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昭和天皇の悔恨

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 きょうの朝日新聞によると、昭和天皇の晩年の心情が、新たに公開された侍従の日記によって明らかになったということだ。昭和天皇の戦争責任については、東京裁判でも法廷での訴追は行われなかった。アメリカから見たら、天皇は日本の軍隊を無血で整然と降伏させ、かつ平和国家への転換に協力した功労者でもあったのだ。だから裁判では、東条以下の軍部が、天皇の平和への志向を無視して「平和への罪」を犯したという理論構成になった。

 だが現実には、太平洋戦争は天皇が「御名御璽」と署名捺印した宣戦の布告によって始まっている。御前会議で臣下が一致に達した結論に、天皇は拒否権を発動しないのが慣例であったとは言うものの、もし天皇が本気で拒否したら、会議は頓挫したことだろう。そして当時の雰囲気として、天皇を弑逆どころか、退位を迫られるといった事態にもならなかったに違いない。

 しかし「まことに止むを得ざるものあり」と言いながらも「御名御璽」は発出された。こうなったら、形式上であっても最高責任者としての立場を免れることはできない。それと同時に、「これが大日本帝国の使命なのかもしれない」という興奮も、感じたのではないかと私は想像する。

 そして誰もが知っている経過で日本は敗戦を迎えた。天皇は充分に自分の責任を自覚していたろうと私は思う。マッカーサーとの会見記録などから見ても、少なくとも自分の退位ぐらいは覚悟していたのではなかろうか。しかし意外にも、戦後日本の「平和国家としての再生」のシンボルとしての全国行脚が待っていた。よくよく運の良い人だったと、今これを書きながらも思う。

 それでも、280万の軍人と30万の民間人、合計310万人の国民を死なせた責任は消すことができない。昭和天皇の晩年が、悲しみに閉ざされた日々であったことは、きわめて健全な心情であったと思われる。

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