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菊間千乃氏を批判する

 菊間千乃氏のインタビュー記事が掲載されています。
 ひと登場 元女子アナ弁護士・菊間千乃さん 仕事が楽しくて「毎朝起きるとワクワクするんです」(J-CASTニュース2012年1月22日配信

 それまでアナウンサーとして活動してきた方が弁護士に転身されたというものですが、その骨子は、弁護士転身を一種の成功例として扱っているということでしょうか。
 法曹(弁護士)を目指す学生たちにとって、このインタビュー記事が参考になることはありませんし、本当にこの人は、現実をわかった上で、しゃべっているのだろうかという疑問を大いに沸き興してくれる内容です。

 インタビューについて個別に見てみれば、問題点が山積しています。
 「毎朝起きると、「早く事務所に行きたい!」「今日どんな仕事しようかな」ってワクワクするんですよ。
 新人弁護士が浮かれているという姿は、ある意味では初々しさもあるのですが、とは言っても新人弁護士が、どんな仕事をしようかなどという選択の余地があるのでしょうか。
 
 現在の事務所に入った経緯を問われると、
 「ロースクール時代に雑誌でこの事務所の先生についての記事を読んで以来、「司法試験に合格したら会いたい先生」の一人だったんです。そして実際にお会いしたら、もうビビッときて。フジテレビに入社したときもそうだったんですが、私の基本は「何をやりたいか」よりも「誰とやりたいか」なんですね。

 まるで自分が選択をし、選択権があるかのような発想です。それがまかり通っているのであれば、それはそれで菊間氏の「人徳」、あるいはそれまでの「経歴」だということなのでしょう。
 しかし、多くの司法修習生が置かれている状況は違います。
 その後の質問で司法修習生(新人弁護士)の「就職難」に関して質問を受けていますが、その答えが次のようなものです。

 「就職難とは言いますが、弁護士に限ったことじゃないですよね。誰もが大変な現状で、取り立てて弁護士ばかりあおり立てる必要がどこにあるんでしょう。そういう悲観的な話ばかりでは、弁護士を目指そうという人も減ってしまうのでは。

 ここに現れている発想は、菊間氏は、自分は自分自身の選択によって事務所を決めた(決めることができた)という勝ち組が、就職できない新人弁護士との違いも自覚、認識することもできず、喜び浮かれているという姿です。
 新規登録弁護士の実態は、現実のものとして捉えるべきであるのに、「悲観的な話ばかりでは、弁護士を目指そうという人も減ってしまう」というに至っては、精神論を陥ったというレベルを超えた単なる世間知らずの無知としか言いようがありません。
(日弁連会長候補の尾崎純理氏や山岸憲司氏が、自分の道は自分で切り開けなどという精神論を強調するのは、弁護士人口激増政策を合理化するために主張しているだけであって、精神論で何とかなるなどとは思っていないでしょう。)
 新人弁護士の就職難の問題がどこにあるのかということも全く理解できず、社会一般の問題に同レベルでしか捉えられない、しかも、社会一般の就職難についての問題意識などかけらも感じさせないところが、自分しか見えない人なんだと思わせる由縁です。

 新人弁護士の就職難の問題を理解していないというのは、以下の発言に現れています。

 「弁護士はいざとなれば自分で開業でき、それを支援する枠組みもあるぶん恵まれていると思います。

 自分で開業できればよいというものではありません。新人弁護士など、これから研鑽を積まなければならないという点を全く理解されていないようです。
 「支援する枠組み」というものを引き合いに出していますが、現実、問題として、単に研修を強化するとか、新人弁護士を(片手間に)指導しましょ、というレベルのもので、対処しうるものではなく、単なる対処療法でしかないという現実も知らないようでは、開いた口がふさがりません。

 菊間氏ご自身が、
 「弁護士4~5人の「チーム」の1人として書面を作ったりしながら、他の先生の仕事を見させていただいています。
 が述べているように「支援の枠組み」とは雲泥の差があります。
 このような現実の差を認識せずに発言するのは、無責任の極みです。

 さらにいえば、菊間氏の就職は、あたかもご自身の選択で決めたかのように述べていますが、
これは後で知ったんですが、うちの事務所はフジの顧問もしていたんです。
ということですが、採用する側は、菊間氏の経歴を知った上で採用しているわけですから、いかに無知をさらけ出しているのかということです。
 そのような経緯で採用されているにもかかわらず、勝ち組面をする、菊間氏が即独のような形で独立開業した場合、ご自身に顧客が来るのかどうか、要は「菊間千乃」という名前でもって、どれだけ依頼したいという人がいると思っているのか、よくよく考えてみるべきでしょう。

 菊間氏のインタビュー記事を読めば、「素晴らしい成功例だ! 私も弁護士を目指そう!」などと思う人が出てくるとも思えず、なおさら法曹(弁護士)を目指そうとする人は減ると思いますが、そのような自覚もなく発言をしている菊間氏を見ていると、司法改悪の弊害が如実に現れていることを実感します。

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