記事

高金利通貨には金利が高い理由がある - 塚崎公義 (久留米大学商学部教授)

1/2

 「虎穴に入らずんば虎子を得ず」だから、高金利通貨には金利が高い理由があるのだ、と久留米大学商学部の塚崎公義教授は説きます。

 トルコリラの相場が暴落しています。トルコリラは、高金利通貨として人気が高く、日本人投資家のなかにもトルコリラを持っている人は多いようです。さぞかし心配されていることと思います。

 そうした方々のご機嫌を損なうかもしれませんが、以下、高金利通貨に関する注意事項を記させていただきます。トルコリラを持っている方も持っていない方も、今後の参考にしていただければ幸いです。

 ちなみに、筆者はトルコという国についてもトルコリラという通貨についても、ほとんど何の知識もありませんので、以下は一般論としての高金利国xの通貨「xドル」の話です。

[画像をブログで見る]

金利が高いのには理由がある

 銀行や証券会社へ行くと、高金利通貨を勧められることがあります。しかし、高金利だからと言って飛びつくのは危険です。世の中、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ですから、虎子が道の真ん中で昼寝をしているはずがありません。何らかのリスクがあるはずです。

 そんな時、筆者が考えるのは「相手の立場に立って考える」ということです。異国の零細個人投資家である筆者に高い金利を払ってまで金を借りに来るx国政府の立場、それを筆者に勧める金融機関の立場を考えるわけです。

 X国政府は、筆者に金を借りにくる前に、世界中の銀行や投資家に借金を申し込んだはずです。それで断られたから筆者に借金を申し込んでいるわけです。筆者にxドル投資を勧めている銀行や証券会社も、断ったはずなのです。

 筆者がx国やxドルについて何も知らなくても、一つだけ確実なことは、世界中の銀行や投資家が「xドルは危険だから、高金利でも貸したくない」と考えた、ということです。筆者にとって必要な情報は、それだけです。

賭けとしては興味深いかもしれないが

 筆者は賭け事が好きなので、高金利通貨にも投資した経験があります。もちろん、老後の生活費を賭けるのではなく、カジノでの賭け事を楽しむ代わりに、といった金額を賭けるわけですが。

 したがって、読者に対しても「xドルは危ないから買うな」「プロたちが怖がって買わないものを買うべきでない」などと言うつもりはありません。むしろ、カジノでルーレットをやるよりは、高金利通貨の方が期待リターンが大きいかもしれません。プロたちが怖がって買わないから、「本来あるべき値段より安い値段で取引されている」かもしれないからです。

 そう考える理由は、プロの投資家たちがリスクを嫌うからです。リスクを嫌うという意味は、「確率5割で2倍になるが、確率5割でゼロになるような投資は行わない」ということです。「確率5割で3倍になるなら、確率5割でゼロになるとしても賭けて見る」と言う投資家は多いでしょうが。

 そうであれば、「確率5割で2・5倍になるが、確率5割でゼロになるような投資の案件」があったとして、もしかしてプロは断るかも知れません。高金利通貨への投資がそれに近い話だとしたら、「プロに断られた案件だけれども、賭けとしては面白い」のかもしれません。

 しかし、繰り返しますが、遊びの範囲でカジノへ行くつもりで、投資額を控えましょう。くれぐれも老後のための蓄えを高金利通貨投資に使わないように、お願いします。

あわせて読みたい

「投資」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    コロナ後の日本は失業者増えるか

    ヒロ

  2. 2

    米で広がる分断 アジア人も下層

    WEDGE Infinity

  3. 3

    コロナでトランプ惨敗説が急浮上

    WEDGE Infinity

  4. 4

    給付金寄付の強制は「責任転嫁」

    非国民通信

  5. 5

    渋谷で「一揆」補償巡りデモ行進

    田中龍作

  6. 6

    米の中国批判に途上国はだんまり

    六辻彰二/MUTSUJI Shoji

  7. 7

    テラハ演者 陰湿さ増す悪魔構造

    女性自身

  8. 8

    重症者少ないアジア 人種要因か

    大隅典子

  9. 9

    マイナンバー遅れで残る利権構造

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  10. 10

    ブルーインパルス 文字を描いた?

    河野太郎

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。