記事

叫ぶだけではニュースでない

23日、台風が近畿に近づいていた。そこで午後の予定をキャンセルし、東京から京都へと早めに戻った。遅くまで東京にいると翌朝の京都での用事に支障が生じかねない。早く帰り、台風のニュースを見ながら明日の通勤を考えようとしたところ、ニュースがアホすぎた。

「早めに避難してください」、「危険な箇所には近寄らないでください」、「暗くなってきました(夜やし当たり前やろ)」を連呼するだけに近かった。「こんなん、ニュースやあらへん」というのが正直な感想である。ニュースとは、客観的な事実を知らせることから始まるはずである。

社会事象であれば「客観的な」とは何なのか議論が生じようが、台風のような自然事象では簡単である。今どこに台風中心があって、暴風圏がどの程度で、何時間後に目がどこに進みそうだという気象庁の見解が、客観的事実に相当する。

それなのに、全国ニュースで「危険」と「避難」をがなりたてるのは無意味というかマイナス効果である。意味があるとすれば、放送局自身の責任回避としてだろう。放送で何にも言わなかったから大きな損失を被ってしまったと、非難されないためでしかない。それとも、気象庁の見解が信じられない、誰も当てにしてはならないとでも放送局は考えているのだろうか。

繰り返しになるが、本来の台風のニュースとは、ある程度地域を特定し、そこでどういう危険が起こりうるのかを明示しつつ、放送すべきである。本来、どう対応するのかは個々人の責任である。個々人の判断が難しいと思うのなら、自治体に災害リスクを察知させるような客観的事実をできるかぎり詳細に伝え、自治体の判断で住民に行動させるべきである。

いずれにせよ、まるで認知症の爺さん婆さんを相手にしたように報道はやめてほしいものだ。認知症だったら、叫ぶだけでいいのかどうか、僕にはわからないが。

毎回、台風が来る度、地震が発生する度、「気をつけろ」、「逃げろ」を連呼する放送は、オオカミ少年的でしかない。大した被害が出なかったら、次から視聴者は、「また目をむいとら、言うとら、叫んどら、トラトラトラ」、「そらそらそら、始まったで、うるさいだけやし、チャンネル変えよか」となってしまう。

あわせて読みたい

「マスコミ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    日本人はナゼ「貧乏になったこと」に気が付かないのか?

    内藤忍

    06月21日 14:24

  2. 2

    劇場不発?小池百合子知事も「中止」選択は取らず 東京五輪の次なる焦点は観客の有無

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月22日 09:58

  3. 3

    リモート営業で絶対に使ってはいけないフレーズとその理由

    シェアーズカフェ・オンライン

    06月22日 08:31

  4. 4

    年上の高齢男性から告白されるということについて

    紙屋高雪

    06月21日 09:11

  5. 5

    「児童手当無し、高校無償化も対象外」高所得者への"子育て罰ゲーム"が少子化を加速

    PRESIDENT Online

    06月22日 09:33

  6. 6

    フェイク情報に騙されない教育とは:高校生の98%がネットで真偽を見誤る/米研究結果より

    ビッグイシュー・オンライン

    06月22日 08:18

  7. 7

    共同通信『慰安婦謝罪像、東京で展示を検討』 とんでもないことで許せぬ

    和田政宗

    06月21日 08:22

  8. 8

    小川彩佳アナと離婚へ ベンチャー夫の呆れた一言「今からなら、遊んでも…」

    文春オンライン

    06月21日 19:30

  9. 9

    【プライムデー】、米国商戦夏の陣!Amazon Freshは地味にセールもエコシステムが拡大?

    後藤文俊

    06月22日 09:13

  10. 10

    ワクチン接種の義務付けをめぐる「公共の福祉」と「個人の自由」日本とアメリカで違い

    中村ゆきつぐ

    06月21日 08:35

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。