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デタラメきわまる安倍ゲリマンダー【参院選改革】

参議院議員の定数を6人増やし、比例区に「特定枠」を設ける改正公職選挙法が18日、立憲民主党、国民民主党など野党の猛反対を押し切って成立しました。これまで選挙制度改革は数々あれど、前代未聞のひどい内容です。まさにデタラメそのもの。自分たちに有利になるよう選挙制度を歪めることをゲリマンダーと呼びますが、この改正は「安倍ゲリマンダー」として長く歴史に語り継ぐべきです。恥を知れ、と言いたい。

(関連記事「改憲のどさくさ紛れに合区解消?」は宮崎タケシ公式ブログ

https://ameblo.jp/miyazaki-takeshi-gunma/ でお読みください)

今回の改正には理念のカケラもありません。「合区で議員がいなくなった県から代表を出すため」とかいう屁理屈は大ウソです。そんなのは現行制度でも簡単にできますから。要するに自民党執行部が「党内で色々調整するのは面倒くさいなあ」という怠惰の果てに、「だったら、選挙制度の方を変えちまえ」と悪ノリしただけです。

参議院の選挙制度は、選挙区と比例区に分かれています。選挙区は原則的に都道府県単位で定数1~6。つまり、小選挙区制と大選挙区制が混合しているわけで、これだけでも欠陥品です。比例区の方はあらかじめ名簿順位を定めない「非拘束式」(得票数で順位が決まる)でしたが、今回そこに特定枠という名目で「拘束式」を混ぜてしまいました。わけが分かりません。内輪の都合だけで、選挙制度がぐちゃぐちゃにされていきます。

前回参院選から、一票の格差を解消するため、人口の少ない選挙区が県域を越えて「合区」され、一部の県が候補者を出せなくなりました。そこで、自民党は救済のため、それらの県の候補を比例区から出馬させました。ところが前回、鳥取県の比例候補が落選してしまい、党内から批判が巻き起こりました。それがイヤで選挙制度を変えるというのです。

そんなのは、ちゃんと票割りすれば防げる話です。実際、公明党や共産党は毎回、狙い通りに当選させています。自民党執行部が本気なら、張り付けられる業界団体や宗教団体には事欠きません。やればできるのですが、団体から反発されたくないし、手間をかけて調整するのも面倒くさい。ただ、それだけです

定数6増のうち、4は比例区です。それも同様に「党内調整、面倒くさい」という、自民党執行部のものぐさから発しています。合区で選挙区からはじき飛ばされた候補をそのまま比例区に押し込むと、今度は比例区でパイの奪い合いになります。比例区の現職や比例候補を抱える業界・宗教団体等が怒り出す。なだめるのも面倒くさいので「定数を増やしてやるから、ごちゃごちゃ言うな」というわけです。

この一文を書いているだけで情けなくなります。底が抜けている、タガが外れている、国家の軸が溶けようとしている…。「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対に腐敗する」という130年前の言葉を持ち出すまでもなく、「一強政治」が今回の安倍ゲリマンダーのような野放図なデタラメに行き着くのは、いわば歴史の必然です。だからこそ、仲間割れを繰り返して容易に「一強」の状況を許してしまった野党の罪も、きわめて重いと言わざるを得ません。

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