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国連、深刻な資金不足—SDGs活動の推進に影響も


国連がかつてない財政難を迎えている。81カ国の国連加盟国の分担金支払いが滞っており、慢性的な赤字が解消されないためだ。アントニオ・グテーレス事務総長が「国連はこのままでは破産する」と加盟国に書簡を出す極めて異例な事態となっている。分担金で最大の負担国である米国も本年分が未払いで、トランプ政権が国連を軽視している姿勢が大きいと見られている。今後のSDGs推進にも暗い影を落としそうだ。(オルタナ編集部=中島 洋樹)

現在、193の加盟国のうち、日本を含む112カ国は本年の負担金の支払いを完了しているが、残りの81カ国が7月26日現在未払いになっているという。

未払いの81カ国には、通常予算の最大の分担金22%を負担するアメリカや、アフリカ諸国のスーダン、アンゴラ、中東諸国のイラン、シリア、東アジア諸国の北朝鮮などが含まれている。

このような状況の中、グテーレス事務総長が加盟国の職員に対して7月25日付で書簡を送っていることが分かった。

書簡は「国連はこのままでは破産する。現金が底をつきそうな状態だ」といった内容になっており、未払いの分担金について早期の支払いと、経費節減の実施を訴えるものだ。事務総長自らが財政危機を訴えるのは異例であると言える。

ロイター通信によると、通常予算、平和維持活動を含む国連の核となる予算で1億3900万ドル(約166億8000万円)の赤字を計上しているという。

それにより国連の行っている人道支援、紛争予防などの活動にも影響が出ることが懸念されているが、SDGsへの取り組みも例外ではない。財政難問題は、SDGs活動のイニシアチブを取る国連が機能しなくなることにより、推進にブレーキをかけることになりかねない状況だ。

その中で、アメリカの未払いの影響は極めて大きいものになっている。未払いに至っている背景は昨年発足したトランプ政権の国連軽視の姿勢だ。トランプ政権は「自国ファースト」を方針に打ち出し、それにそぐわないと見る温室効果ガス排出削減を目指すパリ協定を離脱するなど、周辺との摩擦を生んでいる。

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