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長嶋茂雄氏 胆のうの機能低下で緊急極秘入院の不安

【緊急入院した長嶋さん(写真/共同通信社)】

 東京・田園調布の2階建ての戸建て住宅。8月上旬のある平日の正午前、その豪邸の前に車を止め、手を合わせて頭を垂れ、何かを一心に祈っている背広姿の男性がいた。頭を上げると、その視線はどこか遠く、表情には寂しさを湛えていた。そして、深々と一礼すると、車で走り去った。炎天下で男性が熱心に手を合わせていたのは長嶋茂雄さん(82才)の自宅だった。

 ここ最近、長嶋さんの車が毎日慌ただしく出入りするようになった。乗っているのは運転手だけで、助手席や後部座席には誰も乗っていない。荷物を運んでいるようだ。

 車の行き先は東京都心にある大学病院。錦織圭(28才)や羽生結弦(23才)などVIPアスリートが通うセキュリティーが充実した病院で、長嶋さんもかかりつけにしており、万が一の事態に備えていつも病室をおさえているといわれている。その上層階にある一室に、ミスターが緊急入院したという──。

 7月8日は北海道千歳市の「ザ・ノースカントリーゴルフクラブ」で開催された男子プロゴルフトーナメント『長嶋茂雄招待セガサミーカップ』の最終日だった。

 2007年に大会名に冠されて以降、大会名誉会長である巨人軍終身名誉監督の長嶋さんが最終日に来場して、1番ホールのティーグラウンドでスタートする出場選手を見送ることが恒例となっていたが、今年はその姿がなかった。

「2007年以降、長嶋さんが欠席するのは初めてのことでした。理由は風邪の影響と説明されましたが、何日たっても回復したとの話が届きません」(スポーツ紙記者)

 14年前に脳梗塞で倒れた不安がよみがえる。もしや──長嶋家の知人が話す。

「もう2週間以上前でしょうか、病院に運び込まれました。脳梗塞の再発というわけではなく、高熱とともに、がまんできないほどの腹痛を訴えて、内科にかかったようです。肌や目が黄色くなる『黄疸(おうだん)』の症状が出ていたので、肝臓周辺の急性の疾患のようでした。緊急で検査を行うと、肝臓のすぐ近くにある『胆のう』の調子が悪いことがわかったそうです。体調の波はありますが、黄疸の症状はなかなか抑え込めず、これ以上悪化すれば命の危険もある容体が続いています。さすがの体力と精神力でなんとか持ちこたえてはいますが…」

◆黄疸はどんな症状をもたらすか

 長嶋さんを襲った黄疸は、肝臓から排出される消化液の「胆汁」が、何らかの理由で十二指腸に流れていかず、肝臓にたまってしまうことで起きたとみられるという。東京大学医科学研究所附属病院の釣田義一郎医師(消化器外科)が解説する。

「黄疸は、肝臓から十二指腸までの間の胆管が腫瘍や結石で詰まってしまうことにより起こります。脂っこいものを多く口にする人や、高齢者に多い病気です。70~80代で最も多く診断されます」

 長嶋さんの場合、胆汁をためる胆のうの働きが鈍くなり、胆汁をうまく排出できなくなったことで、胆のう内に胆汁が石化した「胆石」ができたという。実は、高齢者の5人に1人は胆石を持っているので、それだけなら「サイレントストーン」と呼ばれ、痛みもなく、重症化もしない。しかし、その胆石が胆のうから転がり出て、「胆管」に詰まると厄介だ。

「胆管に結石が詰まると、まずは腹痛や背中痛、発熱などの症状を起こします。さらに、胆汁が腸の方に流れなくなるので、肝臓にたまってしまいます。肝臓にたまった胆汁の有害な成分の一部が血液に入るため、脳や肝臓といった臓器に悪影響を及ぼします。症状としては、眼球や肌が黄色くなり、全身のかゆみが止まらなくなる。さらに重症化すれば、肝臓の細胞が壊れていき、意識が混濁していきます。

 もし10日以上、集中治療を施しても、なかなか黄疸の症状が抑えられなければ、肝臓がかなり弱っている『肝不全』を起こしている可能性もあり、命にかかわる状況といえるでしょう。また、胆管が結石で詰まると細菌が入り込み、『胆管炎』を起こすこともあります。それも命にかかわる危険性があります」(釣田医師)

 長嶋さんは7月中旬頃に黄疸の症状が出て、病院に運び込まれたようだ。すぐに緊急処置が施されたものの、少なくとも8月上旬の時点では病状は一進一退を繰り返しているという。

「考えられる原因は処置したはずなのに、なぜか黄疸の症状がおさまらないようです。長嶋さんももう82才ですから、肝臓や胆のう自体の機能も低下しているのかもしれません。なんとか治療の突破口を探している状況です」(前出・長嶋家の知人)

 その容体については箝口令が敷かれ、情報はごく一部の人にしか伝えられていない。お見舞いに訪れる人もなく、病室には時折、医師がバタバタと出入りするだけだという。

◆夢は東京五輪の聖火ランナー

 長嶋さんの病状について、次女の三奈さんが代表を務める個人事務所・オフィスエヌに問い合わせたが、「何もお話しできません」と言うのみだった。

 振り返れば、ミスターはこれまで何度も奇跡を起こしてきた男だ。現役時代の1959年には、プロ野球界初の天覧試合でサヨナラホームランを放った。監督時代の1996年には、首位・広島東洋カープとの最大11.5ゲーム差を逆転してリーグ優勝を果たし、「メークドラマ」が流行語となった。脳梗塞後も、常人離れしたリハビリに励んで驚異的な回復を見せた。

「通常は1日2時間が保険で規定されるリハビリ時間ですが、長嶋さんは3時間の個別リハビリとさらに2時間の自主訓練をしていました。健常者でも音を上げるほどの壮絶なリハビリをこなし、歩けるようになりました。

 それからというもの、毎週3回は理学療法室のランニングマシンで汗を流し、ペダル漕ぎやショルダープレスなどの筋トレを行っていました。自宅に戻ったのちも厳しいトレーニングを日課として、カラオケを使って言葉のリハビリにも励みました」(球界関係者)

 昨年、都内のリハビリ病院で何度も長嶋さんを見かけたという60代男性が語る。

「上半身を器具でつられながら、ランニングマシンで歩くリハビリをしていました。長嶋さんはいつも一般人と同じフロアにいて、3人ほどのスタッフに囲まれながら3~4種類のメニューを1時間半程度こなしていました。偉大なるミスターが人目もはばからず、必死の形相で汗を流す姿に心が揺さぶられました」

 長嶋さんには大きな目標があるという。

「実は、2020年の東京五輪を目標にしているんです。1964年の東京五輪は(妻である)亜希子さんと知り合うきっかけになりましたし、脳梗塞で倒れるまではアテネ五輪で野球代表監督を務める予定だったなど、ミスターは五輪への思い入れが人一倍強い。だから東京五輪までに体力を回復し、聖火ランナーを務めたいと頑張っていた」(ベテラン記者)

 永遠に不滅の男は、闘魂を込めてベッドの上で闘っている。国民的スターの「メークドラマ」はまだまだ続くはずだ。

※女性セブン2018年8月23・30日号

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