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サマータイムは、よく考えて

政府は、2020年東京五輪・パラリンピックでの暑さ対策として、サマータイム(夏時間)導入に向けて検討することになりました。大会組織委員会会長の森喜朗元首相や遠藤会長代行が、首相官邸を訪れて、サマータイム導入を求めました。

安倍首相は「内閣としても考えますが、ぜひ(自民)党の方で先行して、まずは議論してみてください」と応じた、と報じられています。いつも首相を支えている菅官房長官は「国民の日常生活に影響を生じる。大会までの期間はあと2年と限られている」と慎重な姿勢を繰り返していて、内閣でも足並みはそろっていません。

五輪・パラリンピックの暑さ対策なら、競技時間を早めればよいと思います。例えば、マラソンは朝7時にスタートしても、ゴールする頃には猛暑になるといわれていますので、2時間早めて5時スタートにすればよいと思います。

競技時間を変えればよいのに、五輪・パラリンピックの暑さ対策としてサマータイムを導入することには、多くの国民の理解が得られないと思います。サマータイムは、主要7ヶ国(G7)では、アメリカやカナダの一部の州をのぞいて、導入していないのは日本だけでは、あります。

欧州は3~10月に1時間早める運用をしています。しかし、これまでもサマータイム導入の話は、たびたびあり、私が国会議員をしている時にも、推進する議員連盟ができたりしていますが、日本では弊害の方が大きいとして、見送ってきています。その時の議論では、日本列島は縦に長く、日の出日の入りに南北で大きな差があり不適当ということや、朝早くから働いて夕方早く仕事を切り上げるというが現状からして朝早くから夕方遅くまで働くことになり過労になる、等の理由があったと記憶しています。

また、コンピュータのシステム変更の大変さと障害が出る恐れ、それにかかる膨大な費用の問題もあり、導入するにしても、2年間では混乱が予想され、もっとじっくり考える必要があると思われます。戦後間もなく、連合軍総司令部の指示で、夏時刻法が制定されたことがありますが、5~9月の標準時を1時間早めたところ、1時間早く働き始めて、終業時間は変わらない職場が多く、国民に不満が募り、4年間で廃止されました。

また、近年、緯度が高い国で夏の日照を有効活用するためにサマータイムが導入されていますが、冬時間と夏時間の切り替え時に、従来の想定以上に睡眠と健康に影響を及ぼしている、という研究結果が出ています。日本睡眠学会も、今でも短い日本人の睡眠時間をさらに削り、健康障害を広げかねない、と警告している、ということもあります。

酷暑の日本で夏に開く東京五輪・パラリンピックの運営のために、様々な工夫が必要だと思いますが、サマータイムを導入するというのは安易すぎます。

もしサマータイムの導入を考えるとすれば、例えば、、地球温暖化防止、低酸素社会をつくるために導入するのはどうかなど、時間をかけて、よく考えることが必要な問題だと考えます。

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