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地上イージス導入は見直すべき

防衛省は、先月30日に、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基の配備費用が、総額で約4664億円になる見通しを明らかにしました。

アメリカの航空機大手ロッキード・マーチン社製の最新鋭レーダーを搭載しますが、金額は当初の想定から1基あたり約1.7倍になっています。当初はレーダーも含め1基800億円と試算されていました。ところが1基当たり約1340億円に膨れ上がり、導入後30年間の維持・運用費(約1954億円)などを加えて約4664億円になりました。日米両政府間で取引する有償軍事援助(FMS)で調達するため、金額は売主のアメリカ側の言い値になりやすく、さらに増え、6000億円近くに膨らむ可能性もある、と報じられています。

また2023年度予定だった運用開始も、アメリカ側の事情で大幅に遅れる方向、ということです。もともと北朝鮮情勢が緊迫していた昨年末に、政府は、北朝鮮の核・ミサイル開発を「重大かつ差し迫った新たな段階の脅威」と位置付けて、陸上イージスの導入を決めました。しかし、その後、南北首脳会談や米朝首脳会談によって、東アジア情勢は、緊張が緩和しています。

陸上イージスの配備候補地の秋田市と山口県萩市でも、住民の理解が得られていないことから、地質調査などの一般競争入札手続きが、8月2日から9月12日に延期されています。秋田県と山口県にある陸上自衛隊の演習場を配備候補地としていて、2018年度予算には整備費7億円が計上されています。政府が導入に固執するのは、昨年11月にトランプ大統領が来日した際、米国製軍事装備の大量購入を日本に迫った経緯があります。

しかし、アメリカの要求に応えるために、イージス・アショアがテロの標的になるのではないかなどの懸念から配備反対論が広がっている候補地の理解も得ないまま配備を強行することは、あってはならないと考えます。配備ありきではなく、地元や国民の声をよく聞き、配備に前のめりにならずに、導入を見直すべきだと思います。

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