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中国が嵌り込んでいる「中進国の罠」に日本も無関心ではいられない

◆これからの中国は、どうなっていくのか?

「世界隊大乱」の兆しがますます顕在化してきているなかで、日本国民にとって近隣の大国・中国がいかなる変貌を遂げていくかに、無関心ではいられなくなっている。

「発展途上国」であることを自慢げに言い続けてきた中国にとって、いま「内需外患」と言うべき大変な事態が起きている「内憂」としては、次のようなことが挙げられるだろう。

(1)急速な発展が生んだ「所得格差」が、国内の歪みを招き、「人民」の間での亀裂を深くしている。それが、年間3万件を超える「暴動」として噴出してきている。

(2)「格差」は、支配層である共産党幹部や党員たちの世襲化・特権化からますます拡大している。

(3)共産党幹部や党員の多くが、「私利私欲」に走り、慢性的な汚職構造を築き、一般人との間で二分化されてきている。

(4)このなかで「コネ」のない人民は、大学を出て「高学歴」の資格を得ても、就職できない深刻な状況に陥っている。

(5)古くは儒教国家といわれてきた中国は、現在、「道徳、倫理」が廃れ、「金もうけ」のみが「最高の価値」として意識され、「人民総エコノミックアニマル」と言ってもよい野獣と化してきている。この結果、中国はいまや、醜悪で巨大な強欲共産主義的資本主義国となってきている。

(6)これまでの急激な発展による歪みは、中国全土に環境破壊という実に恐ろしい「負の遺産」をも築き上げている。これが周辺国、とくに日本や韓国にも悪害を撒き散らし続けている。

◆この深刻な状況のなかで、共産党一党独裁の北京政府は、これを克服してさらなる発展を図ろうと懸命に模索している。これに対して、経済学者の間で、「中国経済が『中進国の罠(わな)』から脱することができるか、という論争が行われている」という。獨協大学経済学部経済学科の全載旭学科長(教授)が、埼玉新聞の2月7日付朝刊「経済面」(6面)「COLUMN県内内大学発 経世済民30」に「『中進国の罠』からの脱出」と題して、見解を述べている。まず、「中進国の罠」とはどういうものかについて、「ある途上国が中所得国の水準に達したものの、その後の経済が停滞し、高所得国へと移行できない状態のことを指す」という定義を示している。

 いまの中国が文字通り「中進国の罠」に陥っているとして、全載旭学科長は、中国が求められている「成長戦略の転換」について以下のように述べている。

「中国経済は構造調整段階に入っており、過去のような労働力や資本の投入に依存した成長から生産性の向上による成長へと転換しなければならない。同時に、民間消費を中心に、サービス産業と戦略的な新興産業育成を通じた成長に移行することが求められている。これらへの取り組みを始めた中国は、すでに第二の大改革期入っていると言えるだろう」

 つまりポイントは2つだ。

(1)生産性の向上による成長

(2)民間消費を中心に、サービス産業と戦略的な新興産業育成を通じた成長

 しかし、人口15億人~20億人を抱えた巨大中国が、この2つのことを成し遂げるのは、口で言うほど簡単ではない。それでも、新しい道を切り開いていくしか、中国が欧米先進国や日本に追いつき、追い越すことはできない。

 一方、日本にとっては、中国が「中進国の罠」からうまく抜け出し、新しいステージに向って「前進」してもらわないと、大変困ることになる。体制の違いはあっても、日中両国は、ますます「運命共同体」の度合いを深め、強めているからである。

◆さらに、日中両国は、欧州発の国債(借金)危機・金融危機に直面している。とくに中国は、欧州経済との依存関係が、緊密である。このため、欧州諸国の国債を大量に買って、救済しようと動き出している。日本も同様である。

 ところが、IMF(国際通貨基金)が、「欧州諸国→米国→日本」という順序で、「国債をデフォルト(不履行)に陥れる策動」をしているということになると、これは由々しき事態を予想しななくてはならなくなる。どうもIMFには、欧米のヘッジファンドが儲けさせるために各国の「借金をパー」にして身軽になろうとする悪質な発想がある。懸命な努力もしないで、安易な道を選ぼうとする狡猾な企みと断じてよい。

 こんなことをしていたら「世界大乱」は、本当に抜き差しならないものになる危険性がある。

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