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日経平均は捨てて

ひふみ投信の藤野さんが、ダイヤモンド社から"日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい"という本を出した。書名は本人が言っているようにちょっときついが、内容は示唆に富んでいる。

要は、これまで日経平均などに沿った成績が出るようにコンピュータプログラムされた株式投資、すなわちインデックス運用はやめよう。そして、個別株を厳選して投資する株式投資本来の姿に戻ろうということだ。

そうしないと、運用成績に大きな差がついていくよと、たくさんの事例を載せて説明してくれている。彼の場合は、評論家ではなく実際のファンド運用で成績をあげているから、その主張にも説得力がある。

もともとインデックス運用は、1973年ごろから米国のウェルスファーゴ銀行を中心に開発されてきたもの。自分はよく覚えているが、当初はほんの玩具みたいなものだった。なにしろ、コンピュータそのものがまだ本格普及に至っていなかったのだから。

いち早く新しい流れをとらえたのが、米国はバンガード社のジョンボーグル氏だ。ボーグル氏は1976年にインデックス運用を本格採用して大成功を収め、バンガード社をしてインデックス運用の第一人者にのし上がらせた。実際、バンガード社は運用資産額100兆円を越す米国3大運用会社の一角を占めるまでに急成長を遂げた。

折りしも、年金の運用本格化の流れが1980年代そして90年代と加速していったから、世界の株式市場は20年にわたって過去に例を見ないような大活況を続けた。唯一の例外が日本で、90年代に入ってバブル崩壊の嵐に日本株市場はずたずたとなってしまった。

世界の株式市場が急進展を続ければ、どんな株を買っていても成績は出せる。そうであるならば、個別株リサーチに時間とコストをかけるよりも、コンピュータにプログラム運用させるインッデックス運用の方がコストを大幅に削減できる。より低コストの運用提案を持っていけば、年金資産獲得のマーケティングにも有利である。そんなわけで、インデックス運用が一気に株式投資の主役となっていった。

ところが、ここ最近はインデックス万能の流れが変調をきたしだしたままである。金融バブル崩壊の影響もあって株価全般が低調な動きに終始して、平均株価も冴えない展開を続けている。その横で、個別株に元気な動きが目立つようになってきた。その上、頼みの年金も積み立て資金がどんどん集まってくる時代から、高齢化で資金流出の段階に入ってきた。

こうなってくると、インデックス運用よりも個別株をていねいにリサーチして、安いところを買っておくアクティブ運用の分がよくなってくる。株式投資では当たり前の投資手法にようやく世界のトレンドが戻っていこうとしているのだ。

アクティブ運用の復活と、藤野さんの新著、どちらも大歓迎である。

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