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イオンも完敗。「OKストア」が圧倒的な集客力で急成長を続けるワケ=長浜淳之介

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不振のスーパーマーケット業界にあって、「高品質・Everyday Low Price」を旗印に掲げ、高い売上伸長率を保ち成長し続けるローカルスーパーの雄、オーケー。7年連続顧客満足度1位を獲得し、あのイオンすら歯が立たないその人気の秘訣はどこにあるのでしょうか。ビジネス分野のジャーナリストとして活躍中の長浜淳之介さんは、実店舗への取材を重ねて、その戦略・戦術を詳細に分析しています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名義)など。

なぜオーケーはスーパー不振の中で驚異の成長率を維持できるのか

特売なしの「オーケー」、地域最安値で7年連続の「顧客満足度1位」に

オーケー(本社・横浜市西区、二宮涼太郎社長)は、首都圏1都3県を中心に108店(2018年3月31日現在)を展開する、食品スーパー。顧客満足度調査のスーパーマーケット部門で7年連続1位を獲得しており、極めて集客力の高い首都圏のローカルスーパーとして知られている。

イオンなど圧倒的な品数を誇る大手流通の総合スーパーが、地域に密着した地場のスーパーにしばしば売り負けて閉店に追い込まれるケースを目にするが、そうした総合スーパーから地場スーパーヘの流れを牽引するリーダー格の企業がオーケーと言えるだろう。

西国分寺店外観

西国分寺店外観。キャッチコピーが大きく掲げられている

年商は2018年3月期で、約3577億3400万円。直近3年間でも、15年3月期の約2822億4100万円から、年率7~8%ほどの堅実で高い売上伸張率を保った成長を続けてきている。この間、店舗数も83店から、25店増えた。

縮小するスーパー業界、躍進するオーケー

日本チェーンストア協会の統計によれば、スーパーの市場規模は、1997年度(97年4月~98年3月)の約16兆8600億円をピークに縮小を続けており、2017年度(17年4月~18年3月)には約12兆9,000億円にまで落ち込んでいる。

そうした出口も見えない長期にわたるスーパー不振のダウントレンドの下で成長を続けているから、オーケーは凄いのである。

この好業績にも満足せず、オーケーは16年6月に就任した、三菱商事出身の新社長・二宮涼太郎氏の指揮の下、「借入無しで年率20%成長の達成」という、より高次元の経営目標に取り組んでいる。無借金経営は2008年9月期以来継続しており、財務体質の強さも特筆されるが、コンビニやドラッグストアに圧倒されてスーパーの将来が危ぶまれている現状において、スーパーの新しい成長モデルを確立しようとチャレンジする姿勢が注目される。

なぜ、オーケーがこれほどまでに顧客に支持されるのか。経営方針である「高品質・Everyday Low Price」にいかにして到達し、どのように実践されているかを考察していきたい。

顧客から圧倒的な支持、その理由は?

昨年9月20日に公益財団法人 日本生産性本部サービス産業生産性協議会が発表した、2017年度「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」のスーパーなど5業種を対象とする第3回調査で、オーケーは顧客満足が7年連続で1位を獲得した。スーパーマーケット主要26の企業・ブランドに関して、3ヶ月以内に2回以上会計を伴う利用をした、300人以上のインターネット・モニターによる回答を集計した結果である。調査期間は17年7月5日~8月7日。

しかもオーケーは6つの指標のうち、顧客満足、顧客期待、知覚品質、知覚価値、ロイヤルティといった5つの指標で1位となり準パーフェクトを達成。残りの1つ、推奨意向も3位と上位にランクされていた。つまり、顧客から圧倒的な支持を得ている。

この調査は、さまざまな視点の消費者購買意識調査があるうちの1つではあるが、それにしてもイオン、イトーヨーカドー、西友など名だたる全国展開の巨大チェーンを差し置いて、7年も連続で1位を継続しているのには感嘆してしまう。

オーケー販促広報室によれば、顧客満足度の高さの要因として、

品質に対しての価格の割安さ品揃えのこだわり正直さ。これらの方針を徹底しています。その継続した取り組みがお客様に認知されてきた結果と考えています。

と受け止めている。

スーパーで「競合店に対抗して値下げ」を導入するメリット

基本方針「高品質・Everyday Low Price」により特売日なしで、ナショナルブランドの商品は地域一番の安値の実現を目指している。

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2018年6月時点の西国分寺店チラシ

「万一、他店より高い商品がございましたらお知らせください値下げします」のポスターを店内に掲げており、実際に顧客からの情報提供により、値下げされた商品は、「競合店に対抗して値下げしました」と、値札などに明記されている。

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明確にされた「競合店に対抗して値下げ」の値札

競合店に対抗して値下げする売り方は、家電量販店では一般的だが、スーパーでは根付いているとは言い難い。というのは、一般的にスーパーは特売を行い特定日特定商品を思い切って割引して、売上をつくってきた。この特売に賛否両論があるものの、スーパーにとって成長エンジンであり、消費者も特売に期待して買物のスケジュールを組んできたのだ。

「高品質・Everyday Low Price」とは、そうした業界の今までのやり方への決別を意味している。メリットとしては、顧客が来店日によって損得の不公平感を持つことなく買物ができる、特売を告知する広告宣伝費が節約できる、過去の売上データから需要予測ができるようになり商品の在庫管理と自動発注が容易になる、といった効果がある。

つまり、不公平感解消とローコスト経営が同時に実現可能だ。その代わり、出店してすぐには集客が上がらず、売上が上がってくるまでに1年くらいかかるケースがあるのがデメリット

オーケーの強みは特にグロサリー(一般食品・雑貨部門)にある。確かな商品力を持つナショナルブランドに関する品揃えと価格の安さが、大きな顧客満足度を生み出している。客単価は顧客特性、地域特性によるが、全店平均約2700円となっている。

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