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福島で作られつつある異様な「空気」

知人にすすめられて「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」というボランティア団体のメーリングリストに流れるメッセージを読んでいる。これを読んでいると「放射能による被害をできるだけ小さく見せよう」としている政府と、「子供たちだけは放射能から守りたい」と感じている親たちとの間に大きなギャップがあることが伝わって来て、心が痛む。

たとえば、こんな感じだ。

現在福島市から山形に夏から避難し、現在福島をたびたび往復している者です。最近福島に流れる異様な雰囲気に恐怖を感じます。これは最近益々強くなったと感じています。医者や病院、役所や学校あらゆるところで福島は安全だとのメッセージが流れ、同じ方向に進まないと生きていけない空気を感じます。

放射能を気にする発言をすると、放射能を気にし過ぎることで子供の健全な成長が阻害される、母子避難することで家族崩壊が招かれる、との情報で「もう子供の心の健康と家族を思い、放射能の事はもう考えません」と言い出す方達があちこちででてくるようになりました。

国や自治体からの発表に疑問を持つと過激な反体制と疑われ、避難を口にしようものなら、地元を見捨てるエゴの塊と見なされる。狭い狭い偏狭な方向へと導かれているように感じるのです。今この場がどんな状況で、何が起こっているかを何の偏りもなく、ただ冷静に知りたい、過去の事実から学んで活かしたいとの思いは、危険と見なされる不思議さ。肌で感じ取り、目で見て、情報を分析して考えること、異なった考えを議論することその全てを一切禁止されているような感覚があります。

自分の子供がいつ癌や白血病になるか心配しながら生きて行くような生活を地元の人に押し付け、かつ、その心配を口に出す事すらはばかれるような「空気」を作る政府。まるで戦時中の日本だ。

政府としては、年間1〜20ミリシーベルトぐらいのところからまで人を避難させていては膨大なコストがかかって仕方がないから、住民には戻って欲しいのだろうが、だからと言って事故前には立ち入り禁止になっていたような放射線量を持つ地域にまで「ただちに健康に影響はない」から戻れと言っても、まったく安心はできないのが親の心情である。

もう事故は起こってしまったのだから、ここは素直に「年間5ミリシーベルト以上の所は強制避難、年間1ミリシーベルト以上の所は自主避難」として土地を買い上げるなり、新しい土地での仕事を探してあげるなどの責任を国(=東電)が果たすべきだ。そんな「ごく当たり前のこと」も出来ない国に、原発の再稼働をする資格はない。

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