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仏、逆ギレセクハラ男 女性殴る

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トップ画像:マリ・ラゲルさんがカフェで男性に殴られた瞬間の映像(左の赤い洋服)出典 Marie Lagueera facebook

Ulala(ライター・ブロガー)

フランス Ulala の視点」

【まとめ】

・路上ハラスメントを受けたパリの女子大生が殴られた動画を配信。

・仏で審議中の「路上ハラスメントに対する法案」が可決された。

・1962年には東京都で「迷惑防止条例」が制定され全国に拡大。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全部が掲載されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=41382でお読みください。】

道を歩いていただけなのに、卑わいな言葉を投げつけられる。最悪の場合は暴力も振るわれる。これがいわゆる路上でのハラスメントの一つだが、今回、フランスの勇気ある女性がこの一連の路上ハラスメントの様子をSNSに動画を投稿し、世界中に大きな衝撃を与えた。

動画を投稿したのは、フランス・パリに住む22歳の建築学を学ぶ大学生のマリ・ラゲルさん。彼女がパリ19区の大通りのカフェを通り過ぎて家に向かっている時、男が口笛を吹いて性的冗談を言って通り過ぎたため、ラゲルさんは「うるせえ」と振り返りもせず言い返してそのまま歩き続けたところ、その言葉を聞いた男は逆上し、カフェのテーブルの上にあった灰皿をラゲルさんに投げつけた。運よく灰皿は当たらなかったものの、男はそのままラゲルさんを追いかけていき、顔を殴りつけたのだ。その衝撃が強かったことは、殴られてふらつくラゲルさんの様子からも伝わってくる。目撃したカフェテラスの客は立ち上がり、椅子を持ってこの男と言い争いになったが男性は行ってしまう。そして、ショックを受け動揺したラゲルさんもそのまま立ち去ったのだ。


ラゲルさんがFacebookにあげた動画

しかし、家に戻り正気に戻ったラゲルさん。このままで居てはいけないと、20分後に再びカフェに戻り、証拠のビデオを手にいれ警察に被害届を出した。そして、SNSを通して動画をネットに配信した。動画はフランス国内だけはなく、世界中にツイッターなどで拡散され、320万回以上再生され、フランスの新聞パリジャンをはじめとするメディアも、「映像に残された証拠」との見出しで1面で事件は報道されたのだ。

Facebook上でも語っているが、ラゲルさんも路上ハラスメントも初めてのことではなかったし、その日は疲れていたこともあり男が言う言葉に反応して言い返してしまったが、まさか男に聞こえていたとは思っていなかったと言う。しかし、その後、男が自分に向かって歩いて来た時、逃げずにむしろ近付いた。「殴られると思った。あの雰囲気では明白だった。しかし、その状態では家に帰ったり、逃げたりする選択肢はなかった。立ち向かわなければばいけないと思った。」とパリジャンのインタヴューに答えている。

動画公開後は、100人以上からメッセージをもらい「私も同じ目にあった」「私もあの時同じことをすればよかった」と同様の被害にあった女性からの告白や、励ましのコメントを受け取った。ラゲルさんは、この動画を手に入れることができたことは幸運に恵まれていたと言う。通常はこういう事態が起こっても映像として残っていることなどほとんどなく、今回、事実を映し出した動画を公開することで、全ての女性に、多くの人に、「事の重大さ」を伝えることができたのだ。

確かに、男の言葉に対して言い返したことを非難する人も居る。男性が女性を人として扱っていないかのような言葉を先にかけたことには触れず、「なぜ彼女は汚い言葉で言い返したのか」と責める人もいる。しかし、メディアを含め大多数は、ラゲルさんの取った行動を称賛する声の方が大きかった。

「何も答えなければいいと言うものでもない。」42歳の女性はこう語る。ある日男性が「僕のかわいい蝶々」と言ってきたので無視したが、私が何も答えないので、さらに男性が侮辱の言葉放ちはじめた。そこで、躊躇(ちゅうちょ)はしたが引き返しその男性に説明を求めたところ、恥を感じる人物は、私から男性側になったのだ。

「その日から私は口を閉じません。」

そういった多くのメッセージを受け、ラゲルさんは、「道端や職場、プライベート」での被害の報告を集めることを目的としたサイト、「Nous Toutes Harcelement(われわれは皆嫌がらせを受けている)」を立ち上げることにしたと言う。匿名で、受けた被害を自由に語れる場を提供する。

また、この出来事を受け、フランスで審議中だった「路上ハラスメントに対する法案」が迅速に可決された。今回の衝撃的な動画を受け、政府関係者の中にも「緊急性」があり、「強固に対応しなくてはならない」と感じた者も少なくなかったと言う。この結果、ようやく、フランスにも公的空間における女性の監視、誘拐、屈辱、脅迫を明確に禁止する法律ができたのだ。

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