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博打場の金貸し法案

西日本を襲った記録的豪雨により、尊い命がたくさん奪われました。犠牲になられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げます。酷暑の中、多くの人々が不安を抱きながら厳しい避難生活を送っています。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

平成最悪となった豪雨災害。土砂で倒壊した家屋、川の氾濫で水浸しになった街、道路・鉄道・水道等のインフラの寸断など、生々しい爪痕が広い範囲に残っています。その1日も早い復旧をめざして各地の現場では、政府関係者のみならず多数のボランティアが汗をかいています。その陣頭指揮に立たなければならないのが、石井啓一国土交通大臣です。

ところが、石井国交大臣はカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案の担当大臣として、参院内閣委員会の答弁に立ち続けています。大臣本人の意志というよりも、会期延長というアディショナル・タイムも終了が迫り、何が何でも法案を成立させたい政府・与党の方針によるものなのでしょう。でも、豪雨災害対応よりも優先しなければならない法案なのでしょうか。

いわゆるカジノ法案は、問題点だらけです。紙幅に限りがあるので列挙しませんが、ギャンブル依存症対策については世界一厳しい規制をかけて万全を期すと、安倍総理は豪語していました。その代表的対策が「週に3回まで」とカジノ施設への入場回数を制限することと知り、驚き呆れました。目玉対策を聞いて目が点になりました。だって、月・火・水はカジノ、木・金はパチンコ、土・日は競馬といったギャンブル三昧の1週間だってあり得るわけです。依存症という地獄にまっしぐらではないでしょうか。

さらに、法案審議の途中でカジノ事業者が客に資金を貸せると知り、仰天しました。競馬、競輪等の公営ギャンブルでも認められていない禁じ手です。しかも、カジノ事業者は貸金業者ではないので貸金業法の総量規制が適用されないそうです。

TVの時代劇や昭和の任侠映画の賭場の光景が思い浮かびます。ツボ振り師が2つのサイコロをツボに入れ振り、盆布の上に伏せます。丁か半か固唾を飲む場面です。「二・六の丁」と結果が出ると、歓声と嘆息が入り交じります。負け続きのツキのない客や調子に乗って大博打を打ちたい客は、胴元に証文を書いてタネ銭を借り、さらに一獲千金を狙います。その後は、身ぐるみはがされ、田畑・家屋敷、そして、娘まで売る羽目にというお約束の展開。

劇では遠山の金さんや暴れん坊将軍が勧善懲悪の物語の下、胸のすくような大活躍をします。しかし、カジノ法案成立後の現実は、ヒーロー登場の余地は全くありません。政府が戦後初めて民設民営の賭博を解禁し、胴元による博打場の金貸しまで認めてしまうのですから。こんな天下の悪法の審議に時間を費やすより、人道的見地から災害復旧に全力を尽くすべきであることは火を見るより明らかです。

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