てぶったまげたんですよ。アメリカという国は最近(独立)でしょ。アメリカっていう国は、つい最近まで無かったんですよ。
指導者、じゃあどうやって選ぶかとい選挙しかなかったんですよ。
冷戦終結とグローバル化
それから失われた20年と言われていますけれども、これは冷戦との関係でみんななってしまうんですよね。
冷戦が終わる前、1989年、昭和天皇が崩御され、ベルリンの壁の崩壊、米ソ首脳会談。また1991年から湾岸戦争とソ連邦の崩壊、その前後でメチャクチャ違う訳ですよ。
だってその前の時代(冷戦)というのは、アメリカはソ連に対して「悪の帝国」だといって、アメリカ大統領が述べていた。レーガン大統領がソ連に対して「悪の帝国」だといって軍事費を拡大して、それにソ連が追い付かなくなって、経済が破綻してそれで冷戦が終わることになるんですよ。
だからアメリカだって大変なんですよ。ヨーロッパもそうですよ。
1989年というのは、中国で何が起こったかというと、天安門事件です。文化大革命なんて無茶苦茶ですから、ところが鄧小平という凄い指導者がいて、改革・解放路線を定着させた。それで政治を安定させたい。それが今日の中国となった。
だから冷戦の終わる前は、日本の銀行は仲良く手を繋いで、護送船団方式なんて言われた時代があったけれども、世界の銀行のトップ10のなかに半分ぐらいが日本の銀行が入っていた。それはうまく行く訳ですよ。よその国は、国の安全を保つために「ヒイこら、ヒイこら」やっていて、その時は、日本はあんまり軍事費・防衛費にお金をかけないで、お金を勘定していればよかった時代ですから。
そうでしょう。それがなくなっちゃった。
その結果どうなったかというと、東ヨーロッパが、西ヨーロッパと一緒になったりして、安い労働力がどんどん西に入っていく。アジアだって安定してくれば、そうなるんですよ。
それが今の時代なんですよ。だから日本は高賃金だから、外国の人と競争したら、賃金が下がらざるを得ない。そういう現象なんです。
『見えざる革命』
もっと大変なのは、ピータードラッカーこれ亡くなりましたけれども、これ大好きなんだけれども『見えざる革命』という本がある。これはびっくりした。
日本は、今はいいよ。若い子がいっぱいいるし、ヨーロッパは年寄が多くて、それを支えるのは大変だよ。でもね、これから日本はもっと大変になるよ。今働いている人たちが急速に年寄りになってくる。それをどのように支えるか。それが大問題なんだということなんです。
かつてのロシア革命とかいろんな革命があったが、それなんかより凄い『見えざる革命』っていうのがまもなく日本にやってくるから。そういうことなんです。今、その真っ只中なんです。今、その真っ只中にいるということを考えないといけない。ということなんです。
経済指標でみると、ゴールドマンサックスなんかみると、日本は世界全体の生産力で90年14%ですよ。ところが2009年は9%、2030年は4%、2050年は2%、それはしょうがない、それは中国だって、インドだって、他の貧しい人が経済がどんどん良くなっていくと、相対的にこういうことが起きるんです。
ゼロ成長でもGDPは凄い
ということですから、経済の高度成長は、高度成長できる要素があったから、高度成長ができた。経済成長しないとこれからどうにもならないといったって、無理なところがあるわけだから、そしたら程々の成長の中で、ひょっとしたらゼロかもしれないけれども、ゼロ成長の中で、なんとかしていく方法を考えないといけない。
でも凄いんですよ。ゼロ成長といったって、巨大な日本のGDPがもう一回、次の年に作れるわけですから。ゼロでも同じ大きい経済規模がもう一つできるわけだから。それだけでもやっぱり凄いことなのです。
冷戦終結が米国のIT革命を起こした
冷戦が終わってから経済にもの凄く影響がありますよ。
だからアメリカなんてもそうでしょう。今までずっとやってきた軍事技術、インターネットや情報衛星をみんな開放した。インターネットもそう、だからIT革命が起こって、アメリカは経済が良くなった。それが政治とも関係するんですよ。
55年体制の政治と丁寧な政策決定プロセスが重要
冷戦が終わった55年体制というのは、学者の方々やジャーナリストの方々は、55年体制は、悪い、古い、国会対策政治、という感じだけれども、違うんですよ。なぜ、今も国会対策は必要でしょう。今でも政治とお金の問題はあるでしょう。
それは本質ではない。何が55年体制で変わったのか。
イデオロギー対立、アメリカ対ソ連、それが国際版。国内版は自民党対社会党なんです。アメリカ=自民党、ソ連=社会党、だから冷戦が終わってソ連が無くなったでしょう。だから社会党が無くなっちゃたんですよ。
だからその説明をきちんとする人がいないんですよ。京都大学の大嶽先生が僕と同じ論理で言っていますけれども、そこを見誤ってしまうと、政治がきれいだとか、古いとか新しいとか言っていたら、政治の本質は狂ってしまうんですよ。
みんな新しいといったらウケるけど、ブームになるから。
現実政治の世界を考えてみてください。
今、「日本新党」ありますか、「新生党」ありますか、「新党さきがけ」ありますか、新しい名前を付けた「新進党」ありますか、
今、与党にいるのが「国民新党」。
新しいという名前は一時的。だからそこなんですよ。フレッシュ(新しい)は、フレッシュの段階で古くなったら終わり。政党の中で一番古いのは共産党、それに自民党、民主党にだって「新しい」は入っていない。
だから間違ってはいけないなということですね。
自社さ政権が、割合とうまく行ったのは、丁寧な政策決定プロセスがあった。議論しましたよ。それがあるかないか。
細川政権の時は、全然無かったですよね。「一・一コンビ」ですよね。小沢一郎さんと市川雄一さん。そんなところ決まったんですね。



