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- 2012年02月09日 04:32
【スーパーバリュ】、リストラ800人!従来型スーパーマーケットに戦略がないのが問題?
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■アルバートソンズやカブフーズなど全米に約2,400店のスーパーマーケットを展開するスーパーバリュは8日、800人のリストラを行うことを発表した。2月25日の会計年度末までの行われるリストラは、店舗スタッフ以外の役職で行われるという。
スーパーバリュが先月11日に発表した第3四半期(9月〜11月期)では売上高が83.3億ドルと前年同期比で4.0%の減少。純損失は前年同期の2.02億ドルから、7.50億ドルと3倍以上に膨らむ結果となった。スーパーマーケット事業の売上は63.4億ドルと前年同期比で3.5%の減少、既存店・売上高前年同期比は2.9%の減少となった。
スーパーバリュの従業員数は約13.5万人。
トップ画像:スーパーバリュ傘下のアルバートソンズ。スーパー等が激戦を繰り広げるカリフォルニア州では、スーパーバリュの20%の店舗が展開している。大きな特徴のない従来型スーパーマーケットではシェアを食われるだけなのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。2月14日のバレンタインデーを前に、スーパーマーケットではハートやピンクのシーズナル商品に埋め尽くされています。一方、バレンタインデーを前後に、スーパーバリュで働く800人のスタッフに解雇通知を意味する「ピンクスリップ(Pink Slip)」が渡されるのです。店レベルのスタッフの解雇ではありませんが、ハートも何もあったものではありません。
今回のリストラ策は、企業再建を目指したものと説明しています。が、明らかに戦略の失敗のツケを従業員で払っているようなものです。スーパーバリュの売上高は2009年会計年度から前年を下回っています。四半期ベースでの既存店・売上高前年同期比では2008年の3月〜5月期から直近の9月〜11月期まで、15期連続して前年を下回っているのです。したがって、2012年度も売上が縮小し、4年連続で売上高の減少です。
⇒スーパーバリュは2009年5月、ウォルマートで役員経験があるクレイグ・ハーカート氏をCEOに迎えました。ハーカート氏はCEO就任当時、向こう5年で1,177店のディスカウント型小型スーパー、セーブ・ア・ロットの店舗数を2倍に増やす計画を発表し、「低価格戦略」路線に舵を打ち出しました。
しかし、2011年2月現在でセーブ・ア・ロットは1,280店です。鼻息の荒い計画の割りに出店速度が遅いということもありますが、問題なのはセーブ・ア・ロット以外のスーパーマーケットです。スーパーバリュではスーパーマーケット事業部もセーブ・ア・ロットとトラディショナル(traditional)と分けています。トラディショナル、つまり従来型のスーパーマーケットの戦略が見えてこないのです。はっきりとした軸を打ち出していないことで、ウォルマートやクローガー系列スーパー、プチ生鮮売り場を展開しているターゲット等にシェアを食われているのです。
⇒全米50州のうち、スーパーマーケットが最も激戦しているのはカリフォルニア州でしょう。ウォルマートやターゲットだけでなく、フレッシュ&イージーやトレーダージョーズ、コストコにサムズクラブ、スーパーマーケットでもクローガー系列のラルフス、フード4レス、セーフウェイにボンズ、最近では倉庫型ディスカウントスーパーのウィンコなども台頭しています。エスニック系に強いスーパーもありますね。
で、スーパーバリュでは従来型スーパーマーケットで、最も店数が多い州もカリフォルニア州(219店)です。店舗の約20%がカリフォルニア州に集中しています。一方でセーブ・ア・ロットはカリフォルニア州で14店ほどです。生き馬の目を抜くような大競争市場で、従来型のスーパーを続けているだけでは、競合からシェアを食われるだけでしょう。セーブ・ア・ロット出店以上に、従来型スーパーの軸を打ち出さないことには話になりません。
