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サイコパス的創業者の明暗を分けるのは何か?スティーブ・ジョブスとエリザベス・ホームズの考察


全く存在しない技術のベンチャーTheranosで7億ドルを調達したことで話題となったエリザベス・ホームズだが、彼女はスティーブ・ジョブスを崇拝し、彼に倣っていつも黒のタートルネックを着ていることでも有名だった。

ジョブスも若い頃はそれはそれは酷い人だったことで知られ、共同創業者のウォズニアックはジョブズの葬式に行かなかった。 一緒に行ったプロジェクトで利益を半々に分けることになっていたのに、ジョブスが裏で数字を操作していて騙されたとのことで「金が必要だったら言ってくれればあげたのに」とウォズニアックが何かのインタビューで言っていた。アップル社 でも、エレベーターにジョブスと二人で乗り合わせただけでクビになった社員がいたとか。

なぜジョブスが成功して、エリザベス・ホームズは何の実績もあげられなかったのか。

ひとつには、エリザベス・ホームズが若すぎたということもあると思う。まだ大学に入ったばかりの19歳の彼女には、複雑な生化学領域で、何が技術的に可能なブレークスルーなのかを判断するのは難しかったはずだ。

ただ、それ以上に私が思うのは、「スティーブジョブスが成功したのは、彼のタイミングが、コンピューターの技術革新スピードと絶妙にあっていたから」という時代要因だ。

「集積回路上の半導体の数は2年ごとに倍になる」というムーアの法則があるが、それをグラフ化したのがこちら.

(created by Max Roser)

一方、最初にジョブスとウォズニアック(とジョブスの妹)がパーソナルコンピュータを作り始めたのは1976年、有名なテレビコマーシャルと共にマッキントッシュが発売されたのが1984年。


1984年CM

iPod が世に出たのが2001年、 iPhone が世に出たのは2007年。ということで、一号機からiPhoneまでは、まさにムーアの法則が最も綺麗に右肩上がりになる時期と綺麗に重なっている。


こうした、コア技術の著しい進歩という背景があったからこそ、それまで「できそうでできなかったもの」「できたけれどイマイチだったもの」をコンセプトとして押し出し、それを世に広めるエバンジェリストであるジョブスのような人が成功できた。

一方エリザベスホームズが目指した「一滴の血液で数百種類の血液検査を可能にする」というゴールは技術的に不可能だった。 血液検査と一言で言っても、その基本的な検査原理は複数あり、それぞれに複雑な技術的ハードルがある。 また血液はいろいろな物質が混じり合っていてなかなか綺麗に特定の物質だけを検出して測定するのが難しい。そこにはムーアの法則に相当する「追い風」はなかった。

エリザベス・ホームズは、ある意味超人的なスキルを持った人だ。何の技術的裏付けもなしに世界の要人を騙し、7億ドルを調達するのはなかなかできることではない。もし彼女が、実現可能な技術に向けてプッシュしていればものすごいことが実現できたのではないか。

なお、(若い頃の)スティーブ・ジョブスもエリザベス・ホームズも、その行動にはサイコパス的なにおいが非常にするわけだが、サイコパスは世の中に100人に2〜3人いるとも言われている。世の中に大きな厄災をもたらすことも多いサイコパスだが、なぜかられは淘汰されていないのか。それは「激しい変化が訪れる時期には、サイコパス的な人が必要だから」という仮説もある。

その辺りなかなか興味深いと思うのであります。

参考:

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