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軽減税率適用のために有害図書排除!?

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2018年8月10日~12日のC94コミックマーケットには、のべ53万人の方々が参加され盛況のうちに幕が閉じました。この夏も3日間、りんかい線国際展示場正門駅前にて表現の自由を守る街宣活動を行わせていただきました。連続街宣足掛け5年、夏冬併せて10回以上の街宣活動となりました。更に今年もAFEE(エンターテイメント表現の自由を守る会)のブースにてAFEEマガジンの売り子をさせていただきました。

街宣活動は猛暑を心配していましたが、ありがたいことに3日間とも風が強かったり、曇っていたりで、おかげさまで、熱心な聴衆のみなさんも、私たち登壇者も大過なくすごすことができました。ただ、コミケ会場内の湿度は高く、チラシは会場内の湿気を吸ってベロベロになる程でした。

さて、今回、8月15日の「山田太郎のさんちゃんねる」で急な発表となりましたが、このサロンは、8月15日をもって新規会員の募集を締め切り、発行も今年の10月末をもって終了とさせて頂くことになりました。長きにわたり、サロン会員の皆様には、活動を支えていただき本当にありがとうございました。サロンの収入が、サロン運営のための費用になったばかりではなく、街宣活動の費用、「山田太郎のさんちゃんねる」などの費用の一部となっていました。そういう意味では、重ね重ねサロン会員の皆様には本当に活動全般にわたって支えていただいたことになり、お礼申し上げます。

併せて、5年間続けてきたコミケでの街宣活動、300回を超える放送を行ってきた「山田太郎のさんちゃんねる」も終了させることにいたしました。コミケ街宣は、次回の冬コミをもって終了し、山田太郎のさんちゃんねるは、今後1年以内に終了させることにいたしました。
急な決断ではありましたが、どうかご理解くださいますようお願いいたします。

今回、サロン、街宣活動、「さんちゃんねる」の終了を決めた理由は、この夏コミの街宣活動を通じて、表現の自由を守る活動をめぐる環境が大きく変わってきたことを感じたからです。

この夏コミの街宣活動で最も訴えたかった内容は、「消費税軽減税率適用に伴う有害図書指定問題」についてでした。青少年健全育成条例に基づく未成年に対する有害図書指定や不健全図書指定とは違い(もちろん、この条例の在り方についても異議を唱えてきていますが)、成人も含む全ての人に対して有害図書指定される書物、出版物が存在するようになります。

漫画、アニメの中で表現を巡って、有害図書指定されるものが出てくるかもしれない、いや、その延長上で表現規制につながるのではないかと懸念しています。更に、有害図書指定されないように、売れている雑誌などは表現についてマイルドなものに改めるなど自主規制の嵐になるかも知れません。この問題は、軽減税率の恩恵を被る出版社や新聞社等、マスコミ各社が自らの問題として取り上げにくい立場にあり、一部のマスコミからしかこの問題についての論述はありません。

有害図書指定により表現物は全てが平等であるという前提が崩れてしまう可能性がある中、更に、憲法84条の租税法律主義に違反する可能性が高い(政府は私の答弁で認めています)状況下で、ジャーナリズムとしてマスコミ各社が問題を取り上げないのはおかしいと強く指摘してきました。そして、これらのことが表現の自由を守っていく中で直近の最重要な政治課題だという主張をサロン、街宣活動、「さんちゃんねる」、Twitter等、あらゆる方法で主張させていただきました。

しかし、この夏コミの街宣活動では全くそのことが伝わりませんでした。街宣活動で訴えて、ネットを含めて拡散され世論形成につながる。これが毎回の街宣活動の役割でした。ところが、この夏コミの街宣活動では、私の発言の一部が切り取られ、また歪曲されてネットで拡散されました。

また、私が街宣活動で本意ではない部分でどの様に発言したかということばかりが議論となりました。もちろん、私が分かりにくい発言をしたことが原因でもあり、その部分については、街宣活動にて釈明、謝罪し、またさんちゃんねるでも謝罪させていただきました。しかし、なお、「街宣活動でどの様に言ったか」、まったく街宣を聞いていない方々まで歪曲して伝えられ、本意である有害図書指定問題は、街宣直後は、全く伝えられない結果となってしまいました。

まず、このことが、サロンでお金まで支援していただいている方々に街宣活動の一部を負担していただいている状況なのにも関わらず、この街宣活動はまったく意味の無い、いやむしろネットにおいて活動の本意ではない議論を呼んでしまったことは、街宣活動の大失敗だったと考えています。この様な結果になるのであれば、街宣活動は最初からやらなければ良かったとも考えました。

更に、表現の自由を守る主張よりも、私が保守や革新の考えにあるとか、右とか左だなど、党派性をもってどのような立場にあるのかということばかりがネットでは問われることになってしまいした。仮に私がどの様な立場にいても、マンガ、アニメ、ゲーム、そしてその表現の自由を守りたいことが本意であるにも関わらず、党派性の違いによって批判しあうという状況を招いてしまいました。

私はこれまで、表現の自由を守るために保守政党とも革新政党とも、あるいは様々な立場の人たちと組んで、結果を出すことが最も重要だと考えてきました。これまで一貫して野党の立場で活動(所属政党は最初から最後まで野党でした)してきましたが、結果を出すためには、政権政党と交渉したり接触したりすることも多く、結果、何か妥協しているのではないか、保守勢力にすり寄っているのではないかと、かえって反発される様になったのでないかと感じています。

私は、首尾一貫して、批判のための批判をしても結果が得られなければダメだと考えてきました。もちろん、一貫して全てに反対し続ける考え方もあるとは思います。しかし、現在の政治状況から考えて、批判だけし続けても原案通り決まってしまう。結果を出すのであれば、何を勝ち取るのか、どうすれば変えられるのか考えて行動するのが必要だと思っています。

でなければ、児童ポルノ規制法のマンガ規制の附則の除外も、TPPの著作権法の海賊版のみ非親告罪化という結果も、青少年健全育成基本法案を表現規制を目的としない理念法とした結果も、消費税軽減税率適用のための業界団体による有害図書指定は難しいという政府答弁を得た結果も、国連からのマンガ規制要請を跳ねのけた結果も、何もかも結果を出せなかったと思います。児童ポルノ規制法については、表現の自由を守るために与野党の議員が多く動きましたが、それ以外は、残念ながら私は孤独な闘いでした。でも、バッジをつけた議員が一人でも国会にいれば、変えられるのです。

私は、上場企業の創業も含めて長く経営者をやってきました。毎日決断と結果を求められて生きてきました。ですから結果を出すためには、反対だけし続けても何も変わらない、反対のための反対をし続けるのではなく、対案をつくって、タイミングを図って交渉し、結果を出すことが大切だと考えています。反対だけを叫び続けるのは、もしかしたら「偏ったイズム」になってしまうのではないかと懸念しています。それでは、議論を先鋭化しても多くのサイレントマジョリティー(普通の、穏健温和な人たち)はついてこられず、世の中は変わらないと思っています。

もちろん、私のこういった考え方や姿勢、立場を気に入らない、相容れない方々もきっといると思います。しかし、今回、私の街宣活動を発端として、有償で支援していただいているサロン会員には無駄なお金を使わせてしまったと猛反省しました。批判を踏まえて、私がもう少し発言を自主規制すれば、上手くやっていけるのかもしれません。

しかし、スタンスを変える気はありません。その結果、主張が伝わらないのであれば、他人のお金で有償で支えられているその活動を続けるわけにはいかない。何か続けるにしても、自分のお金と責任ですべてやるべきだ、そう強く認識いたしました。

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