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安室奈美恵と翁長雄志前知事が演出した沖縄知事選

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共同通信社

翁長氏死去に安室奈美恵が異例の追悼コメント

すい臓がんで急逝した沖縄県の翁長雄志前知事の告別式が13日に執り行われた。そこで話題になったのが安室奈美恵だった。今や、沖縄が生んだスーパースターとなった安室奈美恵の、その動向の一つひとつは「沖縄の基地問題も含め左右する」と言っても過言ではないのだ。

そう言った状況の中で今回、翁長氏の訃報に際して地元の関係者に衝撃を与えたのは、何と言っても安室が出した「おくやみ」のコメントだった。

翁長氏は8月8日に亡くなったが安室は翌9日、いち早く自らの公式ホームページでコメントを発表したのだ。

安室は文面の中で、先の(5月23日)県民栄誉賞授与式を振り返って「体調が優れなかったにもかかわらず、私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました」とし、その上で「沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております」と知事時代の翁長氏の功績と共に死を悼んだからだ。

《安室さんのコメント全文》
翁長知事の突然の訃報に大変驚いております。

ご病気の事はニュースで拝見しており、
県民栄誉賞の授賞式でお会いした際には、お痩せになられた印象がありました。

今思えばあの時も、
体調が優れなかったにも関わらず、
私を気遣ってくださり、優しい言葉をかけてくださいました。

沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、
これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております。

心から、
ご冥福をお祈り致します。

安室奈美恵

「異例のコメントだったと思いますよ。確かに安室さんの素直な気持ちを綴っただけでしょうけど、ただ、この時期ですからね。しかも、こう言った訃報のコメントを自らの公式ホームページに掲載するなんていうのは前例のないことではないでしょうか。文面もどちらかと言ったら翁長氏寄りに踏み込んでいます。今後、人選を含めての知事選が活発化するのは告別式後ですが、安室さんのコメントは〝オール沖縄〟のモチベーションを高め、知事選に活気をもたらしたことは確かです」(地元の放送関係者)。

こんなことを書くと、あるいは「知事選と安室との因果関係はない」「無理に結びつけるな」なんて声も聞こえてきそうだが、私は状況を見る限り「(両者が)全く関係がない」とは言い切れないと思っている。もちろん、安室が知事選に加担しているというつもりはないが、安室側がそれなりの便宜を図っていることも否定できない。

翁長氏の辞職による知事選は予想されていた

その前に、今回の沖縄の県知事選について説明しておきたい。

翁長氏の任期は11月までだったことから、その11月末には任期満了に伴う知事選が行われることになっていた。もっとも、翁長氏は体調面から出馬が危ぶまれていた。私の得ていた情報では任期前に辞職して9月か10月に選挙と思われていただけに、ある意味では「想定内」だったとも言えなくもないが。まさか辞職と同時に翁長氏が亡くなるとは思ってもなかった。

そう言った流れの中で、まず最初に出馬を宣言したのは沖縄の運輸業を営むシンバホールディングス会長で、沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)元会長の安里繁信氏。安里氏は「新しい沖縄を創る会」が4月25日に知事候補として選任、自民党県連の候補者選考委員会に推薦した。

しかし、自民党県連は佐喜真淳・宜野湾市長を候補者として考えており、安里氏の出馬宣言には「不快感を示していた」と言われる。地元関係者はいう。「安里氏は日本青年会議所(JC)の会長も務めたりして、地元の青年の間では強く推す声があったようですが、逆にパフォーマンスが過ぎると評判も悪かった部分もあります。もっとも安里氏の本音は、知事というより副知事、それとOCVB会長なんでしょうけど…。そう言ったことから、前回の知事選も出る出ないで話題になりましたが、今回の知事選も、最終的には降りるかもしれませんね」。

一方、翁長氏側。いわゆる「辺野古移設反対派」と言われる〝オール沖縄〟の候補としては謝花(じゃはな)喜一郎副知事と稲嶺進・前名護市長、さらには城間幹子・那覇市長の名前まで挙がっている。

しかし、地元関係者は「この候補者は〝内地〟の予想に過ぎません。でも、謝花さんは実務型の人で政治家タイプではない。稲嶺さんも、すでに過去の人でインパクトに欠ける。城間さんは那覇市長選に出馬の意向を見せていますから…」。

で、もう一人の候補者として噂されているのが糸数慶子・参議院議員だというのだ。

「実は、糸数さんは、翁長知事とも仲がよかった。〝保守も革新でもない。沖縄のことは沖縄で決める〟と唱えてきた〝オール沖縄〟の候補にもピッタリ。糸数さんの出馬が濃厚でしょうね」。

糸数氏は参議院議員を3期務めてきたが、06年には知事選にも出馬している。その時は30万9985票を獲得したが仲井真弘多・前知事に3万7318票差で負けている。だが、実際には選挙戦には「強い」と言われているだけに「今回は、出馬したら圧勝する」と言われているのだ。

もちろん、これが〝決定〟というわけではないが、現時点での知事選の情勢となっている。

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