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  • ヒロ
  • 2012年02月17日 10:00

カナダ不動産は何処に行く

久々にカナダの不動産の話題を振りましょう。

お隣アメリカは2007年ごろから不動産が下り坂となり、08年からは加速度的下落を演じ、ようやくその歯止めがかかり始めた感じですが、カナダに関しては一時的に軽微な影響はあったものの今日まで順調に「成長」しています。バンクーバーの不動産は香港に次いで世界で二番目にアフォーダビリティがないという結果が出ておりますが、トロントのハウジングブームはバンクーバーを凌駕しているといってもよいでしょう。

トロントで現在計画中ないし建築中の高層住宅は105件あります。これはニューヨークやシカゴの3倍から6倍にもなります。ユニット数についてみれば27000軒を越えており、一部にはバブルの声も出ております。しかしながら今のところその売れ行きに曇りは見られません。

カナダの住宅市場がリーマンショック後も健全であったのはいくつか理由があります。

まず、銀行システムが極めて強固で安全であったことがあげられます。ご承知の通り、アメリカの2008年問題はサブプライムローンに端を発した「貸してはいけない人にお金を貸した」或いは「不動産価格の上昇に対する追い貸し」で銀行のバランスシートを膨らませたことにあります。

しかし、その当時、カナダではようやく5%の頭金によるハイパーモーゲージが話題になり、結論的にはコンサバであるカナダの人にはあまりポピュラーにならなかったいきさつがあります。オマケにアメリカの2008年問題と共にそのモーゲージプログラムもなくなりました。もともとカナダは住宅ローン審査がアメリカに比べ厳しいともいわれていました。

次にデベロッパーの健全性が上げられます。サブプライムローン問題は当然ながらカナダのデベロッパーを不安に陥れました。そして一部には多数の倒産が発生するのではないか、とも見られていましたが結局中小の会社が多少なくなった程度でほとんどは生き延びています。

理由はデベロッパーのリスクが極めて軽微になるようなスキームが存在するからです。図面売りと称する建築着工前のプリセールで一定販売数に達した時点で銀行からの資金調達ないし、CMHCからの資金調達保証がつく仕組みになっています。つまり、売れない物件は建築が行われず、開発中止に追い込まれるようになっているのです。

一方、プリセールで売買契約を結んだ顧客の購入義務は厳しく監理され、正当な理由がない限りキャンセルが出来ません。ですからデベロッパーは確実に販売代金を回収できるのです。

ちなみに顧客の事情により契約履行できなくなったらどうするかですが、私が手がけた物件に関しては顧客に顧客のリスクで「購入権」を転売させていました。これは販売担当のリアルターからすればおいしいディールになりますので喜んで引き受けていました。

最後にカナダの健全性。政治的にも中道で安定し、経済的にもG7中もっとも良好な国、且、資源が豊富で環境も良いとなれば移民をしたいと思うのは当たり前です。ヨーロッパ、アジアからもたくさんの移民が流入し政府が目標とする移民受け入れ数を越えている状況です。2010年で28万人を越えていますが、移民に関しても難民を別として技術を持っているか、資金を持っているなど、経済的に自立できることをその前提としていることで移住後の住宅需要が潜在的に高い、ということもあります。

アメリカのようにメキシコ国境との間の不法移民対策といった問題が存在しないわけです。

このように見てみるとカナダは経済的に安定した層の高水準の移民流入による住宅の潜在的需要の安定的拡大、金融機関の保守的融資姿勢、そして開発業者の経営安定性の三つのキーがうまくワークしていると言えます。

もちろん、不動産も市場あってのものですから今後、価格の上下は当然起こりうるわけですが、私の見立てではコレクション(修正)はあってもバブルの崩壊という流れにはならない気がします。

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