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責任をとらなくてよい仕事はない

若い人や中堅の方に「何故仕事をするのですか?」と聞けば「生活のため」という返事が返って来ることも多いのではないでしょうか?そして「サラリーマンほど楽な商売はない」と植木等の歌のようになれば本望でしょうか。(例えが古過ぎですね。すみません。)

私がまだ会社に入って間もない頃、支店の総務部にハンコを管理する年配の社員がおりました。この人は何をしているのか不思議だったのでじっと見ていると支店長印を会社の規定に基づいて押すだけの仕事をしているのです。一日に10枚なのか20枚なのか知りませんがそれを押すだけの仕事です。あとはハンコを掃除し、机に向かってじっと虫のように固まっている毎日でした。

会社はいまやコンプライアンスの塊で社員の自由度もほとんどなくなってきています。何故そこまで縛るのかといえば会社が社員を信用していない、つまり性悪説にのっとっているとしたらどうでしょう。会社が社員を信用していなければ社員も当然前向きの仕事など出来ません。

やはり私がサラリーマンだったとき、同僚が「こんな建物は作れない、俺は(建築する建物に対して)責任が取れない」と叫んでいたことがあります。複雑な設計で氏は経験がなく、俺には出来ない、と言い張っているわけです。非常にがっかりした記憶があります。私なら「俺にもチャレンジするチャンスがめぐってきた」と喜びますが。

仮に責任ある業務をやるとしても組織で動くのが日本の会社であって1人でやることは少ないものです。また、社員に前向きのチャレンジをさせていて最終的に責任を押し付けるとしたらその上層部の肝は相当小さいということでしょう。企業の発展の芽を摘んでしまうようなことをしたら日本企業には創造性がまったくなくなってしまいます。しかし一つの枠から飛び出すことが出来ず、「俺には家庭がある、生活もある!」と言い放つそんな社員の例は多分珍しいものではありません。

同じことは役職についた方々にもいえます。「あと○年、頑張れば晴れて定年だ。ここは石橋を三回叩いてコンサバにやっていこう」という気持ちは結構あるものです。これが日本の経営そのものが小振りになってしまった最大の原因です。

優秀な大学を卒業した若者が大企業を選ばずベンチャー的なところを就職先に選んだり外資オンリーで勝負したりする話は良く耳にします。従業員数名のベンチャーでは寝袋持参で徹夜続きというところもあるようですが、そういうチャレンジが結果として大きな果実を生み出します。

日本の大企業に優秀な社員が集まらない時代がやってくるとすればそれは日本企業への就職が優秀な社員にとってはつまらないものに映る、ということです。そしてそんな時代は確実にやってくる、とみるべきです。そのとき、大企業には植木等の歌に出てくる人たちばかりだったら日本の将来はありません。

では危機感はどうやって乗り越えるか?私はいわゆる幹部候補と称される総合職扱いの採用者は解雇しやすいよう法律を変えるべきだと思うのです。あるいは企業が雇用契約ではなく、個人企業とサービス契約形態にするなどのアメとムチ方式が有効だと思います。一般社員や現場勤務者はそういうわけには行きませんが、総合職という高いハードルを目指す以上、それなりの試練は必要ではないでしょうか。

甘えの日本があるとすれば私はこの辺から手をつけたら効果的だと感じております。

今日はこのぐらいで。

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