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皇位継承問題を考える(11(終).今後の予想)

 長々と続けてきた皇位継承問題の連載も、今回でようやく終わり。

 飽きてきた読者の方もおられそうで、失礼しました。あれもこれもと気になって書きすぎるのが私の悪癖なのです。

 最終回なので、過去の連載のリンクを貼っておきます。

  1.私の意見は女系容認

  2.皇位継承問題に関する事実関係

  3.2005年の皇室典範に関する有識者会議

  4.番外編 ~女性宮家報道について~

  5.女系天皇反対論者の主張(前半)

  6.女系天皇反対論者の主張(後半)

  7.女系天皇への賛否と国家観

  8.女系天皇と旧皇族復帰の実務上の課題

  9.相手をおとしめる残念な主張はやめよう

  10.関係者の意見、世論の動向

 偉そうに中立のフリして書きやがって、おまえはどっちなんだよという指摘も、某所でいただいたようです。
 中立的に書くとそう言われるだろうと思い、連載の1回目で「私は女系天皇容認派です」と書いて旗幟鮮明にしたつもりでしたが、毎回そう書いとけばよかったかな。

 さて、最終回の今回は、今後どうなっていくかの予想と、最後のまとめ。

1.女性宮家の創設は、数年以内に実現する

 まずは、当面の課題として浮上している女性宮家の創設について。
 これは数年以内、眞子さまの結婚前に実現する可能性が高いと思います。

 次代を担う男系男子が悠仁さましかおらず、かつ、早急な旧皇族復帰も難しい現状で、眞子さま、佳子さま、愛子さまを手放す判断をするとは思いにくいので。

 政府は当然、女性宮家と皇位継承問題は無関係と言うでしょうが、そんなものを信じてはいけません。
 当たり前ですが、女性宮家は女系天皇への布石です。

 眞子さま、佳子さま、愛子さまを皇族としてキープできれば、その子供が成人するまで皇位継承問題は先送りできます。
 そしてその間に、女性皇族の子供は潜在的な皇位継承権者として見られるようになり、自然に存在感を増していくでしょう。

 男系維持派が対抗するには、旧皇族も潜在的な皇位継承権者として見られるように、皇室典範上、何らかの地位を与えないといけません。
 今の状態では、旧皇族も法的にはふつうの一国民と何ら変わるところがなく、マスメディアが旧皇族の個人を紹介するのは難しいでしょうから。

 ということで、女性宮家の創設と同時に旧皇族に皇室典範上何らかの地位が与えられなければ、女系天皇派の勝利で事実上勝負あり
 そんなのは男系維持派も百も承知なので、私の予想としては、男系維持派が巻き返して旧皇族(のうち、皇室典範上何らかの地位を与えられることを了承した人)に何らかの地位が与えられると予想します。

 実際に皇族に復帰させるのではなく、いざとなったら復帰させる可能性がある人として、宮内庁が名簿を管理する程度の形でしょうが。

2.その後は、悠仁さまからの男系男子がいなくなるまで先送りを続ける

 女性宮家の創設と同時に旧皇族に皇室典範上の地位が与えられなければ勝負ありなので、その先を考察する意味はあまりありません。
 ということで、ここから先は、旧皇族に何らかの地位が与えられたと仮定して、その先どうなるかを予想していきます。

 私の予想は、悠仁さまの子孫の男系男子が1人でもいる限り、女系天皇か旧皇族復帰かの決断は下せず、ずるずると先送りされていくというもの。
 悠仁さまからの男系男子がゼロになり、決断が100%不可避となった時点でようやく決断がなされることになります。

 その決断は、女系天皇、旧皇族のどちらになるでしょうか。
 私は女系天皇だと思いますが、女系天皇か旧皇族かという話はこれまでさんざん書いたので、今さら重ねて書くのはやめておきましょう。

 ということで、悠仁さまからの男系男子が残る限り先送りを続けるという点についてだけ、もう少し細かく場合分けして見ていきましょう。

(1)悠仁さまに男の子が生まれなかった場合

 これがいちばん単純明快。
 悠仁さまに男の子が生まれなかった場合は、その時点で女系天皇か旧皇族天皇かを決断しないといけません

 実務的には、「悠仁さまに男の子が生まれない」ことをどのタイミングで判断するかが難しくなりますが。
 「皇太子にも秋篠宮にも男の子が生まれない」と読んで女系天皇の実現を目指したら、逆転して男の子が生まれてしまったという読み違いをした前科もありますし。

 眞子さまが第一子を30歳で産むとすれば、その子が20歳となったとき悠仁さまは35歳。「生まれない」と判断するにはまだ早い。
 25歳になるまで待てば、悠仁さま40歳。このあたりがギリギリでしょうか。

