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引続き上方向のシナリオは描きにくいドルとユーロ・・・

為替千里眼、改めて1週間お疲れ様でした。週末の雇用統計はご周知の通りで、週明けの東京市場もやや落ち着いた展開になるものと思われますが、一方でこの雇用統計の好結果を受けてもFedのQE3実施予想は半数以上という実情もあり、今後もドルは低迷するという見方も根強いことから、この雇用統計の好結果だけを持って上方向のシナリオを描くのは少々安易過ぎるというのが現実かもしれません。一方、ユーロの方は相変わらず進捗が見えないギリシャPSIの問題が燻っており、PSI合意期待を背景とする下支え要因と、合意に対する不透明感を背景とするユーロ売りとが錯綜し、こちらもなかなか方向性が見出せない状態が続いています。ロイターの報道でも、第2次支援に向けてはまだ重要な問題が解決していないといった旨の報道がなされており、今週も引続きPSIおよび第2次支援の進捗状況がユーロ動向の鍵となりそうです。

まずは、IMMポジションの動向から見てみたいと思います。

CFTC IMM positions(January 31, 2012)
JPY:Long81,054  Short24,385
EUR:Long31,906  Short189,452
GBP:Long23,698  Short49,912
CAD:Long30,140  Short49,549
CHF:Long 6,477  Short17,699
AUD:Long97,471  Short19,427
NZD:Long25,330  Short10,533

※先週データはこちら

先のFOMCでの時間軸効果の強化を背景にドル売り地合いが先行した影響もあり、円ロングは約1.5万枚の増加、ネットロングは先週の4.5万枚から再び5.7万枚に増加しています。ユーロにつきましては、ロングこそ変化はありませんでしたが、ショートが約1.3万枚程度しており、ユーロショートの解消が断片的に見られております。ここ最近堅調推移となっているケーブルやオージーについてはロングが拡大(それでも数千枚単位ですが…)、基調的にはやはりドル売り一色の1週間だったと思われます。先の時間軸効果の強化によりQE3観測が一段と強まりつつありますので、引続き今週もドル売り地合いに傾倒しやすいものと思われますが、他方ユーロもギリシャ救済に絡む不透明感から、ユーロドルはまだ上方向のシナリオが描きにくい状態かと思われます。

USDJPY Daily
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ドル円デイリーです。昨年5月の高値95円を起点とした長期下落レジストを一時的に上抜けたものの、再びそのレジスト以下に押し戻されておりますので、再びこのトレンドが機能する可能性が高く、遅行スパンも価格と面合わせの水準に近づいていることを考慮しても、反落リスクはそれなりに高いと見越しておくべきかもしれません。幸いモメンタムはまだ反落示唆とはなっておりませんが、既に4hでは相当にOBゾーン、先日1/25の高値78.30起点のリトレ38.2%となる76.90アラウンドまでは戻すかと思いましたが、雇用統計の好結果単発では、76円Midレベルが精一杯だったのかもしれません。4hでのモメンタムのトレンドが切れることになれば、再び76円Low、ないしは76円割れを試すこととなりそうで、戻り高値は引続きショートメイクチャンスと捉えておきたいところです。

US10Y Treasury Notes
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今週は3年・10年・30年の四半期定例入札を控えておりますので、先週大きく買われた債券は一旦調整が入る可能性が高いところで、先の雇用統計の好結果が一段と債券市場の調整を後押しするような雰囲気です。幸い、欧州圏の債券入札は軒並み堅調な応札を集めておりますので、回避的動意に見舞われる可能性はだいぶ後退したかと思われますが、引続きギリシャPSIの進捗、そして足許の米マクロの予想外の悪化などを背景としたQE3観測の高まりなどが債券利回りの下落バイアスとして機能する可能性が高いため、利回り上昇を背景としたドル円の上昇シナリオというのも少々無理があるような気がします。夜の更新でも取り上げますが、今週は各国金融政策決定会合のほか、米債入札、独債入札など大粒の材料が多彩に控えておりますので、引続き安全資産への需要動向が大いに注目されるところかもしれません。

先週末に発表されたISM-nonmfgにつきましては、総合指数が56.8と市場予想の53.2を大幅に上回る結果となりましたが、週初から軒並み市場予想を下回ってきた米マクロの動向を考慮すると、今週は特に大きなマクロこそ予定がありませんが、7日予定のバーナンキ議長による上院議会証言でもハト派的な見解を述べる可能性が高く、ストレートは軒並みアップサイドの展開の可能性が高いと思われます。もちろん、株高などのバックアップ要因は必要かと思われますが、とは言え、欧州サイドも決してマクロ面で恵まれている訳ではなく、PMI指数も軒並み鈍化傾向である以上、今週のECB会合などでの利下げ観測なども完全には払拭できない状況ではありますので、引続きドル売り地合いでも対ユーロでの上値期待は、他の通貨に比べ少々リスクがあるといった感じです。

先週発表の独マクロを見る限りでも、独経済は底打ちからの反転が顕著となりつつありますが、ユーロ圏主要4ヵ国を見ると、ドイツのESIと呼ばれる経済センチメント指数が昨年11月の103.3で底打ちし、12月104.3、1月106.6と順当に回復する一方、フランスは前月比-2.1pの91.4、イタリアは同-1.1pの84.3と悪化を続けており、スペインは同+1.8ptの92.2と上昇に転じたもののなお低水準に留まっているのが実情です。これだけのユーロ安続きで輸出の恩恵は相当なものになっていると思われますが、雇用面でも独失業者数は大幅低下、対する3国の失業増加が広く懸念されているところではありますので、こうした格差的な部分もユーロにとっては足枷となっており、引続き米サイドの懸念が勝るのか、ユーロサイドの懸念が勝るのか、ユーロドルの展開は非常に流動的であると見ておいたほうが良いかもしれません。

では、今週の主要材料と展望はまた夜の更新で!

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