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トランプ弾劾、必ずしも米株崩壊を意味せず


バロンズ誌、今週のカバーにゲーム産業を取り上げる。米国のゲーム産業は成長を続け、2018年のゲーム産業はゲーム機端末からゲームソフトまで含め675億ドルの売上を叩き出す見通しだ。そのゲーム産業における今後の成長のカギはクラウドで、関連企業の売上を急速に押し上げよう。詳細は、本誌をご覧下さい。

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォールストリートは、トランプ大統領の弾劾と米株市場へのリスクに焦点をあてる。抄訳は、以下の通り。

8月20日週は、トランプ大統領の選対本部長だったポール・マナフォート被告への有罪評決、元弁護士のマイケル・コーエン氏による不正行為を認める発言が飛び出した。しかし、金融市場は平静そのもので、S&P500は7ヵ月ぶりに、ナスダックは1ヵ月ぶりにそれぞれ過去最高値を更新して引け。ダウも、1月26日につけた最高値まで、あと3.1%に迫った。

米連邦準備制度理事会(FRB)も、上昇に寄与したといって過言ではない。金融政策は緩和的であり続け、短期金利はゆるやかに引き上げられる程度で、且つ保有資産の圧縮も慎重に進められている。

それでもトランプ大統領は、利上げと保護主義寄的な通商政策でドルが上昇するなか、自身が指名したパウエルFRB議長率いるFedの金融政策に対し「喜ばしくない(not thrilled)」と口を挟まずにいられなかった。さらにトランプ大統領は前週、自身が弾劾されれば「株式市場は崩壊する」と発言。そうなる可能性はゼロではないだろうが、過去を振り返ると別の側面が見えて来る。

ニクソン大統領(当時)は1974年に辞任し弾劾を回避したが、ウォーターゲート事件が発覚した当時、スタグフレーションの影響で米株市場は弱気相場にあり、S&P500は同大統領の辞任までの1年間で23%も下落した。一方で、クリントン大統領(当時)が1998年に弾劾された時、ドットコム・ブームを受けてS&P500は25%上昇。1998年9月のLTCM危機やロシア財政危機に伴うルーブル切り下げとデフォルトの鏡面で強気相場がスローダウンしたとはいえ、ラリーは2000年まで続いた。

弾劾をめぐる議論は過剰とも言え、だからこそ金融市場はそれほど反応していないのだろう。何より、パウエルFRB議長のジャクソン・ホールでの講演が奏功したと言えよう。パウエルFRB議長は、インフレが物価目標の2%を超えて加速する兆しはないと発言し、四半期に一度のペースを示唆するゆるやかな利上げが適切と発言した。足元、FF金利先物市場でみた9月25〜26日開催のFOMCでの利上げ織り込み度は、95%12月18〜19日開催のFOMCでの利上げ織り込み度は、64%となる。しかし、何より大きな問題はFF金利がどこまで引き上げられるかだ。FOMC参加者の間では2.75〜3.0%のレンジを見込む一方、FF先物市場では2020年までに2.65%を織り込んでいる。

パウエルFRB議長率いるFedが、ホワイトハウスの圧力に屈し金融政策を変更する可能性は低い。トランプ大統領が「喜ばしくない」と不快感を示そうが、セッションズ司法長官への批判と比べれば大したことはない。むしろ、JPモルガンのマイケル・フェローリ米首席エコノミストが指摘するように、パウエルFRB議長はイエレン氏やバーナンキ氏にならい、景気後退を招きかねない金融市場の”根拠なき熱狂”を抑え込むだろう。

既に、一部の指標は市場に慎重なサインを送っている。米株市場は過去最高値を更新したとはいえ、イールドカーブのフラット化は継続。米2年債と米10年債のスプレッドは20bp台と、2007年7月以来の水準まで縮小した。その1年後、金融危機の嵐が吹き荒れたことは記憶に新しい。

平静に見えて、危機は突然起こりうる。貿易摩擦の問題だけでなく、イタリアをはじめユーロ圏周縁国には債務問題がつきまとう。9月や10月は株式相場が急落しやすい。夏のラリーを楽しめるのは、今のうちかもしれない。

作成:My Big Apple NY

ユーロ圏周縁国の問題は、引き続き注視すべきでしょう。元財務官のこの方いわく、過去10年間に発生した危機は地中海周辺で発生してきました。トルコ情勢不安も、影を落とします。欧州系の銀行は、欧州や中東での貸出が振るわなかった分、トルコに一点集中し貸出を展開していたとされ同国の混乱が金融市場に引火しないとも限りません。

今回のバロンズ誌はカバーにゲーム産業を取り上げましたが、ハリウッドの売上(2017年に430億ドル)をとっくに飛び越え、存在感を示しています。ゲーム産業の拡大に伴い、eスポーツも飛躍的に成長中。調査会社ニューズーによれば、eスポーツ市場は2018年に前年比38%増の6億5,500万ドル、2021年には16.5億ドルへ拡大する見通し。視点をアジアに移すと、アジア五輪はeスポーツを新種目として追加されましたよね。日本でも、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)が8月、サウジアラビアのeスポーツ連盟と日本・サウジアラビアeスポーツマッチに署名しました。米国だけでなく、日本を含むアジア全般でも広がりをみせるだけに、関連銘柄のさらなる上昇に期待が集まります。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)

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