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日本銀行の「デフレ」からの脱出を図る「インフル目標」は、「ツー・リトル、ツー・レイト」だ

◆日本銀行が2月14日、金融政策決定会合を開き、やつと「デフレ」からの脱出を図るため「物価目標1%導入」という「インフル目標(ターゲット)」を初めて設定し、資産買入れ枠を10兆円増額する追加緩和措置も実施した。これにより、資産買入れ枠は、65兆円となつた。

 それにしても、「遅い、のろい、とろい」決断であった。言い換えれば、日本人特有の「ツー・リトル、ツー・レイト」だった。しかも、決して自主的に判断して決定したものではなかった。米国FRB(連邦準備制度理事会)が、「2%の物価上昇」を「長期的な目標にする」として金融緩和政策を決断したのを受けて、いわゆる「他動的な政策決定」だった。それは、「デフレをいつまで放置しておくのか」という批判が国民や産業界から高まってくるのを防ぐのが、目的だった。

 ロイターが2月14日午後5時22分、「脱デフレで日銀の真剣さに疑問符も、FRBに見劣りする市場操縦術」という批判的な見出しをつけて配信しているけれど、当然の感が強い。この記事は、このブログの最後に「参考引用」しておく。

◆庶民の間では、「100円ショップ」がモテモテである。安くて、良い日常製品が、しっかりと品揃えしてあり、基本的に何不自由なく生活できるからである。

 おまけに、各家庭では、大体の生活必需品が揃っているので、少し我慢すれば、快適な生活は維持できる。

 こういう家庭が増えると、全体的に消費が減退する。この結果、消費者物価指数も下がってくる。家庭電気製品や自動車が売れなくなり、買い替え需要も減ってくる。この結果、企業業績が落ち込み、賃金カットも進み、ついには雇用調整せざるを得なくなる。

 デフレは、スパイラル状態になって、ますます深刻化していく。物価が下がっているのを理由に、それまで物価上昇に連動して上げられていた年金支給額も減額されると、当然高齢者は、財布のヒモを閉めざるを得ない。そうなると、消費は縮小していく。こうして、国民全体が、「投資マインド」を冷え込ませてしまい、経済社会は、活力を失っていくのである。これが、今日の日本の実情である。

 日本銀行は、バブル経済崩壊後、「インフレ」を押さえ込まなければならないという極度の恐怖感に囚われるあまり、行過ぎた「デフレ」に対して、鈍感だった。インフレであれ、デフレであれ、「行き過ぎ」は、むしろ、「害毒」になる。その害毒を日本銀行は、振りまき続けてきたのである。

 この間違った金融政策により、日本社会は、失業者、非正規従業員を多数生み出し、さらには、ホームレス、犯罪者、10年以上にも及ぶ毎年3万人を上回る自殺者などなど、悲惨な状況が現出している。日本銀行は、これらを放置し続けてきた。政府・財務省から、いかに独立した機関であるからとはいえ、これは、無責任というものだ。はっきり言おう、日本銀行の白川方明総裁以下、審議委員(政策委員)はみな、無能であり、日本にとって不要・不用な「ゴミ」のような存在である。一刻も早く、メンバーを入れ替えるべきである。

◆一般国民にとっては言うまでもなく、日本銀行にとって最も深刻なのは、「GDPマイナス」という大変な事態である。内閣府が2月13日発表した「2011年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値」が、「2四半期ぶりのマイナス成長となり、景気が一時的に停滞する『踊り場』にあることを裏付けた」というのは、おそらく衝撃的であったであろう。

 この速報値は、日本銀行の金融政策決定会合を相当慌てさせたに違いない。「追加金融緩和の是非」の検討に踏み切らざるを得なかったのである。言い方を厳しくすれば、日本銀行のトップクラスは、政策委員を含めて、庶民の生活実感から、相当かけ離れた「別世界」に住んでいる人種である。庶民の生活はもとより、企業経営者の経営の苦しみとは無縁の世界に住んでいる。さらに、はっきり言えば、現実の実業現場とはかけ離れた「統計数字」のみを読みながら、政策決定していると考えられる。基本的に、庶民と日本銀行との間には、根本的な生活実感の点で、「極めて大きなズレ」があると言えるのである。
【参考引用】

 「[東京 14日 ロイター]日銀が14日の金融政策決定会合で決めた資産買い入れ枠増額と物価政策の表現変更について、金融市場からは、2つの政策をセットにしたサプライズとして評価する声がある一方、物価をめぐる表現変更は単なる「言葉遊び」に過ぎず、デフレ脱却に向けた実行への不信感も根強い。市場心理を制御する米連邦準備理事会(FRB)流の情報発信力に比べて見劣りするとの見方もある。金融マーケットにとって今回の決定が単なるサプライズで終わるのか、あるいはその効果が持続して円高是正などにつなげていけるのか、日銀の実行力とコミュニケーション力が問われている。

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