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今回の日銀の金融政策修正の方向性はこれまでと異なる。これにどのように日本国債は反応したのか

 日銀は7月31日の金融政策決定会合で、「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」策を決定した。その内容は政策金利のフォワードガイダンスの導入、買入国債の利回りの変動幅と買入額の柔軟化、ETFやJ-REITの買入れ額の柔軟化、マイナス金利が適用される残高の減少などがメインとなる。

 この発表を受けて、日本の債券市場では債券先物主体に大きく買い戻された。日銀が頑なな緩和策を柔軟化するのではとの見方が市場で強まり、債券市場では債券先物だけでなく、現物債もショート、つまり空売りがかなり積み上がっていたとみられる。30日の指し値オペで1.6兆円もの応札があったが、その一部もショートではないかとみられていた。

 噂で売って現実で買うという相場の格言もあるが、31日の決定会合終了直後の動きはそれとはやや違ったものとみている。

 日銀は緩和政策の柔軟化、つまり方向からすれば、緩和策の強化ではないものを決定するとみられていた。ところが、公表文のタイトルが「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」と、いかにも緩和強化とも取れるものとなり、そこに消費増税を絡めたフォワードガイダンスの導入も入り、現在の異次元緩和をさらに続ける意志表示と、特に海外投資家は受け取った、もしくはAIがそのような判断を下したとみられる。

 海外投資家の参加が多い債券先物取引で、HFTと呼ばれるAIなどを使った高速取引でのショートカバーの動きが、板の薄いなかに一気に入ったものと思われる。これをみて国内の業者もある程度の買い戻しを入れざるを得なかったものとみられる。

それによって10年債利回りは0.090%あたりから0.045%と一気に利回りが半分になってしまった。債券先物は150円24銭を安値に150円80銭まで上昇した。

 買い戻し一巡後は次第に冷静になって、市場参加者はあらためて今回の日銀の修正項目を確認したと思われる。今回決定したのは「強力な金融緩和継続のため」ではあるが、その「枠組み」は「強化」というよりも「柔軟化」していた。

10年国債利回りの0.2%までの上昇容認、国債買入額のさらなる柔軟化、ETFやJ-REITも買入れ額を減らせることになり、マイナス金利が適用される残高の減少により、短期金利もある程度上昇してくることも予想されるのである。

 今回の公表文のタイトルはいかにも、強気の姿勢を示したようにみえるが、内容はそうではない。公表文のタイトルが変更されたことで、ある意味政策変更とも言えるが、その方向性はこれまでとは異なる。

 そして、長期金利については経済や物価情勢、さらには米国などの海外金利情勢に応じて市場で形成される余地が拡がった。日本の経済実態、消費者物価指数もコアは前年比プラス0.8%となっており、長期金利がゼロに張り付く必然性はない。となれば何が起きるか。それは8月1日の債券市場の動きが示している。

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