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ヤマトHD 31億円過大請求で「会社中枢も知っていた」重大証言

【過大請求を謝罪する山内社長(時事通信フォト)】

 宅配大手・ヤマトHD傘下の「ヤマトホームコンビニエンス(YHC)」が、法人向け引っ越し事業で料金を過大請求していた問題が波紋を広げている。過大請求額は過去5年間で31億円。全国128事業所のうち123か所で発生し、うち112事業所で、100件以上の過大請求があった。

 その規模の大きさに驚かされる一方、ヤマトHDの山内雅喜社長は7月24日の会見で「会社として指示したことはない」と説明。だが、そこに疑義が生じる新証言がある。

 この問題は7月に発覚したが、それより前の今年4月23日、香川県内にあるYHCのある支店で、四国4県の支店長らによる月1回の会議が開かれていた。出席者が声低く明かす。

「会議の最終盤、四国全体を統括する責任者であるAさんが、翌月に控えた高知県内での大規模な案件を話題にしました」

 それは、すでに過大請求があったことが公になっている、半導体大手企業の工場撤退に伴う、従業員150人分の引っ越しだった。引っ越し先は、愛媛・熊本・茨城の3県に分かれていた。

「他の支店からの応援が必要になる規模なので、Aさんは担当支店長に状況確認を求めました。すると、“見積もり(の荷物量)は14トンですが、実際は4トンぐらいなんで楽勝です”と返ってきた。Aさんはそれを聞いて“1件(=従業員1人につき)10万円(の過大請求)で1500万円は上がるな”と満足そうでした。過大請求を、経営の中枢に近いAさんが認めるやりとりです」(同前)

 本誌・週刊ポストが香川にある支店前でA氏に直撃すると、こちらの質問を遮るように「(組織的な不正では)ない、ない」と繰り返すのみ。

 ただ、改めてA氏の発言についてヤマトHDに問うと、「調査委員会において、詳細な調査と原因の究明に取り組んでいる」と、明言を避ける答えだった。

 ヤマトHDの不祥事の歴史を紐解くと、いずれの対応を見ても、不正の存在を認めながら、“組織的なものではない”という弁明が繰り返されてきた。2007年のヤマト運輸での労働時間改ざん問題の際は、「会社として指示していない」とし、2016~2017年にかけて発覚した残業代未払い問題では、当時のヤマト運輸の社長が「現場に目が行き届かず、労働時間の管理が万全でなかった」と発言。その上で、計約190億円の未払い残業代を支払った。

 そして、今回の過大請求。またも後になって検証したら「やはり組織的な問題だった」という結論で傷口を広げはしないか。“クロネコ”が利用者の信頼を裏切る行為を続けていることだけは確かだ。

●取材協力/伊藤博敏(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2018年8月31日号

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