 男系である眞子さまには一代宮家を作らせて時間を稼ぐことができましたが、女系である眞子さまの子供には一代宮家を作らせる選択肢がないのが厳しい。
 眞子さまの第一子出産が早かったり、悠仁さまの結婚相手が年下だとさらに難しくなりますね。逆だと楽になりますが。

 なお、悠仁さまに女の子が生まれるかどうかも影響しそうです。

 女の子もいないと、悠仁さまからダイレクトに女系天皇か旧皇族天皇につなぐことを迫られます。これは旧皇族復帰にとっては不利。
 悠仁さま40歳のときに皇室典範を改正するとすれば、亡くなられるまで40年程度しかないので、旧皇族を復帰させて、その後子供が生まれて、天皇に即位できる程度に成長して、というプロセスが間に合いません。

 一方、女の子がいれば、悠仁さま→男系女性天皇→(女系天皇or旧皇族天皇)とつなぐことになります。
 ダイレクトにつなぐより一代30年分時間が稼げるので、旧皇族を復帰させるプロセスが間に合うことになり、選択肢になり得るでしょう。

(2)悠仁さまに男の子が生まれた場合

 悠仁さまに男の子が生まれれば、眞子さま、佳子さま、愛子さまの子供に皇位継承権は与えられず、結婚とともに皇族を離れることになるでしょう。

 (1)(2)をあわせ読むと、女性宮家というものの本質が浮かび上がります。
 本人の結婚の時点では次代に男系男子が生まれるかわからないので、子供の結婚の時点まで待ち、男系男子が生まれれば女性皇族の子供は手放し、生まれなければその子供を女系天皇にする選択肢が生まれるという、「1代結論を先送りする間のバックアップ人数の確保」の手段です。

 この方法はなかなかよくできていて、ずっと無限ループすることができます。

 つまり、悠仁さまにA仁さまとB子さまが生まれれば、眞子さま達の子供は手放し、こんどはB子さまが女性宮家となり、A仁さまに男の子が生まれるかどうかを待つことになります。
 A仁さまにC仁さまとD子さまが生まれれば、B子さまの子供は手放し、こんどはD子さまが女性宮家となり………で以下無限ループ。

 これも、男の子と女の子が何人ずついるかが影響してきます。

 悠仁さまの子供が男の子1人だけというのが、旧皇族復帰に最も近づく道。
 男の子がいるので女系天皇は認めにくいけど、1人にすべてを賭けるわけにはいかない。旧皇族復帰でバックアップさせようという流れになる可能性が高まります。
 もちろん、女系子孫を残してバックアップさせる選択肢も有力ですが。

 男の子が2人以上いれば、次代はさらに人数が増えることが期待でき、当面の皇位継承の危機は去った感じになるでしょう。
 また、男の子1人と女の子2人以上がいれば、今の4人体制(悠仁さま、眞子さま、佳子さま、愛子さま)に近いので、そのまま無限ループを一巡回すだけ。

 男の子1人と女の子1人というのが、最も判断が難しいケース。
 バックアップはいるか、いらないか。いらないと判断してバックアップを作らなかったら、2人とも子供が生まれなかった、というのが最も悲劇的なケース。

3.まとめ

 まとめると、数年以内に女性宮家という先送り手段を講じ、その後も悠仁さまからの男系男子が生まれ続ける限り、先送りを続けるということ。
 「決められない国」らしい結論だと思いますが、どうでしょう。

 ただ、先送りは、決められない政治家や国民には楽な手段ですが、当事者である皇族と旧皇族にとっては、不安定な人生を強いられる、理不尽極まりないこと。
 上記の予想どおりに進めば、悠仁さまのお子様の構成という極めてプライベートな事態が、眞子さま達の子供と旧皇族の人生を翻弄することになります。

 彼ら一代は運命と思って受け入れてもらうしかないかもしれませんが、そういう理不尽を無限ループで何代も繰り返すのは、ぜひやめてほしいと思います。

 私の予想が外れて、眞子さまの第一子が成人する時点で、女系天皇か旧皇族か決着がつけられることを願っています

 私は女系天皇の方がよいと信じていますが、国民の多くが望むなら別に旧皇族天皇でもいっこうに構いません。

 いまの日本の政治は、内政も外交も迷走を極めています。
 その理由には、「いま決めなくていい問題は先送りする」「枝葉的な個別政策の議論にとらわれ、根本にある思想・考え方の違いが突き詰められていない」という点があるように思います。

 皇位継承問題は、国民の利害に関わりがないので、税制や社会保障や外交政策のような利害が複雑にからむ問題に比べれば、本来、解決は簡単であるはずです。
 この問題を先送りせず、国家観・歴史観といった根本論を突き詰め、きちんと結論を出すことで、政治の迷走を脱するきっかけになるといいと思います。

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↑「歴史観」のイメージ画像

 それが、今回の連載全体のまとめでしょうか。

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