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貯蓄できぬまま65歳を迎える、団塊ジュニアたちの「2040年問題」

image by: MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com

少子高齢化という未曽有の危機が長いこと叫ばれ続けているものの、未だ解決策を得られない日本社会。様々な研究データの中には、「就職氷河期世代」いわゆる団塊ジュニアが2040年以降に一番割を食うのでは?という分析が出ているようです。

これまで、事業仕分けや女性活躍など20以上の有識者会議に参加してきた株式会社コラボラボ代表の横田響子さんは、自身のメルマガ『【オモシロ会議百景】現役・次世代リーダーと横田響子でゆるっと語るボーダーレスな社外会議』の中で、総務省の有識者会議で出ている「2040年問題」という大問題について、女性起業家かつ就職氷河期世代の目線で詳しく解説しています。

2040年、日本で何が起こるのか?

昨年秋から9ヶ月16回にわたり参加してきた有識者会議が、総務省「自治体戦略2040構想研究会」です。この2040という数字は、2040年を指しています。

2040年という年、国の偉い人たちが「なんとなく区切りがいいから」と決定したのではなく、ちゃんと意味があります。この年、実は人口減少と高齢者人口のピークで行政の運営が一番厳しくなる年と言われています。

2008年に人口が約1億2800万人でピークを迎えてから、はや10年。人口減少の速度は毎年加速しており、2040年ごろにはなんと毎年90万人程度減少、更に2040年の人口は約1億1092万人までの減少が予測されています。

そして、高齢化。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2040年65歳以上の高齢者人口は3920万人超と今後においてほぼピークとなります。そしてこの時期の高齢者は団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が当てはまります

とはいえ、少子化による急激な人口減少と高齢化―日本の今の時代を生きる私たちからしたら、数年前から何度も報道等で取り上げられているため、耳にタコのような話。「未曽有の危機」と言われても、もはや危機感を持つことさえ難しいかもしれませんが…。

報告書は、コチラ。

これから、法整備も含めて検討する審議会がまさに今月からスタートしています。

2040構想で議論されている中で、横田的に新鮮な話!と思ったわれわれが直面する課題もあります。

  1. 集団移転
  2. 大都市、東京の高齢化人口爆発、実は東京がピンチ?!
  3. 就職氷河期世代が割りを食っている説

などです。

2040年戦略について「就職氷河期世代が一番割を食っている説」

さて、2040年構想で直面する課題の内の一つ「就職氷河期世代が一番割を食っている説」について。

2040研究会の隠れた成果の一つは、就職氷河期世代に光を当てたことだと研究会で話されました。最近、徐々に話題になっている件です。

ある委員の方が、就職氷河期世代に関する考察を以下で示されています。

  • 団塊ジュニア世代の所得の低さが経済政策学会でも話題になったが、不況期に就職した層が先までずっと所得が低いという傾向は日本に限ったことではない。
  • 就職氷河期世代の中でも、大学卒業者の90数%は正社員となっていて、元通りのレールに乗れている。
  • 一方で、グレーカラー、ブルーカラー層など、非正規雇用の人、またフリーターの人々は、技能と経験を積みあげきれておらず、人材不足の際にも即戦力を求める場では避けられがち。

バブル崩壊後の就職氷河期に就職した世代の男性一般労働者(特に1972~76年生まれ)は、その前後の世代と比較して給与が低いのですが、このことに関して、問題は職能を十分に発揮できず、正社員ルートに戻れていない非正規フリーターの人が他の世代より多いということ、そしてたとえ正社員ルートに戻れていたとしても、管理職につけず収入が比較的少ないのではないか、との見解がありました。

ここから統計(PDF)をご覧いただけます。世代別給与比較グラフについてはp.17)

2040年ごろにかけての危機というのは、無職や低賃金で経済的に自立できなかったり、収入が少なく老後の蓄えが十分にない彼らがそのまま高齢化すれば社会全体のリスクにもなりかねない、ということ。

今のままでは、政策の失敗が引き起こした就職氷河期の被害を被った人々が、死ぬまでその被害と向き合わざるを得なくなってしまっている。

だからこそ、彼らが抱える、忘れられていた問題に対して、保障という形で真摯に対処する必要がある。

現在、少子高齢化が急速に進み、今の若い世代が生産者世代になったとき、1人あたり1.4人の高齢者を支えなくてはいけないという非常に大きな負担があると注目されています。

子供とシニアに注目を向けがちなところを、今まで日の目を見ることのなかった就職氷河期世代にも焦点が当てられるようになったことは非常に画期的なことじゃないか、と思ったのでした。

この点について先日出張でお邪魔した某地方都市の職員とも話題になりました。

うれしいことに、打合せ時「自治体戦略2040構想研究会」のとりまとめ資料を読み込んでくださり、まさに就職氷河期世代の件に赤線が!たまたま就職氷河期世代で、さらに共働き比率が増え、介護も育児も仕事も全てを無心にこなす世代。「なんとなく割を食っている気がするけれど自身では声をあげるのはちょっと…と思っていたのでとても納得した」というコメントでした。

さてさて、今後どうなることやら。私自身も議論に加わることもあると思うのでデータと向き合いながら参加しますが、各所で議論と対策が深まることを祈るばかりです。

image by: MAHATHIR MOHD YASIN / Shutterstock.com

横田響子

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