人減らしのリストラをしたところで、癌患者に皮膚の上から絆創膏をはるようなものでしかありません。
■アルバートソンズやカブフーズなど全米に約2,400店のスーパーマーケットを展開するスーパーバリュは8日、800人のリストラを行うことを発表した。2月25日の会計年度末までの行われるリストラは、店舗スタッフ以外の役職で行われるという。
スーパーバリュが先月11日に発表した第3四半期(9月〜11月期)では売上高が83.3億ドルと前年同期比で4.0%の減少。純損失は前年同期の2.02億ドルから、7.50億ドルと3倍以上に膨らむ結果となった。スーパーマーケット事業の売上は63.4億ドルと前年同期比で3.5%の減少、既存店・売上高前年同期比は2.9%の減少となった。
スーパーバリュの従業員数は約13.5万人。
トップ画像:スーパーバリュ傘下のアルバートソンズ。スーパー等が激戦を繰り広げるカリフォルニア州では、スーパーバリュの20%の店舗が展開している。大きな特徴のない従来型スーパーマーケットではシェアを食われるだけなのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。2月14日のバレンタインデーを前に、スーパーマーケットではハートやピンクのシーズナル商品に埋め尽くされています。一方、バレンタインデーを前後に、スーパーバリュで働く800人のスタッフに解雇通知を意味する「ピンクスリップ(Pink Slip)」が渡されるのです。店レベルのスタッフの解雇ではありませんが、ハートも何もあったものではありません。
今回のリストラ策は、企業再建を目指したものと説明しています。が、明らかに戦略の失敗のツケを従業員で払っているようなものです。スーパーバリュの売上高は2009年会計年度から前年を下回っています。四半期ベースでの既存店・売上高前年同期比では2008年の3月〜5月期から直近の9月〜11月期まで、15期連続して前年を下回っているのです。したがって、2012年度も売上が縮小し、4年連続で売上高の減少です。
⇒スーパーバリュは2009年5月、ウォルマートで役員経験があるクレイグ・ハーカート氏をCEOに迎えました。ハーカート氏はCEO就任当時、向こう5年で1,177店のディスカウント型小型スーパー、セーブ・ア・ロットの店舗数を2倍に増やす計画を発表し、「低価格戦略」路線に舵を打ち出しました。
しかし、2011年2月現在でセーブ・ア・ロットは1,280店です。鼻息の荒い計画の割りに出店速度が遅いということもありますが、問題なのはセーブ・ア・ロット以外のスーパーマーケットです。スーパーバリュではスーパーマーケット事業部もセーブ・ア・ロットとトラディショナル(traditional)と分けています。トラディショナル、つまり従来型のスーパーマーケットの戦略が見えてこないのです。はっきりとした軸を打ち出していないことで、ウォルマートやクローガー系列スーパー、プチ生鮮売り場を展開しているターゲット等にシェアを食われているのです。
⇒全米50州のうち、スーパーマーケットが最も激戦しているのはカリフォルニア州でしょう。ウォルマートやターゲットだけでなく、フレッシュ&イージーやトレーダージョーズ、コストコにサムズクラブ、スーパーマーケットでもクローガー系列のラルフス、フード4レス、セーフウェイにボンズ、最近では倉庫型ディスカウントスーパーのウィンコなども台頭しています。エスニック系に強いスーパーもありますね。
で、スーパーバリュでは従来型スーパーマーケットで、最も店数が多い州もカリフォルニア州(219店)です。店舗の約20%がカリフォルニア州に集中しています。一方でセーブ・ア・ロットはカリフォルニア州で14店ほどです。生き馬の目を抜くような大競争市場で、従来型のスーパーを続けているだけでは、競合からシェアを食われるだけでしょう。セーブ・ア・ロット出店以上に、従来型スーパーの軸を打ち出さないことには話になりません。
人減らしのリストラをしたところで、癌患者に皮膚の上から絆創膏をはるようなものでしかありません。