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バレンタインデーの「友チョコ」はどうして登場したのか?

来週火曜日の2月14日はバレンタインデーです。我が家では昨年まで小学生だった下の子がチョコをいっぱいもらって来ていたんですが、昨春から男子単学の中学校に進学しましたので、今年は望み薄のような気がします。

エコノミストの端くれとしてデータを調べたことがあるんですが、世間一般でバレンタインデーにチョコを贈る習慣は1970年代後半から始まっていると私は理解しています。上のグラフがその根拠です。何をプロットしているかと言えば、総務省統計局の「家計調査年報」のデータを取って、1世帯当たりチョコレートの年間消費額のうち、月別で2月のシェアを計算しています。

1975年くらいまで2月のチョコレート消費額のシェアは年間総消費額に対して10%前後で、特に多くもなかったんですが、グラフに見られる通り、1970年代後半からグングンと比率を上昇させ、バブル直後の1992年には、チョコレートの年間消費額のほぼ1/3が2月に集中して支出されるようになります。その後、バブルの崩壊とともに、このチョコレート消費の2月集中度は10年かけてゆっくりと低下し、2002年には1/4を割り込んだ後、今世紀に入ってほぼ1/4である25%前後で推移しています。

チョコレートは必需的消費というよりも、どちらかと言えば選択的消費に入ると私は考えているんですが、同じく総務省統計局の「家計調査年報」から取った1世帯当たりの年間消費額は上のグラフの通りで、生活実感に近い名目消費額は景気循環に従って少し波を持ちつつも、着実に増加していますが、何せ原料がカカオという国際商品市況に伴う価格変動の激しい農産物ですから、物価上昇率で調整した実質消費額は最近数年で低下傾向にあるのが見て取れます。

決して陰謀史観の影響が強いわけではないものの、私だけでなく、直観的に、バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣はチョコレート業界の宣伝の賜物であると理解している人は少なくないと思いますが、この販売不振を挽回する手段として「友チョコ」なるものがチョコレート業界の販売戦略のひとつとしてクローズアップされているんではないか、という解釈も可能ではないでしょうか。また、もうひとつのターゲットは、世間でまったく注目されていない「父チョコ」なんですが、コチラは人数も限られるし、すでにかなり広まっていて、先行きの成長性は「友チョコ」に劣るような気もします。

「友チョコ」の次は「自分チョコ」である、と大胆に予想しておきます。ということで、楽天リサーチ「バレンタインに関する調査」を引用して、「友チョコ」の伸びを見ると以下の表の通りです。

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私は国際派のエコノミストですから海外勤務の経験もあり、キリスト教国のチリやイスラム教国のインドネシアに住んだことがありますが、バレンタインデーにチョコを贈る習慣は見かけたことがなく、日本だけの特殊な風習めいたものである気がします。今年のバレンタインデーやいかに?

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