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誰も知らない24業種企業年金ランキング

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データが表に出てくることの少ない「企業年金」の情報。「あの有名企業はたくさん貰えるらしい」「公務員は優遇されている」など噂程度でしか知らないのが実情だろう。今回編集部では、そんな企業年金を徹底取材。専門家やOBに、実態を聞きに行った。

※本稿は、雑誌「プレジデント」(2018年1月1日号)の特集「老後に困るのはどっち?」の記事を再編集したものです。

■大企業の平均退職金(退職一時金+企業年金)は約3060万円

会社員には、企業が独自に年金を支給する「企業年金」制度がある。だが、退職後にいくら受け取れるのかを知っている人はほとんどいないだろう。企業年金は退職金のなかに含まれており、自分の退職金がいくらになるのか知らない人も多いのではないか。

東京海上日動火災保険 401k事業推進部担当部長 佐藤政洋氏

退職金は一般的に退職一時金と企業年金の2つで構成され、企業年金は確定給付年金と確定拠出年金(日本版401k)の2つがある。確定給付は受け取る年金額を会社が保証するものだが、確定拠出は会社から拠出された掛け金を社員が自分で運用し、運用次第で年金額が変動する“不確定給付年金”だ。といっても企業規模など会社によって企業年金がないところもあれば、退職金額が違うなど大きな格差が存在する。

人事院の調査(2017年4月)によると定年退職者全体の平均退職金は約2460万円(勤続38年)。そのうち退職一時金が1006万円、企業年金が1454万円。従業員1000人以上だと退職金約3060万円。退職一時金が約1008万円、企業年金が2052万円になる。一方、100~499人の企業は一時金818万円、企業年金842万円の計約1660万円と大企業と1000万円超の格差がある。

しかもすべての会社に企業年金があるわけではない。退職一時金のみの企業が全体の48.3%、企業年金と一時金を併用している企業は39.6%とバラツキがある。従業員1000人以上の企業はさすがに67.5%と併用型であるが、100~499人は44.6%が一時金のみであり、企業年金がない企業も多く、その比率も近年増加している。

その理由について東京海上日動火災保険の佐藤政洋401k事業推進部担当部長は「中小企業向けの適格退職年金制度が12年に廃止されました。もう1つの厚生年金基金も解散やほかの企業年金への移行を促す法律が、14年に施行された。本来であれば別の年金制度に移ることになるのですが、積み立て不足や資金不足もあって、企業年金自体をやめる中小企業が増えた。社員にとっては定年後に受け取るはずの給付の約束がなくなってしまうことになる」と指摘する。

■退職金、同期入社で最大1800万円差

大企業の場合も企業年金があるからと安心してはいられない。企業年金と一体となった退職金が3000万円といってもあくまで平均額。実際は個々の社員によって退職金は違う。従来の退職金額は「退職時基本給×勤続年数×退職事由別係数(自己都合もしくは会社都合)」という数式で算出され、入社年次が一緒であれば、ほぼ同じ退職金をもらうことができた。しかし、今では勤続年数など年功ではなく、社員の等級・職位や業績を反映した成果型のポイント制退職金制度を導入する企業が増えている。

佐藤担当部長は「退職時の基本給を算定基礎とした場合、若い頃の成果は考慮されにくい。勤続ポイントだけではなく、昇格・昇級ポイント、業績ポイントをそのつど付与し、ポイントを積み上げていくポイント制退職金が近年では多く、大企業の主流になっている。したがって同期入社でも退職金は全然違う」と語る。ポイント制の退職金額は累積ポイント×ポイント単価という単純計算で決まる。

実際に経団連の調査(17年6月)ではポイント制を導入している企業が81.6%と最も多い。ではどれぐらいの格差がつくのか。ある大手電機メーカーでは昇格ポイントと勤続ポイント、業績ポイントがあり、1ポイントの単価は9000円。同期で入社し、最も昇進が早かった社員の退職金額は2856万円。昇進が遅い社員は1091万円。じつに2.6倍以上の格差がついている。

対象的なのが公務員の退職金だ。公務員は以前の民間企業と同様に基本は年功であり、公務員の8割を占める地方公務員の退職金は約2300万円(行政職)だ。

企業年金は公的年金を補完する老後の所得保障のための制度といわれるが、存在感が薄れつつある。日本の年金制度は「3階建て」といわれ、1階が国民年金、2階が厚生年金でここまでが公的年金で、3階が企業年金になる。自営業者は国民年金しかもらえないが、会社員は国民年金と厚生年金が支給され、その合計平均月額は22万1277円(厚生労働省、17年度)。このなかには専業主婦の妻の国民年金の分も含まれる。保険料未納期間があるとこの金額よりも減るが、それでも夫婦で20万円ちょっとでは老後の生活は厳しいだろう。頼りになるのは企業年金だが、確定給付年金の1人当たりの平均年金月額は約7万円(厚生労働省調べ)。合計で30万円にも満たない。もちろん企業・個人間の格差も大きい。

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