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なぜ私は虚偽の自白に追い込まれたのか 朝鮮総連詐欺事件被告・緒方元公安調査庁長官に聞く

 今週逮捕された前田恒彦検事が捜査に関わった朝鮮総連本部ビルをめぐる詐欺容疑で、昨年有罪判決を受け現在控訴中の緒方重威氏は、公判では一貫して無実を主張しているが、実は拘留中に二度の自白をしている。その自白の任意性が一審の有罪判決では決定的な重みを持った。

 その緒方氏がビデオニュース・ドットコムのインタビューの中で、自身の自白は、特捜部の「人格破壊型」の取り調べによって行われたものだと主張する。緒方氏は元検事で、公安調査庁長官、仙台高検、広島高検で検事長を務めた人物だ。検察の手の内を全て知るはずの緒方氏をして「怖かった」、「恐怖の余り自らの意に反して自白してしまった」と言わしめる、特捜部の取り調べとは、一体いかなるものなのか。

 緒方氏の容疑は、朝鮮総連から本部ビルと土地、金をだまし取ったというもの。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)が朝銀信用組合が破たんしたことによる多額の負債を抱え、本部ビルを競売にかけられる可能性が高まった。北朝鮮に対する世論は厳しいが、朝鮮総連本部がなくなると、困る人が大勢出る。その思いから、緒方氏がこの本部ビルを一旦買い取り、その後朝鮮総連が自力で買い戻すというスキームを、元日弁連会長の土屋公献弁護士らと一緒に作り上げた。

 スキームそのものに違法性はなかったと緒方氏は言う。しかし、元公安調査庁長官が、そもそも公安の監視対象にある朝鮮総連をそのような形で助けることを、拉致問題への強硬な姿勢で国民の支持を受けていた時の安部政権が、快く思うはずがなかった。

 緒方氏は、助けていたはずの朝鮮総連から本部ビルを騙しとろうとした詐欺の容疑で東京地検特捜部に逮捕され、8ヶ月半にわたり拘留された。朝鮮総連自身が、自分を被害者だとは思っていないと証言しているにもかかわらずだ。

 当初、緒方氏は容疑を否認していたが、元検事でもある緒方氏を待っていたのは特捜検察の苛烈な取り調べだった。特捜検事は自分たちが作り上げた事件の構図以外は一切聞く耳を持たなかった。否認を続ける限り釈放はされない。メディアは一斉に自分がクロであることを前提に、あること無いことを好き勝手に報じている。日夜、耳元で怒鳴り散らされたり机を叩かれたりしながらの取り調べは深夜まで続き、疲労困憊となった状態で、緒方氏は勾留延長の期限にあたる20日目に、思わず調書に署名してしまったという。

 「特捜の取り調べがそこまで苛烈だとは思わなかった」と緒方氏は言う。また、何を言っても検察のシナリオに沿わない話は聞き入れてもらえず、長期にわたる苛酷な取り調べを受ければ、多くの人がやってもいない犯罪を認めてしまうのではないか、とも。

 検察の手の内を知り尽くしているはずの緒方氏をもってしても、虚偽の自白に追い込まれた、検察の過酷な取り調べの実態について、神保哲生が聞いた。

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