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すべてを「なかったことにする」原子力マフィアの恐るべき体質

ここ最近、福島第一原発2号機の圧力容器の温度がじわじわと上がってきた。

東電はホウ酸を投入したり、注水量を増やしたりという対応をしており、昨日は日曜日にもかかわらず会見をしていた。

東電や政府は、事故を起こした原発は「冷温停止“状態”」にある、つまり収束に向かっているというプロパガンダをしている手前、この温度上昇というのははかばかしくない。

温度を測る計器には20℃の誤差があるということで、当面、80℃をこえるかどうかが注目されていわけだが(100℃以下であることが冷温停止“状態”の条件)、昨日、夕方にはついにこれをこえてしまった。

だが、そもそも──。

冷温停止“状態”などとういものが、まったくのまやかしであるから、それをこえるこえないという議論は私にしてみればバカバカしいものだと思う。しかし、とにもかくにも自分たちで言い出した基準をこえてしまう事態に直面したわけだ。すると今度は何を言い出したか。NHKのニュースを引用すると、
これについて、国の原子力安全・保安院の森山善範原子力災害対策監は、「80度を示した温度計は大きく変動を繰り返していて、異常があると考えられる。原子炉そのものは、ほかの場所でも複数の温度計で測っていて、温度は高くなく、今の段階で『冷温停止状態』に問題ないと考えている」と話しています。 原子力安全・保安院は、東京電力に対し、原子炉の温度を把握する方法について、80度を超える数値を示した温度計を監視の対象から外すことも含めて検討し、報告するよう指示したほか、専門家からも意見を聞くことにしています。

これは凄い! 

そもそも温度上昇していた計器をなかったことにするというのだ。

しかし、考えてみればこの不都合なことはすべて「なかったことにする」というヤリ口こそが、原子力マフィアの体質なのである。

原発の建設予定地の周辺に地震の活断層があっても、なかったことにする

過去、原発立地点に地震による大津波が何度も起きていることは歴史が証明しているのに、なかったことにする

原発を運転すれば、放射性廃棄物が出てくるが、その最終処分地など日本中のを見渡してもどこにもない。しかも、この廃棄物は十年や二十年管理すればいいというものではない。千年、万年単位での管理が必要なのである。その処分地がない。すると原子力マフィアはどうしたかというと、「いつかなんとかなるだろう。どうせ自分たちの死後のことは知ったことではない」ということで問題を先送りにする。つまりそんな問題はなかったことにする

あるいは原発で働く下請け、孫請け労働者。原発を運転する上で、実はもっとも重要な仕事をしているにもかかわらず、この人たちは重層的な下請け構造のなか、被曝環境で過酷な労働をしているにもかかわらず、賃金をピンはねされている。だが、電力会社は「それは関連企業がやっていることで、自分たちの知ったことではない」とシラを切る。つまりこの問題もなかったことにする

怖ろしい産業だ。
しかもこの原子力マフィアには政府も含まれているからさらに怖ろしい。

東京電力福島第1原発事故で作業員全員が退避せざるを得なくなった場合、放射性物質の断続的な大量放出が約1年続くとする「最悪シナリオ」を記した文書が昨年3月下旬、当時の菅直人首相ら一握りの政権幹部に首相執務室で示された後、「なかったこと」として封印され、昨年末まで公文書として扱われていなかったことが21日分かった。複数の政府関係者が明らかにした。

元記事は↓
【最悪シナリオを封印】 菅政権「なかったことに」 大量放出1年と想定  民間原発事故調が追及

そして今、「官民+報」一体による史上最大の「なかったことにする」プロジェクトが進行中だ。

それが、福島第一原発事故はなかったことにすることだ。

なにしろ、この手を使えば、天文学的な額になる補償もなかったことにすることができる。

従来の法律に則れば広大な地域で人が住めなくなるが、それを認めてしまえば、もはや原発など一基も動かせなくなるから、なかったことにする

究極の無責任が、現に今、この国を支配している。

そして、この状況が続く限り、近い将来、放射能の影響による凄まじい健康被害が起きても、政府、電力会社はすべてなかったことにすることは間違いない。

もっとも、私はこれがいつまでも続くとは思っていない。

かつて旧ソ連がチェルノブイリ事故から5年後に崩壊したように、日本もそのぐらいのスパンで体制が崩壊するのではないかと予測している。

なぜなら、これから起こる放射能の被害というのは大変なものになるはずで、もはや「なかったことにする」ではすまされないレベルになることは間違いないからだ。

ここで話は突然、飛ぶが、先週末、ブログ「くろねこの短語」のくろねこさんと一献傾けた。

くろねこさんと私とは大変に主義主張が似ているので、意気投合することが多く、今回もいくつかの点でまったく同じ認識だったのだが、その一つが「これまで日本は少なくとも経済的には世界で一流だったけど、福島第一原発事故が起きてしまったことで、三等国以下に転落せざるを得ない」ということだ。

原発が、それも複数機事故を起こしてしまうということは、歴史上、あり得なかったことで、いったいこの事故がいつ結末を迎えるのかは誰もわからない。未来に生きる、たとえば数百年、あるいは千年後の人びとでさえ、この影響に苦しむことは間違いない。それほどに日本の国土は汚れている。

杜甫は「国破れて山河あり」と書いたものだが、原発破れて山河なしなのだ。

野田政権は消費税を増税することで、将来の世代にツケを残さないようにするなどといっている。

しかし、であれば何よりも最優先されなければならないのは、とにかく福島第一原発事故の被害、影響を現状、できうる限り小さくするために全力を投入することである。

それこそが政策のフォースト・プライオリティでなければならない。

少し前に、消費税増税の見え見えの複線として、厚労省が少子化のデータを持ち出したことがあった。これをメディアは一斉に垂れ流していたものだが、はっきりいって今後起きる少子化はそんな政府予測の比ではない。

なぜなら、原発事故は若い人たちの出産意欲に間違いなく大きな歯止めをかけるはずだから。

それを少しでも食い止めるには、とにかく福島第一原発の事故に真正面から立ち向かうしかなく、そのためにいくらかかるかわからないがカネを投入するしかない。しかし、これにはいったいいくらかかるかわからない。

となると――。

もはやこれまでのような享楽的な暮らしはもはやできず、本当のことを知った国民は驚愕するかもしれない。

だが、それも仕方がない。

なぜなら、それが原発事故というものであって、それを許容してきたのが今生きる人なのだ。

もちろん、「そんなことは知らなかった」という声が出てくるだろう。しかし、将来世代の人たちから見れば、そんなことは関係ない。

もちろん、国民をさんざん欺いて原発を推進してきた人間こそ超A級戦犯だが、それを見抜けなかった人もまた不作為の罪があるのであって、立派な戦犯なのだ。

長くなってしまったが最後に一つ。

しかし、そういう原発事故の本質をきちんと掴んでいる政治家がいないわけではない。

私は↓の動画を見て、なるほど、この人は真っ当な意見の持ち主だが、だからこそ日本の現在の権力構造は何がなんでもこの人物を排除したいのだなと思った。

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