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昨日の川松都議との討論会について

まずはリスクをとって討論会に応じていただいた川松都議に感謝したいと思います。

はじめてお会いした川松都議ですが、私の質問には慎重に言葉を選びながら、嘘にならないように答えていただいたと思います。総じて、非常に誠実な印象を受けました。

報道とかを見ていると、政治家というのはひどい悪人ばかりしかいないような先入観を持ちがちですが、実際の政治家は人間的にも立派で魅力あるひとが多く、驚かされます。川松都議もそういう政治家のひとりだと思います。

また、そういう自信がなければ、私と直に向き合っての討論など受けなかったでしょう。

私やTTFを妨害する意図はなかったという主張も、おそらくは川松都議の主観ではそうなのだろうという説得力を感じました。

もっと早くにお会いして話していればこんなことにならなかったという川松都議の発言まで、そのまま言葉通りに信じるのは、さすがに私も人が良すぎるような気はしますが、なにか別の道はあったのかもしれないと残念に思います。

ですが、話し合いのなかでは噛み合わなかった部分もありました。

おときた議員のその後のブログ(また、乱入!)を見ても、ここはきちんと書いておかないとフェアではないと思うところを2点ほどあらためてこの場で説明をしたいと思います。

ひとつめは都知事に説明責任があるんじゃないかという意見に対してです。

私がブログに書いたような説明を堂々と都知事はすればよかった。そうすれば納得したと川松都議もおっしゃりました。

そのことをもって都知事が説明責任を果たしていないという非難は、私はフェアではないと思います。

なぜなら、今回の件における関係者の中で、もっとも潔癖な態度を一貫してとられていたのは都知事だからです。

どんな理由があろうが都民に対してうしろめたいこと、疑われるようなことは一切したくなくない都知事が思ったからこそ、私の言い分を代弁するよりも、原理原則を貫くことを優先されたということです。

川松都議はそうはならなかったとおっしゃっていますが、もし、私の件を正面突破しようとして、3月14日の川松都議の質問の時点できちんと事実を説明しても、当時の状況で、本当に批判が止んだのかは、私は疑問だと思います。私はそう思って、都知事の判断を受け入れることにしました。

ふたつめですが、私は公共事業を受託するということがどういうことなのかを分かっていなかった、というような批判についてです。

この批判ですが、暗黙の前提として、公の事業に関する支出には、民間に比べて、大きな制約があるのは当然であるというようなニュアンスが含まれていると思います。事実、そのような内容のコメントはネットにおいても多く見られますし、今回の議論の中で川松都議の発言にもあったように思います。

しかしながら、私が今回の仕事を受けて感じた印象はまるで逆であるということは、昨日の討論でも少し発言したのですが、あらためてここでも書かせていただきたいとおもいます。

公の事業に関する支出には、民間と比べて、あまりにも制約が少なすぎる。いいかたを変えると、こんなにもザルなのか、というのが私が受けた驚きでした。

もちろん形式的な制約はたくさんあり、そこだけをとれば厳格です。しかし、一定のルールを守ってしまえば、あとは非常にモラルハザードを起こしやすい穴がたくさんあるのです。

今回、ドワンゴが堂々と随意契約すればよかったんだというようなネットの意見も見ましたが、正直、ドワンゴが直接受けたとして、なにか、追求された場合に、自分たちがモラルハザードを起こしていないと証明する手段すらないという、恐怖を感じました。

ひとつ大きな誤解がネットでもあるように思いますが、直接、受注するよりも間に見知らぬ代理店が入るほうがはるかに健全です。なぜなら、別に情報公開の範囲内であれば、結局は秘密に仕事を受けるというのは不可能ですし、自由にお金を使うということはやりにくくなるからです。

もうひとつ運営調整会議というものがあり、不自然だという指摘もあったように思いますが、これも私の要求でつくっていただいたものです。東京都とアーツカウンシルに我々を信じて任せてもらえるのはありがたいが、本当に我々が悪いことをしていないかちゃんとモニタリングしてチェックしてくれる仕組みをつくってくれという要望でできた組織です。

つまりなんだか公共事業の常識も知らずにルールを破ろうとへんな仕組みをつくろうとしたみたいに思われているかたがいるようですが、事実は逆で、常識を分かったうえでもっと我々なりに後ろ指をさされることなく堂々と仕事をできる仕組みをつくろうとしたというのが事実なのです。

この2点についてはきちんと説明すべきだと思いましたので、この場であらためて書かせていただきました。

なお、私が東京都のお金の支出の仕方がルーズだと批判しているわけではないということも、申し添えておきます。ここであらためて追加ルールをつくると、さらに行政は効率悪くなって、結果、無駄遣いが増えることになりかねません。そもそものルールがおかしいという批判は簡単です。ですが、まずは現行のルールの範囲内で融通を利かせながらベストを尽くすことが大事なのだと思います。

川松都議が昨日おっしゃっていたように、なにが一番正しい入札制度なのかは、これは難しい問題で答えがでていない、という発言は、本音だと思います。私も賛同します。

最後になりますが、議員の質問に対して、相手方の当事者が議員本人と討論をおこなったというのは、これはネットにおける民主主義のあり方としても、非常に意味があったのではないかと思います。

あらためて川松都議には感謝したいと思います。

カドカワ株式会社
代表取締役社長 川上量生

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