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アングル:イランはホルムズ海峡封鎖で石油輸送を寸断できるか


[アンカラ/ロンドン 11日 ロイター] - イラン革命防衛隊高官は先週、イラン産原油の輸入停止を求める米国の呼び掛けに各国が応じるならば、ホルムズ海峡の封鎖に踏み切ると警告した。

ホルムズ海峡を通過する中東産原油は、世界の石油消費量の2割に相当する。対イラン外交を巡るペルシャ湾岸の過去の紛争は、以下の通り。

<過去の行動>

ホルムズ海峡の一部はオマーンの領海であるため、イランが同海峡を一方的に封鎖することはできない。だが船舶は、イランのイスラム革命防衛隊海軍が監視するイランの領海を通過している。

2016年には、革命防衛隊はイランの領海に侵入した米国人船員を取り調べて一晩拘束。その1年前には、イランの石油プラットフォームを破損したとしてシンガポールの国旗を掲げるタンカーを砲撃した上、1週間にわたって船舶をだ捕し、船員の身柄を拘束している。07年にはペルシャ湾北部で英国人船員を拘束した。

またイランは毎年、中距離巡航ミサイルと中距離弾道ミサイルの演習も実施。革命防衛隊のフセイン・サラミ副司令官は14年、イランはペルシャ湾地域で米国と対決するため巡航ミサイル、弾道ミサイル、無人機、機雷、高速船、ミサイル発射装置を使う可能性があると表明した。

15年には革命防衛隊の軍事演習がテレビ放送され、米航空母艦の模造品がミサイルで破壊され、革命防衛隊が海峡で機雷配備を訓練する様子が映し出された。

米海軍によると、16年1月から17年8月までに米海軍とイラン海軍の間では「危険な」もしくは「不当な」接触が月平均で2.5回あった。

1980年から88年にかけてのイラン・イラク戦争では、双方が相手国の石油輸出を妨げるため船舶を攻撃し合う事態となり、「タンカー戦争」と称された。

米海軍情報局(ONI)によると、88年には米国のフリゲート艦がイランの機雷に衝突、船体に穴が開いてキールを折る損傷を負った。米国は報復として、イランの石油ターミナル2カ所を破壊した上、イラン軍艦を撃沈している。

<軍事バランス>

バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊は、この地域の商用船舶を保護する任務を負っている。米高官はこれまで、ホルムズ海峡封鎖は「越えてはならない一線」であり、再開するために行動を起こすと表明している。

米中央軍のビル・アーバン報道官は「われわれには商業の自由な流れと航海の自由を維持するために必要な軍事力がある」と述べた。

ONIが昨年まとめたリポートによると、イラン革命防衛隊は海軍を速度、規模、ステルスなどの面で強化している上、高速爆撃機や小型船、対艦巡航ミサイル、機雷を購入している。

ONIは「個々には、こうした改善策では西側の技術には対抗できない。だが、それぞれを合わせると全体の能力は、特にペルシャ湾やホルムズ海峡など狭い地域に配備された場合には、個々の合計よりも高くなる可能性がある」と記した。

これに対抗して米国は、商業の自由な物流を守るため掃海艇や護衛船を駆使する方針であり、空爆に踏み切る可能性もあるとしている。だがホルムズ海峡の再開は、特に革命防衛隊が機雷を配備した場合には、長期の作業が必要になりそうだ。

<交渉戦術か>

イラン高官の間では、海峡封鎖の現実味を巡って意見が分かれている。

1980年代の対イラク戦争で革命防衛隊の司令官を務めた高官は「イランからの石油輸入停止を呼び掛けたことで、米国は既にイランに対して宣戦布告した」と指摘。「石油を全く輸出できない事態となれば、わが国は間違いなく海峡を封鎖するだろう」と語った。

一方で別の高官は、海峡封鎖を今後の核合意を巡る交渉の材料として位置付けている。「海峡の問題によりイランは(核合意を巡る)協議で優位に立つことができる。イランは最悪の状況下でも海峡を封鎖したことはない」と話した。

(Parisa Hafezi、Jonathan Saul、Bozorgmehr Sharafedin記者)

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