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韓国野党がFTA破棄を米に宣言したことに関する感想

 『産経新聞』が「韓国野党『FTA破棄』 政権奪取意欲、米に宣言」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 韓国野党が破棄を宣言

 内容は「韓国の野党陣営が4月の国会議員選挙や12月の大統領選に勝利した場合、米国と締結した米韓自由貿易協定(FTA)を破棄すると“宣言”し、その書簡を在韓米大使館を通じオバマ大統領に送った」というものです。

 韓国国内でFTAへの反対運動が起こっていること等はニュースなどで知っておりましたが、ここまでやるかというのが、私の偽らざる感想です。

 かなりひどいことをしたわけですが、国と国との関係と考えるとイメージがつかみにくいので、国を会社に、政治家を取締役に置き換えて考えてみたいと思います。


2 会社と国の相関性

 行為主体は会社(国)ですが、法人ですので、実際に意思決定を行うのは取締役(政治家)です。 取締役(政治家)が営業方針(政策)をどのようにするか決定して、取引先(相手国、今回はアメリカ)と契約を締結しますが、社長(韓国なので大統領)など経営陣(与党)が交替した時、営業方針(政策)が変更になるのはよくあることです。

 もちろん、新しい経営陣(新与党)は自分たちの主義主張に基づいて会社(国)を運営していく権利を有しております。そのため、営業方針(政策)を変更すること自体は何の問題もありません。

 しかし、新しい会社(国)を立ち上げたわけではないので、これまで会社(国)が締結した契約は、社長(大統領)が交代したとしても、会社(国)という法人が締結した行為なので、それ以降も会社(国)を拘束することとなります。

 仮に社長が交代する毎に、以前の契約は社長が変わったのだから無しにしてくれ、などという話になれば、このような会社を誰もが相手にしないことは言うまでもありません。


3 契約の一貫性

 実際、商法(会社法)では、取引の相手方を保護するために、表見代理の制度まで設けて、たとえ会社内部の意思決定に問題があったとしても、それを善意の第三者たる取引先には主張できないようにしております。

 そのため、通常、会社が以前自分で行った契約を取り消したいという場合は、取引先などに十分自社の事情などを説明した上で、相手に迷惑をかけたのなら、損害賠償なども視野に入れつつ、話を進めるのが筋かと思います。

 そのため、今回の事案も現在の野党が選挙で勝った後、アメリカと交渉をして、契約先であるアメリカに、契約破棄という多大な迷惑をかけることとなるので、謝罪なりそれなりの見返りを提示しつつ、交渉するのが筋ではないかと考えます。

 今回の事案を先の会社の例に置き換えると、反対派の取締役の代表が、まだ社長でも何でもなく、単なる代表権を有しない取締役にしかすぎない段階で、次の取締役会で多数派を獲得したら、契約を破棄すると取引先に通知したようなものです。


4 組織に対する不信任

 こうした事例を見ると、ギリシャが支援の条件として求められた財政緊縮策について、政府だけでなく、連立与党の同意も条件とされたことなどが連想されますが、これも取締役会の合意だけではだめで、全取締役(ギリシャは現在大連立内閣)から合意をとらなければだめだと言われているのと同じで、かなり恥ずかしいことと考えます。

 果たした韓国が今後このような形になるかどうか分かりません。しかし、日本でも今の民主党政権を見ていると、一人一人がかなり勝手に発言しており、誰が最終責任者で、誰の発言を信用して良いのかわからないことが良くあります。

 願わくは、日本がこうした恥ずかしい状況に陥ることだけはないようにと思ったが故の今日のエントリーでした。

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