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マイクロソフト社長"メールは時間の浪費"

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■やりとりは「チーム単位」へと移行

現在、マイクロソフトでは社内でのやりとりの多くをチームベース、プロジェクトベースでのコミュニケーションへと変えています。個人間でのEメールももちろん便利ですが、やりとりを重ねる際にはチーム単位へと移行しています。それが私たちの“モダンワークプレイス”です。いまや、わが社の経営幹部のコミュニケーションのうち80%は、プロジェクト中心のやりとりとなっています。

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プロジェクトチームのメンバーはEメールではなく、とあるプラットフォームを使うことで複数のプロジェクトについて継続的なディスカッションをしているのです。参加者は対話形式で固有のテーマに取り組むことができます。これによって本題に入るまでがスムーズになり、エンゲージメントをより加速化することが可能になりました。

私たちが使っているプラットフォームは「Teams」(チームズ)というツールです。もし弊社製品の「Office」(オフィス)をお使いであれば、実はEメールの次の段階、このチームズにもう移行しているのです。このソフトの導入によって、コミュニケーションの習慣は大きく変わることでしょう。

私が携わっているプロジェクトの数は常に25から30にも及びます。それらのチームを統括しているわけですが、具体的にそれぞれのチームで何が起こっているかをリアルタイムで確認することが可能になりました。

私は朝の時間の70%を使い、チームズでいくつものプロジェクトに目を通します。時間をかけてメールの受信箱を覗くのではなく、まずチームサイトを開いて主要なプロジェクトは何なのかを理解し、どのプロジェクトでどういうコンテンツがアップデートしたかを見るのです。

チームズに移行したことで、Eメールに取られていたわが社の時間の20%をカットすることができました。会社全体で常に、一定のテーマ、トピック、チームに基づいてコミュニケーションが行われているのです。その結果、意思決定までにかかる時間が格段に短縮されました。

■日本は1年半でかなり変わった

さて、現在、企業の意思決定をする立場にある人たちは、ありとあらゆるデータに高い価値を感じています。業種を問わず、さまざまな企業が将来的にはデータをベースとした、ソフトウエアを使い、ビジネスの再構築を図ることになるでしょう。

そうやって多くの企業は既存のビジネスをアナログからデジタルに変えていきます。これをデジタルトランスフォーメーションと言います。企業のお客様とのつながり、製品の内容、組織内部の工程、あらゆるものが変化することでしょう。これが、今後のビジネスの主流となってゆくわけです。

日本ではいま、政府主導の働き方改革により、仕事場を変えるためのイノベーションが非常に注目されていますね。

日本の企業は、いつも私に感銘を与えてくれます。非常に細かい点にまで目を配っていますし、いろんな機会から学んでいます。けれども、その部分に新しいテクノロジーを導入することができれば、もっと意思決定のプロセスが加速して大きな変化がもたらされるはずだとも思っています。

私の実感として、弊社が関わっている日本の企業はここ1年半でかなり変わってきています。いずれの会社も「変わる」という目的意識があり、変化に向けていいスタートをしていると感じます。

しかし、日本企業のリーダーたちはまだテクノロジーの恩恵を十分に受けきれているとは言えません。日本企業では、意思決定権が一部に集中し非常に強いリーダーシップが発揮されています。私はそこに、改善とスピードアップの余地があると考えています。

日本企業は新しいプロダクトを開発することばかりに集中してしまっているようです。たとえば弊社のチームズのような最新ツールを利用することで、さまざまなデータを同時進行で把握できるようになります。そうやって会社のデジタルトランスフォーメーションを図れば、意思決定が速くなるはずですし、商品開発の効率も上がるはずです。

マイクロソフトには「fail fast learn fast」(素早く失敗し、素早く学ぶ)という言葉があります。つまり素早い意思決定と試行錯誤が重要だということです。われわれは「fast」ということだけに集中しているわけではありません。学習してアクションを起こすことに集中すべきだと考えているのです。

時間をかけて計画を練り、新しいプロジェクトに取りかかったり、製品をつくったりするのではなく、まずは、とりあえずプロトタイプをつくってみて、修正を繰り返す。そういった、短いサイクルを続けています。世界のビジネスのスピードは速くなる一方です。日本の企業にとっても経営のヒントになるのではないでしょうか。

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