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働き手は誰?不足する人手

世界中で人手不足が指摘されています。日経によると先進国39カ国の平均失業率は5.3%で、データがある1980年以降最低とのことです。技術の進歩により効率化が進む経営改善があるにもかかわらず、人手不足とはどういうことなのでしょうか?

人手不足を語る場合、労働参加率という言葉が出てきます。これは15歳以上で兵役や施設に入っている人を差し引いて、労働に従事している人の比率を言います。

生産年齢人口は15歳から64歳までの枠がありますが、労働参加率を計算する際には年齢上限はありません。つまり、誰が働けるかという労働者の供給という点で重要なシグナルです。

世界で女性の社会進出が進み、日本でも安倍首相がその主要課題に挙げるなど官民を挙げてその推進に取り組んでいます。その大先輩であるアメリカでは第二次世界大戦直後の女性労働参加率は33%程でした。その後、急激に増え、90年代終わりには60%まで上がります。そして現在は下降期に入っており57%程度になっています。

アメリカの女性の社会進出を促進したひとつの理由はベトナム戦争で国内労働力が圧倒的に不足したことがあります。その後、女性が働く社会システムが確立したことは大きな意味がありました。では、2000年以降、そのトレンドが打ち消されて、働かない女性が増えている理由は何でしょうか?

エミリーマッチャー著の「ハウスワイフ2.0」という本があります。これはリーマンショック直後にアメリカで出版され、当時、社会現象になるほど話題になった本です。

一言でいえば、別に好きでもない上司の言うことを聞くような仕事を私はしたくない、それより自分で素敵だと思う生活をして、それに共感(シェア)を持ってもらい、自分の生き甲斐を大事にしたい、というものであります。

私は著者へのリーマンショックの影響も大きかったと思いますが、これを読む限り、若い人達の労働観が変わってきていることにも注目しています。

では、アメリカの男性はどうかといえば1948年の労働参加率が86.6%、2016年が69.2%でその間をほぼ一直線で結ぶ下落ラインとなっています。つまり、アメリカのトレンドだけ見れば働かない人の比率が増えているのであります。

但し、アメリカの場合は人口も増えているのでこの労働参加率が下がっても労働者がそっくりそのまま減るわけではありません。

かつて資本家VS労働者層という階級闘争がありましたが、もしかするとアメリカという国家が全般的に資本家層になりつつあるのでしょうか?

その好対照が日本かもしれません。日本では原則的に資本家層という発想はあまりありません。(もちろん、資本家はいますが、社会構成という点では重要な意味はなさないでしょう。)つまり、日本人はずっと労働者でなくてはいけないとも言えます。

企業は定年退職の年齢を引き上げています。年金の受給年齢もじわっと上がっています。これは平均余命との関連もあります。

つまり、60歳で退職しても後、20数年は生きていかねばならないのです。遊ぶには長すぎます。そしてフィナンシャルプランナーが退職時に〇千万円貯蓄がないと生活できないと脅し続けるため、おちおち退職もできず、というのがまず労働者側の立場でしょう。

雇用側も人手不足が続きます。事業規模が大きくなり、熟練とか経験が不足していることもしばしばです。

結果として日本は人口減、少子高齢化なのに労働力比率(働く意思のある人の比率)は下がっていないのです。言い換えれば労働力が高齢化していて今は団塊の世代の方に頑張って働いて頂いているとも言えます。

が、日本の人口分布ではその後、一人っ子世代を迎えるため、昭和30年代半ば生まれに向けて子供の数がかなり減ります。つまり、日本の労働力はあと5年ぐらいたつと統計的にみて危機的な減少傾向が始まりそうです。

今、北米の飲食店など労働力が主体の業種ではレストランというフルサービス型からセルフ型を増やそうというトレンドが出てきています。サーバーがいないから自分でやれ、ということです。日本のホテルや旅館では一人の従業員がフロントから配膳までマルチタスクで働きます。

働き方は明らかに変わりつつあります。そして今までは政府が働きかけをしていましたが、今後は企業が自らそのやり方を変えていかざるを得ない時代になるでしょう。デパートに行っても店員をさがしてうろうろ、ということもあり得るかもしれません。

では今日はこのぐらいで。

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