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三菱自動車の欧州生産撤退判断は正しいか?

月曜日の経済トップニュース、三菱自動車が欧州での生産から撤退を決意しました。同社はオランダの会社にバブルのピークの頃、資本参加して欧州市場に参入していました。あの頃の三菱自動車は高級車ディアマンテがあって量産車ミラージュがヒットして日本の中でも存在感の高い自動車会社でした。

考えてみればバブルの頃、欧米に第一歩を踏み出した会社が20年以上経った今でも生き残っているところはほんの一握りになってきました。そして今回、「三菱自よ、おまえもか」という事であります。

さて、この三菱自動車欧州生産の撤退は正しい判断でしょうか?

私に言わせればこれは正解であって本来ならもっと早い決断をすればよかったのに、というのが意見であります。

理由は明快。フェアシェアの論理からすれば三菱自動車が欧州で生産し、欧州で市場シェアを伸ばすことはありえません。だから損益分岐点に達していないオランダでの自動車生産など三菱の足かせ以外の何者でもないのであります。

欧州全体の人口が今後衰退の一途を辿ります。あわせて自動車市場が成熟産業と化し、買い替えを主体とした産業に変化していく公算が高いという大前提を考えます。欧州の潜在自動車販売台数を仮に1700万台としましょう。これはアメリカのそれを上回る水準です。しかし、人口が増えない=販売台数のパイは増えないということですからこの1700万台程度が景気の上下により変動する市場となるわけです。そして長期ラインでは人口の減少、特に高齢化が進むと急速に自動車の需要は落ちることになります。

この上、伸びない1700万台の市場において三菱のオランダの生産はその市場規模の1%にも満たない弱小規模でありました。市場に成長性がないところにおいては1%以下の生産規模は天地がひっくり返るほどの大ヒットを長年にわたり続けなければそれが1%以上になることはありません。これは成熟産業の市場原理なのです。

何故私はここまで断言できるかといえば日本の建設会社に長年在籍していてその「序列」がほとんど変化しないことに気がついていたからです。日本で建物を建てるとき、A社でもB社でもC社でも特別難しいものを建てない限りどこの建築会社でもほぼ同じ結果が得られます。よって入札という価格基準の判断が下されます。

入札、あるいは古くは談合も含めてですが、会社の規模に応じてその割り当ては決まります。よって総売上げの大きな会社はいつまでも一番であるし10番の会社はいつまでも10番なのです。たまにその順位は入れ替わるかもしれませんが、大きくは変化しません。これが成熟産業におけるフェアシェアの考え方です。

要は成熟産業において企業間の差異が明白でない場合にはそれまでの占有率は崩せないということであります。

自動車においては企業間の開発競争は凄まじいものがありますが、どれだけ魅力的な車が発売されたとしても個人の平均買い替え期間である7-10年は何も起きないのす。どれだけ格好の良い車が売り出されてもあなたの車がまだ買って2年ならば買い換えるという行動にはよほどの事情がない限りないということです。

よって、コンスタントに開発競争の先頭グループにいる会社のみが顧客の買い替え期にファイナリストとして候補に残れるのです。

とすれば1%以下の市場規模の会社が存在する価値はほぼないわけで三菱自動車としては今後市場が大きく育つであろう東南アジアにシフトし、そこでがっちりと市場占有率を確保するが論理的には正しい選択になります。

遅かったとは思いますが、三菱自は良い選択をしたと思います。

今日はこのぐらいで。

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