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なぜ、いま「高校生と地域」が注目されるのか(前編) ~「高校生と地域」をめぐる新潮流(1)~

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2018/06/19
公共経営・地域政策部 研究員 喜多下 悠貴

本シリーズ「『高校生と地域』をめぐる新潮流」では、現在、教育政策、地域政策など、多様な観点からの注目が高まっている「高校生と地域社会との関わりのあり方」の実態及び求められる方向性について、様々な事例や調査データを通して考察を深めていきたい。初回となる本稿では、前編で、現在、なぜ「高校生と地域」の関係性が重要視されているのか、その潮流と論点を概観したのち、後編において、注目すべき事例を取り上げる。

1.「高校生と地域」の関係性への着目

「学校(スクール)」の語源は、「閑暇」を意味するギリシア語「スコレー」にあると言われる。元来、学校は、「日常生活や生産活動から解放された余暇の場」(注1)であり、日常から切り離された時間、空間の中で、勉学を修め、文化、教養を身につけるための場所として位置付けられていた。

日本において、こうした「語源通り」の学校のイメージは、現在では高校教育、中でもとりわけ普通科高校において最も鮮明になるのではないかと思われる。それは、大多数が市区町村立であり、児童・生徒の生活圏に根ざした小・中学校、地域産業との結びつきが強い専門高校、そして、現在では大多数の学生が職業への移行を控え就職活動やインターンシップに取り組む大学等の高等教育機関と比較すると、高校教育段階では、実社会や日常生活、またその舞台となる地域社会との結びつきを深める理由やインセンティブが見出しづらいように思われるからである(注2)

こうした高校と地域の「縁遠さ」の一例として、地域住民や保護者が学校運営に参画する仕組みであるコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の設置割合を見ると、公立学校への設置が努力義務化される以前の平成29年4月段階では、小中学校で10%を超えている一方、高等学校における設置割合は1.8%に留まっている。

図表1 コミュニティ・スクールの設置状況

学校種別 ①公立学校数(H29.5.1 ②設置校数(H29.4.1) 設置割合(②/①)
小学校 19,794 2,300 11.6%
中学校 9,479 1,074 11.3%
高等学校 3,571 65 1.8%

出典)学校数は文部科学省「平成29年度学校基本調査」のうち公立学校数、コミュニティ・スクール設置校数は文部科学省HP(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/shitei/detail/1386362.htm)。

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