記事
  • ヒロ

否定から入る日本人

人の話を聞いて「でも…」「だけど…」「それもそうだが…」といったように相手の話を打ち消して自分の主張をすることはかなり多いのではないでしょうか?そういう私もその傾向はあります。なぜでしょうか?

私の場合は単に素直ではない、あるいは自分の方が経験が勝っているのでそのまま、はい、そうですね、では引き下がれない、という強情さかもしれません。皆さんの場合はどうでしょうか?

案外、女性は「そうなのよね」「そうそう」「ほんとねー」といった具合に割と肯定から入る方は多いのではないでしょうか?こう言ってしまえば男女の違いは確かにあるのですが、日本は全体的に否定調で入るケースが多いようです。

日本の新聞が国際報道について肯定調か否定調か、中立的かという調査があるのですが(GNV 2015年)肯定調が15.6%、否定調が37.6%、中立調が46.8%となっているそうです。ざっくり否定調が肯定調の2倍ということになります。また、新聞報道はそれなりに色がついているということも言えます。

ではなぜ、否定調なのか、ですが、一つにはニュースそのものに事件性が多く、否定されやすいトピックスが多いことがあるでしょう。それがこの調査では補正されていないようですのでそのままうのみにはできないのですが、日本人に否定論調が多いのは保守的性格である点は否めません。

農耕民族として育った日本人は土地への属性を含め、基本的に変わらない生活を求めています。終身雇用もそうだし、一度買った家は「永遠の住家」です。また自分の住むところは「おらが町」として町おこし、祭り、郷土料理といったお国自慢でさらに保守性を高めていきます。

そうなると自分や住むところに何らかの変化が伴うようなことには大きな反応を示し、そのために異物反応となるのではないでしょうか?まずはいったん否定、だけど自分が信頼を置いている人が「こうする」といえば「俺はあの人を信じているからそれについていく」という形で同意が進む、ということかもしれません。

北米に来て一番初めに学んだのが「ポジティブシンキング」つまり、肯定的に物事をとらえよ、であります。これは移民国家らしく多くの先人の努力を見習い、自分たちも開拓精神をもって創造に励め、と言われているようなものです。これは日本と違い、集団統治性がなく、個人がそれぞれ自由な動きをしやすい環境にあるため、自分の足で立たないとおまんまの食い上げになる、という意味でもあります。

冒頭、男性は否定から、女性は肯定から入りやすい、と申し上げました。実は女性の方がはるかに保守的であるのです。女性は特有のグループ化により所属意識が男性よりはるかに強く、また男性が複数のグループに所属することに抵抗がないのに対し、女性は単一のグループのみに所属する傾向があるという調査があります。これは女性が「でも…」「だけど…」と否定から入ると仲間外れにされるというリスクが高いため、同意から入らざるを得ないという背景があると考えています。

言い換えると多くの日本人が所属しているグループとの結合性とそれに対抗する発想、行動、計画への抵抗が否定表現につながる、ともいえるかもしれません。

日本人はポジティブに開拓しなくても道はある、ということなのでしょう。私のように長く外国にいるとそんな色はよく見えるし、果たして世界の中の日本は大丈夫なのかしら、と余計なことかもしれませんが、心配になります。

では今日はこのぐらいで。

あわせて読みたい

「日本人」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    GW10連休に理解苦しむ世界経済

    澤上篤人

  2. 2

    アメトーク西成差別 当事者の傷

    田中俊英

  3. 3

    よしのり氏 山口真帆騒動に指摘

    小林よしのり

  4. 4

    JAL国内線 個人モニター搭載の謎

    シェアーズカフェ・オンライン

  5. 5

    自民に勝利宣言する立民の勘違い

    木走正水(きばしりまさみず)

  6. 6

    堺市長辞職 維新が狙う後任の座

    橋下徹

  7. 7

    AAA 知っているのは西島くらい

    渡邉裕二

  8. 8

    まるでオカルト NHK報道の質低下

    水島宏明

  9. 9

    倉本聰が描くテレビ局への怒り

    メディアゴン

  10. 10

    共産党関係ない大阪の自民連敗

    猪野 亨

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。